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介入するから余計な仕事で忙しくなる(アドラー流子育て講座より)

05月11日(土)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「アドラー流子育て講座」が始まりました。私も娘二人の父ということ、またそれ以上にアドラー心理学はあらゆる援助場面に応用できることから受講しています。今回もそこで学んだことを障がいのある方への支援場面でどのように活用できるか実践報告を交えて考えていきます。

05月25日(土)は午前中に第三回、午後に第四回が開講されました。講座内容は以下のようになっています。

05月11日(土)am 第一回 怒らない~目的論
05月11日(土)pm 第二回 誰の課題か~ライフタスク
05月25日(土)am 第三回 介入しない~自然の結末
05月25日(土)pm 第四回 比べない~ライフスタイル

今日は、第三回の「介入しない~自然の結末」で学んだことを、実際のケースにあてはめて考えます。

講義のワークでは子ども同士のけんかにはどのように介入するかということについて話し合いました。障がいのある方が利用する事業所でも利用者同士のけんかへの介入方法が課題になっています。

アドラー流の子育てにおいては、必要以上に親は介入しない方が良いとしています。親が介入することによって子どもは「このように行動すればこういう結末になる」ということを学ぶ機会を失います。障がいのある方の支援場面ではこんなことがありました。

支援者はけんかは良くない、利用者同士は仲良くなければならないという仮想的目標を持っています。その支援者の前で利用者同士がけんかを始めました。支援者はけんかをした二人を引き離したあと、個別にけんかは良くない、仲良くしなさいと言い聞かせました。そのあと再び、二人を引き合わせ、「ともだち」と言いながら、握手をさせました。その後、一人の利用者は普通にすごしていました。でももう一人の利用者は何度も首をふったり、かしげたりしながら最後は自分の手の親指の付け根を噛んでいました。

私が事務室でパソコンをしていると頻繁に利用者が話をしに来てくれます。一日に一回は、〇〇さんが机をガタガタやっているから注意してくれとか、△△さんがバカと言ったから怒ってくれというお願いをしに来る利用者がいます。トラブルがあると、すぐに支援者を頼る癖がついてしまっています。これは今まで、ちょっとでもトラブルがあるとすぐに支援者が介入してきた結果です。利用者は、トラブルは支援者が介入しなければいけないものだと思っています支援者もそう思っています

本来、利用者と支援者は対等な立場でなければいけません。しかし、この状況は対等とはいえません。支援者は裁きをくだし、強制的に和解させる人になっています。

今、なぜ、利用者が何かあると私を呼びに来るのか、それはアドラーを学ぶ前の私が大岡越前になっていたからに違いありません。結果、今、余計な対応が増えていることになります。余計な介入をしていると余計な仕事が増えるということがよくわかります。

人と人は仲良くしなければいけない、それがは理想かもしれません。でも相性の悪い人はいます。それは障がいのある人も同じです。苦手な人を上手に避けたり、もしくは支援者が一緒にしてしまうからぶつかることが増えてしまいます。その利用者の日ごろの行動をよく見て、予測しなければいけません。

支援において、「日ごろの行動をよく見て、予測するということが大切」ということは「教える技術」のときにも学んだことです。これが支援の基礎、始まりであると言えるのではないでしょうか。

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