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福祉職は他人に厳しく自分に甘い

11月21日、今日はとても暖かな一日でした。外を歩いていると、上着を脱いでも汗ばむ陽気でした。洋服の調整が難しい今日この頃です。今日は、洋服の調整、それに関係する仕事の話です。

私は障がいのある人が利用する法人の理事長をしています。主な仕事は理事長業務です。しかし、直接支援にも関わります。障がいのある人の支援においては、衣服の調整もだいじな支援のひとつです。

毎日、同じ服だと安心できる

利用者の中には、季節や状況に応じた衣服選びが苦手な人がいます。特に、気に入った服を毎日着たがる傾向の人が大勢います。毎日同じ服を着たがる理由の一つとして、同じ服を着ていると安心できると言われることがあります。そのため擦り切れたり、穴が開いても同じ服を着ていしまいます。

見学のときは服装にも気をつけよう

私が経営する法人の事業所の一つに生活介護事業所と言い、日中に受注作業や創作活動を提供する事業所があります。そこの利用者の中には、もっと一般就労に近い形態の事業所にステップアップをしていく人がいます。そのステップアップのための手伝いも私の仕事のひとつです。

以前、利用者が別の事業所に見学に行くことになり、私が一緒に付き添うことになりました。また、その利用者もときどき、穴の開いた服を着て来ることがありました。そこで、あらかじめ見学に来ていく服を一緒に選びました。見学の朝、私が、グループホームに迎えに行くと約束どおりの服装で私を待っていてくれました。

見学先は、「就労継続B型」と呼ばれるサービスで、私が経営する法人の事業所よりも、受注作業に力を入れる一般就労に近い事業所でした。そのため、私たちも服装に気を使って見学をさせていただきました。

ところが、私たちを迎えてくれた先方の担当者の服がボロでした。

他人に厳しく自分に甘い

障がいのある人を支援している支援者の中には、利用者の服装について厳しく注意する人がいます。しかし、支援者の中には、自分自身の身なりが乱れている人がいます。また、「私のはファッションです」と言い切る支援者もいます。

いちばんよくあるのは、ジーンズの破れです。ある利用者さんが私に愚痴っていました。

「髙橋さーん、破けているズボンは、はいてはいけませんって言うんだよ。これぐらいいいじゃんねぇ。〇〇さん(支援者)なんて、もっと大きく破けたズボンはいてるよ。髙橋さんからさぁ、言ってやってよ。」

私の仕事のパートナーは、「福祉職は、他人に厳しく、自分に甘いから気を付けなきゃ」といつも言っています。私もその通りだと思います。

また、利用者は、私たち支援者のことを良く見ています。身近にいる支援者のマネをすることもあります。「支援者だから」という特権意識を持たないようにしなければいけません。いつも見られているという意識も必要です。



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