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No.28 政策を考える力を身につける 〜それって誰のため?何のため?〜


1日0.2%の成長で起こせ!
静かなる自分革命


自治体で働きはじめて、
年数が経ってくると、
だんだんと仕組み作りをしていく力が
必要になってきます。

いわゆる政策立案力というやつですね。

自治体職員なら誰もが
身につけないとならない力ですが、

日々が忙しくって、
なかなか力を伸ばせないままに
今に至ってしまった、
という方も多いのかもしれません。


自分が係長のときって、
どうやって力を伸ばしていたんだっけな?


そう思い返したときに、
ふと、役に立った本の存在を思い出しました。

わかりやすくて、
事例が身近で、
ものごとを分類整理する思考方法が役立つ本

それが、
「問題解決のための
ファンクショナルアプローチ入門」

横田尚哉 著

という本です。

2010年に出版された本ですが、
まだ販売されているようですね。
こちら

なかなか役に立つ本だと思いますので、
今日はこの本を
少し紹介したいと思います。



<誰のため?何のため?>


この本では、
問題解決を考える際に、
問題となっているモノやコトから離れて、

「ファンクション」
(役割・効用・はたらき・意図など)

を足掛かりに考えていく、
そのやり方を教えてくれます。

「人はカタチでは満足しない。
ファンクションで満足する」と考えて、
本質をとらえられるようにしよう。
そういうアプローチ方法です。


そのためのキーフレーズが、


「それって誰のため?」
「それって何のため?」

になります。


論理的にものごとを
考えられたらかっこいいな。

何か提案するときに、
理由もちゃんと言えるようになれたらいいな。

でも、そういうことを学ぶのは、
ちょっと難しそうだな。

そう思っている方には、
おすすめの本じゃないかなと
私は思います。



この本では、
点字ブロックからはじまって、
カフェ
通勤
ドライヤー
避難経路図
学校教育
などを例として挙げながら、
それらをファンクションで
丁寧に分解していき、
論理的思考力を養えるようになっています。



「それって誰のため?」
「それって何のため?」


ファンクションで分解していくことで、

例えば駅に設置されている点字ブロックが、
実は視覚障害者にとって
優しくなっていないことに気がついたり、

ビルに表示されている避難経路図が
かえって混乱を生む表示になっていたり、

そういったことに
気が付くことができるようになっていきます。

視点を手に入れる、と言えばいいでしょうか。



「それって誰のため?」
「それって何のため?」


とてもシンプルな問いですが、
本質を捉えた政策を立案する力に
役立つことと思います。


興味の湧いた方は、
一度読んでみてもいいと思います。

調べてみたら、私の地元の図書館にも
置いてありました。



<余談〜マニュアルについて>

最後にちょっと余談になりますが、
この本の中で、著者がマニュアルについて
述べている箇所がありますので、
触れておきます。

もう10年前に読んだものですが、
今でもこの部分の内容は
私の頭の中に残っているんですよね。


(以下、書籍本文より抜粋)
実は、この「マニュアル」のファンクショナル・アプローチをしていて、私には気がついたことがあります。
それは、「マニュアルが判断を下し、行動を決め、情報を与える」ということです。
本来は社員が行うべきことを、マニュアルに肩代わりさせているのではないかということです。
これでは、社員はマニュアル・オペレーターです。
その結果、どのような現象が生まれるかというと、社員は、自ら判断を下せず、行動を決められず、情報を集められなくなってしまうということです。〜中略〜
あえてマニュアル化しないことを考えてもいいのではないでしょうか。


自治体の仕事にはマニュアルが多く、
その数は増える一方です。

みんな必要だと思うからマニュアルを
作成するわけなのですが、

そのマニュアルが、5年、10年かけて
じわじわと職員の力を
奪っていくのだとしたら、
それは怖いことです。

ファンクショナル・アプローチのような
論理的視点を手に入れることができると、
政策立案のような大きなことばかりではなく、
マニュアル作成のような日々の事務についても、
より良く見直していくことができるように
なりそうです。


自分で考えることができる力、
身につけていきたいものですね。




こちらの投稿は、主に自治体職員向けにその成長を支援する内容となっており、継続して読むことで、思考力、判断力、実行力の向上に役立ちます。

1ヶ月で関心のアンテナが立つようになり、
3ヶ月で思考の解像度が上がる。
6ヶ月で視野の深さと広さのレベルが上がり、
1年で判断力、実行力に格段の違いが出るようになる。
まちづくりを担う力をつけていきましょう。

こちらのマガジンにまとまっています。
マガジンのフォローをお待ちしています。
「自治体職員サポートマガジン」https://note.com/ryoji_saito/m/m53582723e9a0

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