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No.29 いま改めて、「バケツとひしゃくの理論」


1日0.2%の成長で起こせ!
静かなる自分革命



「あなたは、働くうえで、
自分のことも相手のことも
大切にできていますか?」

自治体の仕事はどれも、
人の生活を支えることに繋がっていて、
真面目に取り組めば取り組むほど、
その奥深さにはまっていく傾向が
あるものです。


そして、
仕事にはまればはまるほど、
心の中で業務の正当化も進んでしまい、

気が付けば自分のことも、
関わる人たちのことも、
すっかり後回しにしながら
業務優先に突っ走る傾向が
強くなってしまいます。


緊急時など短期的には
やむを得ないこともありますが、
業務優先が常になって、
“人”のことを置いてきぼりにしていると、
やがて組織における
“人”のエネルギーは枯渇していってしまい、
それは自治体全体のパワーの衰退へと
つながっていくことになります。


まじめに取り組んで、
自分のことすら後回しにして
頑張っていたのに、
気がついたら状況は
取り返しのつかないほど悪化していた…。


これはやっぱり、もったいないことです。


そうならないためにも、冒頭の質問は
ときどきでも思い出して
自分に問いかけて欲しいと思うのです。


「そんな甘いこと言っている場合じゃない!」
という感覚は、
もう過去の時代のものとして
置いていきましょう。


人を理解し、人を大切にできる働き手が、
自治体には必要です。

もちろん、
そこに表現される“人”には、
自分も、仲間も、当然含まれるのです。


そして、自分自身が、
特に周囲に対してどう振る舞っているのかを
考えるときに参考になるもの。
それがこの
「バケツとひしゃくの理論」になります。


今回はこれをご紹介します。


この「バケツとひしゃくの理論」は、
ポジティブ心理学の祖父と呼ばれる方と、
その孫によって書かれた
「心のなかの幸福のバケツ」という書籍の中で
紹介されているものです。
(すでに絶版になっており、
今は中古品のみです)


この「バケツとひしゃくの理論」は、
半世紀以上にわたって、世界中で試され、
活用され、支持されてきたものだと
紹介されています。

早速引用してみましょう


■バケツとひしゃくの理論■

人は誰でも心にバケツをもっている。
他人に何かを言われたり、されたりするたびに、
このバケツの水は増えたり減ったりする。
バケツの水がいっぱいのときは、気分がいい。
バケツが空になったとき、気分は最悪だ。

バケツのほかに、ひしゃくももっている。
ひしゃくを使って誰かのバケツに水を注げば
〜相手が明るくなるようなことを
言ったりしたりすれば、
自分のバケツにも水がたまる。

逆に、ひしゃくで相手のバケツの水をくみ出せば
〜相手を傷つけるようなことを
言ったりしたりすれば、
自分のバケツの水も減る。

なみなみと注がれたカップと同じように、
心のバケツに水がいっぱい入っているとき、
人は前向きで意欲にあふれている。

バケツに水が一滴、注がれるたびに、
人は強くなり楽観的になる。

逆にバケツが空のときは、
後ろ向きで元気がなく、
意欲も低下している。
バケツの水をくみに出されるたびに、
人は傷つく。

人はみな、
日々あらゆる場面で選択を迫られている。
自分とかかわる人の心のバケツに水を注ぐのか、
それとも水をくみ出すのか。

これは重要な選択だ。
周りの人との関係や生産性、健康、
そして幸福に大きな影響を与える選択なのだ。

(本より抜粋)



いかがでしょうか。

言っていることは
とてもシンプルなことですが、
できているかというと、
なかなか難しいかもしれません。

シンプルで覚えやすくて、
仲間とも共有しやすい、
この「バケツとひしゃくの理論」

1日0.2%の成長を目指すみなさまには、
ぜひ覚えてほしいもののひとつです。



<バケツに水を注ぐことには効果がある>


本の中では、
「バケツとひしゃくの理論」には
とても強い効果のあると、
根拠や事例を用いて
説明されています。

その中には、
このようなことも書いてありました。

「認める」ことや「褒める」ことについて、
世界中の400万人以上の従業員を対象に
調査してきた。
30以上の業種、1万以上の事業部門を
対象にした調査結果から、
つぎのことが明らかになった。
ひんぱんに褒められ、
認められている人にはつぎのような特徴がある。

・生産性が高い
・仲間意識が強い
・会社を辞める比率が低い
・顧客の忠誠心や満足度が高い
・職場での事故が少なく、安全性が高い

(中略)

従業員を認め、褒めれば、
職場の空気はがらりと変わる。
たったひとりでも、
バケツに何度も水を注ぐことによって、
全体の雰囲気を明るくすることができる。

(本より抜粋)


また、褒めかたについては、
このように書かれています。

褒めるなら、
ひとりずつ、具体的に、
褒めるに値する点を褒める。
そうすれば本人の喜びも大きく、
効果があがる。


加えて、これは夫婦の事例ですが、
この理論に取り組んだ人の効果として
紹介されています。

妻にとってなにより意外だったのは、
自分自身の心境の変化だった。
夫のよいところを見ようとしたら、
悪いところにばかり目がいっていたころより、
自分自身の気持ちが明るく、
前向きになったのだ。



<バケツに水を注ぐ人になろう>


「バケツとひしゃくの理論」、
いかがだったでしょうか。

書籍の一部分だけの紹介でしたが、
役に立ちそうなものとして、
すぐにでも実践できそうなものとして
伝わってくれたら嬉しいです。


組織の中で働く人たちも、
仕事で関わる地域の人たちも、
様々な価値観、考え方を持った人がいます。

そこに不満を抱くこともあれば
悲しい思いをすることも
あるかもしれません。


それでも自分はバケツに水を注ぐ人になろう。


そう思える人が、
ひとり、またひとりと増えていけば、
必ずその影響は大きなものとなって、
“人”を置いてきぼりにしない組織が
つくられていくと思うのです。


これからますますテクノロジーが進化し、
業務の担い手の代替が進んでいく中で、
自治体がリードすべき
まちづくりの方向は、
本当の意味での
「人にやさしいまちづくり」なのだと
思っています。


人を大切に、前に進んでいきましょう。




こちらの投稿は、主に自治体職員向けにその成長を支援する内容となっており、継続して読むことで、思考力、判断力、実行力の向上に役立ちます。

1ヶ月で関心のアンテナが立つようになり、
3ヶ月で思考の解像度が上がる。
6ヶ月で視野の深さと広さのレベルが上がり、
1年で判断力、実行力に格段の違いが出るようになる。
まちづくりを担う力をつけていきましょう。

こちらのマガジンにまとまっています。
マガジンのフォローをお待ちしています。
「自治体職員サポートマガジン」https://note.com/ryoji_saito/m/m53582723e9a0

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