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【ラジオは続く】

 梅雨に突入した。
 雨は農家以外の誰も喜ばないので、都会には必要ない。
 異論は認めない。

 社会人になって、2か月と3週間が経った。
まだ社員とは誰とも直接会っていないし、オフィスにも入社式以来入っていない。でも、"先輩"のことはしっかりと"先輩"として認識している。
 リモートワークでのコミュニケーション不足はそこまで痛くないのかもしれない。Zoomで一度話した先輩は、他人とは思えなくなっている。
 繰り返すが、誰とも会っていない。

 社内でのコミュニケーションには満足している一方で、 2か月も人に会わないと「寂しい」という感情は生まれるみたいだ。
 必要以上にSNSを見てしまうなんてものじゃそれは解消できなくなっていた。
  そんな時、再確認したのがラジオの"やさしさ"だった。
 大阪に居た頃からラジオはよく聴いていた。作業BGMとしては抜群だし、新たな音楽を発掘するツールとしては間違いない。
 ラジオで好きになった曲で一番有名になったと思うのはガールズバンドSHISHAMOの「僕に彼女ができたんだ」だった。
 FM802のヘビーローテーションとして選ばれた彼女たちの楽曲にはそのキャッチーさ故に病みつきになった。でもまさか紅白歌合戦に出るとまでは思わなかった。ラジオはそんな音楽に人より早く出会うことができる。

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 話を戻します。
 ラジオのやさしさの部分は、東京に来てから特に感じることができた。
 リモートワーク中にずっとラジオを聴いていると、あることに気づいた。
 ほとんどのラジオDJは誰のことも否定しない。
 又、どんな意見も受け止める。
 政治、経済、社会、音楽、もちろんラジオショッピングも。
 もちろん人間なので、異論や反論は必ずあるはず。
 なぜ彼らは究極のYESマンに徹するのだろうか。
 それは、ラジオというメディアの在り方を彼らなりに考えた結果なのかもしれない。
 ラジオは、ホームレスの人がどこかで聴いていることもあれば、ある程度の給与を受け取っているビジネスマンがタクシーで聴いてることもある。
 テレビと違って「面白い」とか何とかって基準で番組を選んでいる人が少なかったり、ただただその場にいたら流れていたって人も多い。
 ラジオリスナーの層は、TVよりも幅が広いのかもしれない。無論、Youtubeとは対極である(タレントのラジオは例外)。
 リスナーの幅が広いゆえに、その分様々な価値観が存在する。
 DJはその誰も否定してはならないし、どの価値観も置き去りにしてはいけない。

ラジオDJは「喋ること」が仕事なのに、
「聞くこと」に徹しなければならない。

TVタレントが個性で生き残ろうとする反面、
ラジオDJは、協調のプロでなければならない。

では題名の「ラジオは続く」の意味は何か。
世界は「個の時代」に入った。
そしてメディアも変わった。

TVの全盛期が終わり、皆好きなものを好きな時間に見るようになった。
いや、見れるようになった。
Youtubeで調べたらどんなジャンルでも動画がある。
それもかなりクオリティが高い。
TVはYoutube、Amazonprime、Netflixなど無限にある選択肢の中の5つのチャンネル(民放)に過ぎないのである。

 そうすると中々その5つのチャンネルが選ばれることは難しい。

一方、ラジオは、「好きな時間に好きなことをする!」以外の時間に選ばれることが非常に多い。
仕事中、作業中、運転中などなど...
つまり、TVや他の動画コンテンツとは全く違うフィールドで戦っているのである。

ラジオを聴いている人は、"番組"を選んでいるのではなく、 
"ラジオ"を選んでいるのだと思う。

なんて長ったらしい文章だ。
書いていて腹が立ってきた。
まとめます。

①ラジオは誰が聴いているかわからない場合が多い(特に昼時)ため、価値観や考え方が渋滞している。
②故にラジオDJは個性を抑え、協調に徹しなくてはならない。
③結果的に「喋り」から「聞く」プロフェッショナルとなる。
④ラジオを聴いている人は、番組ではなくラジオそのものを選んでいる。
⑤TVは視聴者と敵対関係にあることが多いが、ラジオにはそれはない。


ラジオは続く。


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2019年10月28日にnoteを開始。 現在は、実践あるのみで試行錯誤の文章を展開しております。 何か、"気持ちひとつ"でも共有できるプラットフォームがあれば気が楽になるのにと思っていた自分が出会ったのがnoteです。 お手柔らかに。