才能のあるヤツはなぜ27歳で死んでしまうのか? ジーン・シモンズ (著), 森田 義信 (訳)

洋楽、それもロック・ミュージシャンの殆どは薬物使用となんからの関係があるようである。

いわゆる「クリーン」なアーティストを探すと数人しかいない。そのなかのひとりが著者のジーン・シモンズ。

彼を詳しく知らなくとも彼の、彼と息子さんとの対話をもとにした本書は、いわゆる「27クラブ」について書かれたもっとも質の高い本である。

本書のイントロダクションを読むと、本の題名とは裏腹にジーンが「27クラブ」なる呼称に懐疑的なことがみてとれる。これは本書の中で何度も表明される。

「27クラブ」については、WIKIなどや、最近出た類書と本書が異なるのは、内容の緻密さだ。
最初にブルーズ・ミュージシャンであるロバート・ジョンソンを持ってきているのも読みどころ。有名な「クロスロードで悪魔に魂を売った」逸話のジーンの読み解きが面白い。

「27クラブ」というカテゴライズをやんわりと批判するカルフォルニア大名誉教授の話が載っている。これによると若くして世界的な注目とか、一夜にして世界的な人気を得ることがトラウマになるという。
トラウマかはともかく、ヒトの脳神経が20歳代半ばで成熟するなかで名声がダメージになるということのようだ。

さて、あるラジオ番組でメタルに詳しい音楽評論家が多くのミュージシャンが20代後半で代表作を出しているのが事実と話していた。
たしかに名盤といわれるロック・アルバムは20代後半に作られたものが多いかも。

世界的な名声をさらに得ていく人もいれば、死と隣り合わせの人もいるのがロック・ミュージシャンの20代後半のようです。






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