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當山の三天合一尊について

 當山は奥祈禱本尊として「無上救世最勝神王大菩薩」様を奉祀しております。此の御名は夢告による称え名で、実質は辯才天様、歓喜天様、吒枳尼天様の三天が合一した御尊格です。

 中世に感得され拝まれた御尊格で、有名なところでは東寺に伏見稲荷大明神御本地として祀られていました(現在は東寺宝物館に収蔵)。同大社の三つの御峯にそれぞれを当てています。

 三つの御峯にどの本地を配するかは種々の説がありますが、當山では上之社神蹟=辨才天様、中之社神蹟=歓喜天様、下之社神蹟=吒枳尼天様と位置付けております(或る説では上と中が入れ替わっていますが、長年拜してきた感じから上述のようにしております)。

 中世の習合的宗教感性の成せる御尊格で、その御利益は息災、増益、降伏、敬愛、延命、鉤召の何れにも能く効きます。當山でも各修法の総まとめとして屡々行じます。

 三天合一尊の背後には、それぞれ別の御尊格方が複数おられます(事相に関することなので秘密です)故、佛蓮金の三部諸尊に通じるので単に天部・神祇とは異なる趣があるのも特徴。

 また現世利益に強いだけの御尊格ではなく、五欲などから解放され聖なる生活へと導く「出離の功徳」を併せ持ちます。最末世の今こそ頼りになる御尊格と考えます。合掌

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