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「ドンッ」「びゅるる」擬音語を使うのはアリなのか。

どーも、シナリオライターです。

今年は週1~2で、
#物語の考え方 マガジンを更新する予定。

というわけで今年初の創作論は、
「擬音語の力」です。

《擬音語とは》

擬音語とは文字通り、
「疑似的に音を表現した言葉」です。

インターホンを押す = ぴんぽーん
人が倒れる = どさっ
剣を振る = しゅっ、ちゃきん

こういう表現のことを擬音語と呼ぶ。

なお人や動物の声は別分類で、
そっちは「擬声語」となります。

犬の鳴き声 = わんわん
ライオンの鳴き声 = がおー
人の咳払い = こほん
人の笑い方 = くすくす、げらげら

こういうものだね。
この違いを意識する必要はないけれど、
声以外は擬音語だと考えれば基本問題なし!

今日話すことは、
どちらにも活用できる考え方になります。

ノートとペン2


《擬音語の力を感じてみよう》

そんな音を言葉に、文字にする擬音語は、
とてもイメージのしやすいもの

だって音が直接描かれるから。
聞いたことのある音であれば、
どんな描写よりも簡単にイメージできます。

ちょっと3つの文章を見てみよう。

【A】
扉が叩かれ、彼女が部屋に入ってきた。
【B】
木製の扉の向こう側からノックが三度響く。
そしてドアノブが回る音とともに、
彼女が重い足取りで入ってきた。
【C】
コンコンコン、ガチャ。
彼女はコツ、コツと部屋に入ってきた。

ノートパソコンを見る猫3

Aは、特に仕掛けのない文章。

シンプルゆえに読みやすいが、
ここには起きた事実しか書かれていない。
読者によって全く違う捉え方になる可能性アリ

Bは、しっかりと描写された文章。

どういう音なのか想像できるし、
ノックした女性の感情も垣間見えるだろう。
しかし読解力を必要とすることもあり、
カロリーの高い文章とも言える。

Cが、本題の擬音語を入れた文章。

これだけでも状況が少し分かるはず。
ノックして、扉が開かれて、入ってくる。
日常的な音だからこそイメージを引き出せる

しかしまあ……情報量としてはAと大差なく、
起きた事柄だけが見えていて、
何を言いたいのかも、人物の感情も読めない。

分かりやすく擬音語マシマシにしましたが、
文章という点ではダメダメですね。


《擬音語のメリット》

例文から分かる通り、
擬音語のメリットは「イメージ」です。

「扉を叩く」という明確な言葉にしなくても、
「コンコン」と曖昧なもので伝えられる。

もう1つメリットがあるとすれば、
音に関する情報を簡単に与えられること。

もしも「コンコン」が「ドンドン」なら?
「ガンガンッ」や「トントン」なら?
僅かな違いで別のイメージを持ってもらえる。

音情報に対するコストパフォーマンスは最強!
それが擬音語のメリットです。

パソコンを打つ牛


《擬音語のデメリット》

メリットがあればデメリットもある。
特にイメージと音情報という大きな力には、
同じく大きな代償が必要なのです……

まず、他の情報がないと意味不明!

「コンコン」に対して、
扉、叩く、入ってくる……といった情報がないと、
正直何を言ってるか分かりません。

窓を叩かれてるのか、机を叩いているのか、
下手すればキツツキかもしれないし、
大穴で足音の可能性だってある。

本当の音でない以上、
ほぼ絶対に「他の情報による補完」が必須です。

眠そうな猫

そして、細かい所は表現できない!

大きな音とか、
擬音語で書くと死ぬほど臨場感ありません。
何故なら音の迫力という表現ができないから。

ドンガラガッシャーン!

言いたいことは分かるし想像もできるけど、
これだけ読んでも迫力が出ませんよね。
擬音語の情報量にも限界があるのです。

漫画では擬音語がよく使われますが、
あれは字体の力が強いので。
ワンピースの「ドンッ」とか、
普通に書いても全く迫力出ないもんね。


《擬音語はどう使うべき?》

メリットとデメリットを通して、
私なりに擬音語の使い方を説明すると……

1:日常的な音に対してかなり有効!
2:情報量を出したい時には使うな!
3:単体では使わず、補助的な役割に!

この3つを意識する感じです。
特に、補助的な役割を意識することは重要かな。

あくまで主役ではなく、

少ない文字数かつ、
イメージしやすい情報を与えられる技。

として活用するのがオススメ!

フリスピーとジャンプする犬

だから最後にこれだけは言わせてくれ。

成人向け美少女ゲームのエッチなシーンにて、
フィニッシュの1クリックに、
擬音語だけ使うのはどうかと思う。

以上。

明確なロジックがあるならごめん。
その場合は教えていただけると嬉しいです。

もしも意味が分からない方は、
そのままの君でいてくれ。

では、また次回お会いしましょう。



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