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207ボイスカット編:ゲーム音声の編集をやってみよう!【美しょゲを作ろう】

やや風邪の症状が治まってきました、恒石涼平です。コロナじゃなかったと信じたい。

さて今日も美少女ゲーム制作日誌、 #美しょゲを作ろう の続き。ボイス収録を終えて、次は音声編集を行うよ!(なお実際の作業は次回に持ち越し)

《ゲームに組み込むための何をする?》

納品されたデータは「ブロックごとにまとめられたスタジオで収録されたままのボイス」です。それをそのままゲームに組み込むことは出来ません。

音楽制作ソフトに納品データを入れた状態がこちら。若干編集してるのはPV用に使った部分。

じゃあ何をしなきゃいけないのか、それをまずは箇条書きしてみよう!

  • ボイスカット

  • ノイズ処理

  • 音質調整

  • 音量調整

  • エフェクト加工

はい、何だかよく分からないですね。それぞれ音楽の知識がない人でも軽く理解できるように解説してみよう。


・ボイスカット

ゲームでは「状況やテキストに応じて、それに合ったボイスを流す」必要があります。

ヒロインが「こんにちは」って言ってるのに、「ばいばい!」と音声が流れたら台無しだし、「こんにちは、いい天気だね」と出てない分まで流れても台無しだ。

だから事前に割り振っておいたボイス番号ごとにファイルを分割して、音声ファイルに書き出さないといけないんだよね。その作業を一般的に「ボイスカット」と呼んでます。

しかしボイスカットだけするだけじゃゲームに組み込む時に不都合が生まれやすくなるので、同時に以下の作業もしていこう。


・ノイズ処理

収録時に主だったノイズ(雑音)は録り直したり、エンジニアさんが除去してくれたりするんだけど、それでもノイズは残ってたりします。

特に台詞の中に入っちゃってる「口が出すノイズ」が多いかな。唾液や唇による音が入ってたり、発音によって若干聞きづらくなってたり。こういうのはベテラン声優さんでもあるもんなのだ。

なのでそれらは編集で処理していきます。

全体的にノイズを消そうとすると音質が悪くなるので、基本的には入ってるところだけを一つひとつ処理する。だから時間が掛かるけど……頑張ろう。

場合によっては音質を優先してノイズを残す判断もするが、そこはちょっと専門的な話になるので止めておこう。


・音質調整

音質。そのままの通り「音の質(クオリティ)」を調整します。

まあ音質って収録の音によって9割くらい決まるので、しっかりとしたスタジオで良いマイクで録ることが一番大事なんだよね。悪い音質を良くするのはほぼ無理なのだ……

なのでここで行う音質調整は「綺麗な音を、聞きやすい音にする」という感じで作業を行います。

主にコンプレッサーとEQってのを使うんだけど、ちょっとややこしいので後で細かく解説しよう。


・音量調整

音量、つまりは音の大きさを揃える作業。1つの台詞の中での調整は前項の「音質調整」で行うので、ここでは台詞全体の音量を揃えていきます

さっきの台詞より小さい・大きいってのは違和感になって、没入感を損なう原因になるのでなるべく自然に聞いていけるようにしないといけない。

なので感情の違う数台詞を元にある程度の音量を決めて、それに合わせていく形で調整します。感情によって小さく・大きく聞こえる方がいいという場合もあるからその辺りのバランスを気を付けてやるぞ!


・エフェクト加工

最後にエフェクト加工。エフェクトで加工するのじゃ。はい、意味分からんね。

分かりやすい例でいうと「お風呂のような響かせ方(エコー)」を用いて、口に出さない内心の台詞や過去回想の台詞を演出したりする。通常状態とは違うことを見せながら、印象付けもする感じだ。

他にも電話越しやテレビの音声だったら、わざと音質を悪くするエフェクトでそれっぽく加工する。まあそういった特殊な台詞にやるのがエフェクト加工だと思ってもらえればいいかな。


《作業の流れを具体的に見てみよう》

という感じに5つの項目を経て、ゲームに組み込むためのボイスファイルを作るんだけども……

工程としては以下の形で進めていくのがいいのかなと個人的に考えてます。それがこちら。

  1. 基準の音量決め

  2. ブロック全部をボイスカット&音量調整

  3. 2の作業中に気になったノイズは処理する

  4. 全体に対して音質調整

  5. 特殊な台詞に対してエフェクト加工

  6. 一つずつ書き出し

これらを作業しながら解説したいんだけど、ちょっと長くなるので次回の記事でやろうかな。

なお、一番大変なのは「6」の書き出し工程。私はCubaseっていう音楽制作ソフトを用いてるので、一つずつ台詞を選択して書き出しを行わないといけないんよ。(もしかしたら方法あるのかもしれないが)

時間と単純作業の労力が掛かるので私的には6がしんどいです。まあ休憩しながら上手くやっていきましょ。


《おわりに》

ということで今日はボイス編集の流れについて解説しました。事前知識をある程度仕入れたところで実作業へ移っていきましょう!

作業ということは、スクショもいっぱいになるので次の記事は目でも楽しめるようになるかも。楽しみにしといてくれい。

では、また次回お会いしましょう。


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