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205ボイス収録編e:収録の流れ、立ち会いでやること!【美しょゲを作ろう】

モンハンサンブレイクをやってます、恒石涼平です。現在は残ってる上位の高難易度クエストをクリアするためにマスター装備作ってます……ソロぼっちだけど。

さて、美少女ゲーム制作日誌、 #美しょゲを作ろう 。昨日はオンライン立ち会いについて話したので、今回はようやく本番のお話!

立ち会い・ディレクションにて何をするのか、どういう流れで収録が行われるのか。そういった部分を記事にしていきます。

《収録時の画面がこちら》

これまで色々と収録準備をしてきて、スタジオの方ではエンジニアさんと声優さんが準備をしてくれて。遂にボイス収録がスタートします。

当日の私はパソコンの前でイヤホン着用にて立ち会いを行いました。その際のパソコンの画面がこちら。

右側が昨日紹介した「SYNCROOM」という通話ソフトで、左側がテキストエディタ(メモ帳的なやつ)の「秀丸」です。なお映ってないけど左側の画面にはpdfの台本を表示してます。

なんでメモ帳を用意してるのかというと……

収録ではボイスを聞きながら気になった所や修正したい箇所をメモして、一区切りしたときにまとめて調整・再収録をするので、書く物と書かれる物は必須なんですよね。

ちなみに区切りごとに調整・再収録をする理由は、いちいち声優さんを止めるのは非効率だし、声優さんの勢いや役への入り具合を失うことになるから。収録時間は無限にあるわけじゃないので効率よく進めたいのだ!


なおメモ帳には……

;2021(月日)
;ねこの手スタジオ
;ゲームボイス収録(オンライン立ち会い)

というものを冒頭に書いてます。後から確認することもあるので「いつ、どこで、何をしたか」というのは書いといた方がいいんじゃないかな。

特にこの企画ではこうしてnote記事にするので必須でした。ありがとう過去の自分。


《いざ収録開始!》

全員の準備が整ったら収録が始まります。

簡単にですが「収録が始まる光景」を再現しよう!(実際の会話を覚えてるわけがないので内容はフィクションです。ご了承ください)

エンジニアさん
「お待たせいたしました。本日はよろしくお願いいたします~!」

私&声優さん
「よろしくお願いしますー」

エンジニアさん
「では早速ですが、レベルの合わせ(マイクの音量調整)をしたいと思います。シナリオ後半の方でやや強くなる台詞をいただければ」


「了解です!」

……どこにするかエンジニアさんと探し中。

エンジニアさん
「175、176が良さそうですね。そちらいただければ~」

声優さん
「175……ここですね、分かりました!」

エンジニアさん
「ではご準備よろしいでしょうか?」

声優さん
「大丈夫です。あ、最初に以前録ったもの(事前のやり取りで声のニュアンスを決めてた)を聞かせてもらってもよろしいでしょうか!」

エンジニアさん
「分かりました! では一旦流しますね~」

(ここで声決めの時にもらったボイスが1回流れる。声優さんはそれを聞きながら声合わせ)

エンジニアさん
「こちらが以前のものになります。大丈夫そうですか?」

声優さん
「大丈夫です! よろしくお願いします-」

エンジニアさん
「では175、176の台詞お願いします……どうぞ!」
(エンジニアさんは録音スタートしてから合図)

(ここで声優さんが本番さながらに演じる)

エンジニアさん
「はい、オッケーです! 少し確認いたしますね~。恒石さんいかがですか?」


「音も演技の方もイメージ通りでバッチリです!」

エンジニアさん
「分かりました! レベルも取れましたので、このまま1番から本番を始めさせていただきます。ご準備よろしいでしょうか?」

声優さん
「大丈夫です! よろしくお願いしますー!」


「よろしくお願いします!」

エンジニアさん
「はい、それでは本番参りますー。では、どうぞ!」

(以降、ボイス収録)

うん、大体合ってる(フィクション)

でもボイス収録の流れって大抵こんな感じなので、少しでも雰囲気を体感していただければ幸い。

実際の現場では、エンジニアさんもみたかりんさんも明るい方なので非常にコミュニケーションも取りやすく、楽しい雰囲気でボイス収録をすることが出来ました。良い人たちと巡り会えてありがたや……

ともあれこんな感じで、声のニュアンスを思い出してもらってからボイス番号順に収録が始まりました。(本番の収録における会話の流れはさっきと似たようなものなのでカットするよ)


《収録中にすること》

さあ、声優さんがボイスを演じてもらってる間もこちらでやることは沢山あります。ボーッとしててはいけないのです、仕事をしろ。

とはいえやることは1つです。

台本を目で追いながら、声優さんの言っている台詞が間違っていないか・イメージと合っているかを確認する。

これだけ、というか忙しくてこれしか出来ん。

声優さんは区切りまでガンガン行こうぜしてくれるので、頭の中で「これでいいか? 変えてもらった方が物語の演出上いいか? ここのイントネーション合ってるか?」とかを必死に考えながら判断していくのじゃ。

そして気になる点があったらメモしていく。自分なりのメモする部分は以下の通り。

  • もう1度聞いて確認したい

  • イントネーションが微妙、または不安

  • 台詞を間違えている

  • ノイズが入っている

  • 台詞を変更したい

それぞれ軽く解説します。


・もう1度聞いて確認したい

ちょっと確認しきれなかったり、間違っているか確信が持てない場合がある。そういう場合は再チェックすることを忘れないように記載しておこう。


・イントネーションが微妙、または不安

言葉にはイントネーション(言葉における音程・調子)が存在するよね。これが違うだけで意味合いが変化することが多々あるので、聞いてて違和感がないかを確認しておきます。

……まあ私はガチガチの関西人なので、基本イントネーションが関西弁なので分かりづらいんだけどね。だからイントネーションがどうかなーと思った箇所は声優さんやエンジニアさんに「これって合ってる?」と確認取るようにしてます。


・台詞を間違えている

言わずもがな、である。ただ声優さん自身が気付いてその場で撮り直してくれることもあるので、その場合はメモを消しておこう。


・ノイズが入っている

ここでのノイズってのは色々あって、主に分けると機械が出すノイズと物体が出すノイズ、口が出すノイズの3種類があります。

【機械のノイズ】
ケーブルやマイクによって「サー」とか「ビー」とか「ジリジリ」みたいなノイズが出る場合があります。まあ基本はエンジニアさんが気付いてくれるので気にしなくていいです。もしも気になる場合は聞いておこう。

【物体のノイズ】
紙の台本による「シュッ」とか「ペラッ」とか、テーブルや椅子などの「ゴトッ」「ギシッ」とか、声優さんの服が擦れる「サッ」とか。いわゆる物音も収録現場ではノイズになります。ボイスに重なってなければ問題ないんだけどね……

【口のノイズ】
唾液によって「ピチョ」とか、喉や唇で「クプッ」とか、吐息がマイクに触れることで「ボフッ」とか鳴ったりします。キスシーンとかならいいんだけど普通の時は邪魔になっちゃうよね。


・台詞を変更したい

これはね、本当はやめておくべきことなんだけども……収録してる内に「シナリオ上のミスが見つかる」「台詞を変えたくなる」とかが起きる可能性があります。

どうしても必要な場合を除き、基本はもう出しちゃったものなので諦めましょう。変更が必要なら収録前か区切りの際に謝罪しながら変更をお願いしましょう。


これら5つくらいの項目をチェックしながら聞いていくのじゃ。一応メモの仕方も教えておこう。

今回は全部パソコン上でやってるので、メモ帳に記載していきました。

具体的には「ボイス番号」を書いてから「修正や決定した内容」を書く感じ。あと、区切りの部分で何か印を入れておくと分かりやすいと思います。(今回の場合だと「■ブロック?」と記載してて、メモの左側に表示されるようにしてます)


なおCampusってブランドでゲーム作ってた時は収録時の台本が全部アナログ(紙)だったので、台本に直接メモしてました。その際は調整したい言葉部分に線を引いて同じような内容を書いてたかな。

あと分かりやすいように調整が必要な台詞の上側には大きな丸印を入れてた。合わせて紙の右上の角とかを小さく折り曲げておくことで、忘れないようにすることも重要です。

調整が終わったものはパソコンなら「○」とかの記号を入れておいて、紙の場合は丸印に斜線入れて、折り曲げておいた角を戻すようにしてました。

……といったことが、収録中にやる作業かな。


《収録の流れ》

あとは上記の繰り返しになります。

収録しながらチェック
 ↓
区切りでチェック箇所を挙げる
 ↓
再収録が必要なとこだけを収録
 ↓
次の区切りまで収録&チェック

こんな感じでボイス収録は進んでいくよ。あ、大体150~200台詞ごとに声優さんの休憩を入れます。自分の方も集中して疲れるので休憩しないとぶっ倒れちゃうよ。

まあエンジニアさんが声優さんに喉の調子を聞いたりして、適度に休憩を入れてくれるのでお任せでもいいと思う。上手いエンジニアさんだと簡単なボイスのチェックも一緒にやってくれたり、休憩中に軽く音の調整をして聞かせてくれたりするよ! ありがとう!!


《おわりに》

という感じでボイス収録本番の流れをご紹介しました。

区切りとか休憩とかはシナリオやキャラクターの性格によって喉の疲れ具合が変わったりするので、具合見ながら臨機応変に対応していきましょう。シルヴァリオの立ち会い行った時は叫びが多かったので頻繁に休憩入れてもらってたな……

次回はボイス収録が終わった時の話や、納品までの流れとかを解説できればと思います。

では、また次回お会いしましょう!


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