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美少女ゲームに関わりたいクリエイターは、何をすべきか。

シナリオライター、企画、ディレクター。
美少女ゲームの制作現場を経験してきました。

そんな自分が考える、
「美少女ゲームに関わりたい」
と思っている人は何をすべきなのか。

これを今日は、
・シナリオライター
・原画家

の2つでまとめてみます。

《シナリオライターになりたい人》

まずシナリオを書いたことがない人は、
とりあえずネット小説でも書こう

ある程度文章が書ける人は、
自分の好きな美少女ゲームのシナリオを、
(演出も含めて)テキストに書き写し
て、
ゲームシナリオの構造を読み解く。

ここまで出来る人は、
以前にもまとめた形でサンプルを書く
こっちの記事を参照してね。

さて、ここまでは基礎だ。
もっと実戦的に考えてみよう。

まず美少女ゲームに関わる方法は2つ。

・会社に所属する
・外注を受ける

ここで大きく有利不利が出るのは、
「実績の有無」だ。


■実績のない人がライターになる方法

まず実績のない人は、
美少女ゲーム会社への就活も、
外注案件を受けることも難しい

(そもそも就活はライター募集自体が稀だが)

現状で就活・外注募集をするも良しだが……
効率は悪いだろう。
なのでオススメとしては、
「クオリティの高い同人ゲーム」を作ろう。

量より質だ。シナリオは5〜10KBでいい。
限りなく素材を減らして上手い人に発注し、
実績となる同人ゲームを作ってみよう。
ビジュアルノベルはゲームの中でも簡単だから、
作ったことがない人でも簡単に作れるぞ。
(分からないなら解説記事でも書きます)

それを自己PRに盛り込んで就活or外注募集を行う。

これで実績ありの人との差は、
大きく縮められるはずだ。


■実績のある人がライターになる方法

次に実績のある人。
ない人との明確な差は「信頼性」「人脈」だ。

1度仕事をしてしまえば、
そこには仕事への「信頼性」と、
クライアントとの「人脈」が生まれる。

相手にとって良い仕事をすりゃ、
2度目の依頼も簡単に打診してくれるだろう。


しかし新規のクライアントを開拓するなら、
実績のない人とそう変わりはしない。
特に「複数ライターが関わる作品」の実績だけだと、
まだ一緒に仕事してない側は信頼性に首を傾げる。

なので他と同様に、
サンプルシナリオや同人ゲームで、
「自分が書いたらこうなりますよ」
と分かりやすく提示しよう。

実績だけ並べても効果は薄いぞ!
ちゃんと実力が分かるようにしよう。(戒め)

また別パターンとして、
自分のようにnoteで実力を見せていくのもアリ。
(実際にnoteを見て大型案件が来てるので)


嬉しいことに、
個人制作を発信しやすくなった現代、
実績の有無をくつがえすことは容易になっている。

しかし美少女ゲームにおけるクライアントは、
減少の一途をたどっているので……

今ある椅子を奪い合うか。
それとも新しく椅子を作り出すか。

他ライターとの差別化も考えながら、
ちゃんと考えて行動することが大事だ。


《原画家になりたい人》

原画家ってのは、
絵の「線画」を書く仕事だ。

現在の美少女ゲーム業界では、
イラスト偏重主義が横行しているので、
ネームバリューがないとキツい。

……が、しかし。
現在だからこそ無名でも戦う方法はある。
(無論、それなりの技術は前提として必要だが)

まずは「初心者に向けた話」、
次に「無名〜中堅の人に向けた話」をして、
後半は「人気のある人に向けた話」をしよう。


■初心者が原画家になる方法

イラストのクオリティが低い人は、
当たり前だが上手くなるしかない。

同人ゲームなら仕事を貰える可能性はあるが、
商業ゲームではゼロに等しいと考えておこう。
だからまずは評価される技術を磨くべきだ。

ただ闇雲にやっても効率が悪いので、
オススメは2手順。

①人気のある人の絵を模写する
②人気の絵を元に、現在ない組み合わせを探る

まずは①をやって、技術を身に付けよう。
無心でやるのではなく、
「どこが人気になる要素か」を考えるんだ。
難しいとは思うが、
やっていく内に技術と目が養われる。

そしたら②で、売れる場所を探そう。
人気になる要素と、
皆が使っていない要素を組み合わせる

上手くハマれば、
そこは自分が開拓した新しい場所。
先駆者として人気になれる確率は高い。

まあ何だ、
つまりは先を見据えて行動しよう。


■実績のない人が原画家になる方法

次に、イラスト実績のない人、
実績はあるけれど美少女ゲーム関係はない人。
そういった人も学習は大事だが、
実戦経験も積んでいきたい所だ。

しかし、
いきなり原画家として参加するのは難しい。
未経験を使うのは、
クライアントにとっても博打だからね。

そんな時にオススメなのは2つ。

・「グラフィッカー」として採用or外注
・実戦的技術を見せ付ける


前者は様々な塗りが出来ること前提だが、
「仕事をしつつクライアントに名前を売る」
という点では現実的な一手だ。

美少女ゲーム業界では、
ある程度募集の多い役職なので、
可能性としては高いと思う。
(とはいえある程度の技術と運は必要だが)


後者はどういうことかと言うと、
「美少女ゲームの素材」を工程も合わせて作ること。
お仕事を募集してるイラストレーターの多くは、
何故か実戦的な資料を置いていないからね。

こういう依頼なら、こんなラフを数枚描きます。
そこからこんな線画を作ります。
修正指示があれば、こういう風に対応します。
これに関する所要時間と報酬は……

といった点を見せられたら、
クライアントは依頼しやすい。

「この人に頼んだら、どうなるのか分からない」
という点を極力減らしてやれば、
実績がないという点を補うことが出来る。

……まあ競合のイラストレーターに勝つ工夫は、
別途必要だが。


■人気絵師が原画家になる方法

ある程度人気のあるイラストレーターさんには、
よく「原画やりませんか」と連絡が行く。

今はコロナであれだが、
コミケとかで美少女ゲーム会社のスタッフが、
依頼したい絵師さんに挨拶しに行くことも多い。

そんな経験がある人は、
美少女ゲーム会社に直接連絡してみればいい。
タイミングが悪くなければ仕事を貰えるだろう。

逆に経験がない人は、
前項と同じことをするのがオススメだ。

……このレベルの人に言うことは特にないよね。
能動的に動けば、何とかなるさ。


《おわりに》

まだまだ他にも美少女ゲームには役職がある。

ディレクター、グラフィッカー、
プログラマー、スクリプター、サウンド、声優……
各分野を取りまとめる「チーフ」などもあったり。

「○○になるにはどうすればいいですか!」
という質問があれば、
noteでもTwitterでも言ってください。

まあどの役職も創作である以上、
正解は1つもなく、
良し悪しも絶対とは言えない
ものだ。
そこだけは留意しておこう。

美少女ゲーム業界の再興に向けて、
もっと沢山のクリエイターが志してくれることを、
願っております。

では、また次回お会いしましょう。

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