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新規事業に必要な「仮設思考」と「ナゼナゼ 分析」について

普段このようなかたちで記事を書くことはしませんが、自身のアウトプットも兼ねて初めて記事を書いてみました。

私は普段、企業さまの新規事業開発支援を主に行なっています。そんな業務での経験も踏まえて、私が新規事業の営業活動において重要だと思っていることを書いていきたいと思います。

今回は、新規事業における営業活動で特に私が重要だと思っている仮設思考とナゼナゼ思考について書いていきます。

あくまで経験を交えた一般人の意見なので、どの事業にも当てはまるかどうかはわかりませんが、新規事業の営業活動に携わる人やマーケターのほか、どのように市場にアプローチするべきか、あるいは事業メンバーにどのように動いてもらうべきか、に悩む事業責任者向けのコンテンツになれば幸いです。

1.新規事業における営業の立ち位置について

まず、一般的な企業における新規事業の立ち位置について書いていこうと思います。新規事業が生まれた背景はいろいろですが、既存事業と比べ新規事業はまだまだ子供みたいなもので、一人では自立して売上を立てることも難しく、解決しないといけない課題やできること(提供価値)もそこまで多くありません。よって経営がかけられるリソース(メンバーや予算)も少なく、場合によっては新規事業担当者が一人で立ち上げるということも少なくありません。

まさに0から1を生み出してなんとか次の事業の柱になるような事業を見つけ出すのが、一般的な企業における新規事業の立ち位置ではないでしょうか。特に2020年は新規事業を立ち上げる企業も多い印象でした。コロナがきっかけで事業方針や営業体制などの見直しを迫られるきっかけになったからではないかと思います。

そんな状況の中で、営業活動を行なうのはなかなかに大変なことです。ましてや新規事業の場合、もっと大変です。

なぜかというと、不安定な世の中という大前提のもと、新規事業なので導入事例もなければターゲットもあっているかは分からない、明確な勝ち筋も存在していない状態で営業しなければなりません。そんな新規事業の営業活動についてプロセスを追って書いていきます。


2.何か取り組む前には必ず仮説を立てる

ターゲット市場の選定など諸々のプロセスは省きますが、さあ実際に営業活動を始めていく場合に一つやるべきことがあります。それは"仮説を立てる"こと。

サービスのターゲットが、

”ターゲットはどのような立場か”
”どんな課題と背景を持っているか”
”その課題がどのようなところに影響が出ているのか”
”課題に対して現状どのように対応しているのか”
”どんな切り口で課題解決を訴求できるのか”

といったような仮の結論(答え)を立てておくことをおススメします。

仮説を立てるなんて当たり前のことではありますが、何事にも仮説を立てて臨んでいる人はあまりいないのではないかと感じています。仮説が無いと、この後営業活動で見えてきたターゲットからのインサイト情報(新規事業のヒント)を見落としたりインサイト情報に惑わされてしまう可能性があります。それだけこの仮設思考は新規事業では重要だと思っているのです。

3.目の前のお客さんに仮説をぶつけてみる

さて、立てた仮説をもとに実際に顧客にサービス提案をして仮設の検証を行なっていきましょう。

仮説検証

商談ではたとえ自信がなくてもサービス説明を行ない、顧客にとにかくぶつけてみることが大事です。新規事業領域の場合、顧客ですら正解がわからないことも多いので営業としては毅然とした態度で臨むことを意識しています。

併せて顧客へのヒアリングも忘れず行なってください。ターゲットの立場や現状の課題、影響範囲などヒアリング中心に商談を進めるのが理想です。初回商談の理想の流れとして、前半でサービス説明、後半でヒアリングの時間と商談冒頭であらかじめ説明をしておくと相手も集中して話を聞いてもらえるようになります(ある程度、営業の勝ち筋が見えてきたら前半にヒアリング、後半に提案という流れに変えていくと良いです)。

提案とともにヒアリングを行うことで様々な顧客のインサイトが見えてくると思いますが、可能な限りお客さんが話した内容をお客さんの使った言葉通りに議事録としてメモしておくと良いです。お客さんの言葉を引用するのは商談を進めていくにあたり後のフェーズで活きてきますので私も毎回意識するようにしています。

4.インサイト情報を分析する(ナゼナゼ分析)

商談で得られた顧客のインサイト情報が出てきますが、ここで重要なプロセスが一つあります。それは「ナゼナゼ分析」です。

ナゼナゼ思考

商談で得たインサイトを鵜呑みにするのではなく、その内容を「ナゼナゼ?」と深ぼって考えるという作業を行なってください。これを行なうことで、表面的なことではなくより本質的な答えに近づくことができ、サービス改善や営業のブラッシュアップなどに繋がります。個人的には、3回ナゼナゼ?を繰り返すと、ある程度の本質にたどり着きます。

また、元々持っていた仮説との擦り合わせも行なうことで、さらに仮説の精度を上げられるので新規事業では特にこの作業の繰り返しが重要になります。

ここまでつらつらと書いてきましたが、実際に私が携わった新規事業案件では営業活動から得られた顧客インサイト情報と商談獲得率や商談数などの営業結果からターゲットの絞り込み及び切り口の選定を行ないましたが、その後思うような成果が出ず再度方向転換を行なった経験があります。今考えると、営業活動で得られた顧客インサイトに引っ張られすぎて(鵜呑みにしすぎて)いたことが原因だと考えています。

同じような失敗をしないためにも、これを読んでくださった方が仮説思考とナゼナゼ思考の組み合わせを身に付けていただけると私の失敗経験も少しは参考になるのではないかと考えています。

営業の細かい話については、また別の記事にしていきたいと思います。

ではまた。

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