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僕のアメリカ一人旅①(モラトリアム編)

アメリカンスピリットという曲を出した。そこで、もうだいぶ昔の話なんだけど「僕のアメリカ一人旅(モラトリアム編)」を書いてみたいと思う。



アメリカに憧れて、学生の時1人で旅に行ったことがある。("旅"って言い方は流石におこがましいかも。)
でも、当時の19歳の僕にとっては紛れもなく旅だった。


目的はカリフォルニアのバークレーにあるGILMAN924って言うライブハウス。ここはグリーンデイやランシドが出ていたというEASTBAYパンクの聖地だ。当時、僕はパンクロックばかり聴いていた。ここに行ってランシドと同じパンクを体験したかった。

空港を降りると日本とは違う匂いがする。外国特有のファーストフードみたいな脂臭くてでも乾いた匂いがした。紛れもない。カロリーの匂いだ。

僕は夢にまでみたアメリカに来たんだ。

7泊ぐらいした。拠点はサンフランシスコのユースホステル。知らない外国人2人組ともう1人日本人が一緒だった。彼の名前はムラタさん。当時、27歳だから今の僕と同い年だ。ずいぶん年上に見えたな。

7泊したユースホステル4人部屋。色んなバックパッカーが代わる代わるで泊ってきた。

ムラタさんはアメリカのシリコンバレーの某めちゃ大企業で働いていて、ちょうどバケーション中だったらしい。

ムラタさんはとても良い人だった。それでいてなんだかリアリストだった。当時、サルみたいな大学生に「結局、自分探しなんて意味ないな」的なことを言ってた気がする。モラトリアムって言葉を言われた時は、難しい言葉を使う人だなって思った。(その時は確かにムッとしたんだけど、今となったら何一つ間違ってないな〜!って思う)

ムラタさんはギルマン924にも一緒に行ってくれた。因みにムラタさんはクラシックが好きだと言ってた。
ギルマンはDIYの塊みたいなライブハウスだ。中は真っ黒のでいろんなフライヤーや落書きがあって、これまで出てたバンドの名前がズラっと並んでいた。受付のお姉ちゃんは日本から来てくれたこと喜んでくれた。僕は何とかここに来たことを伝えたくて「マイドリーム!」とか言ってた気がする。

GILMAN924の入り口と中。かっこいい~!!


そこで、見たバンド(名前忘れた!なんだっけな~)がもう轟音で半分なに演奏してるのか分からなかった。「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ」ていう演奏。ムラタさんは口をぽかんとしていた。ただ、それを見た僕は少し誇らしげだった。なんとなく言いたいこと分かるかな?これがパンクローックだ!みたいなやつ。

バークレー産3ピース「ゴゴゴゴゴゴゴ」バンド。ボーカルの立ち姿でわかるクセの強さ。

終わったあと、そのバンドのCDを買って、2人は無言で駅に帰った。恐る恐る「ど、どうでした?」と聞いてみる。ムラタさんは「社会勉強になった」「面白いものを見れた」と言っていた。ムラタさんは良い人だ。うれしかった。

帰りに一緒にご飯を食べた。ムラタさんは寿司が食べたいと言ったのでサンフランシスコの寿司屋に入る。

「ヘイラッシャイ!」

ムラタさんはカリフォルニアロール。僕は何食べたか思い出せない。お金がなくて違うの食べた気がする。ムラタさんはおいしそうにパクパク食べた。食べてる間、ムラタさんといろいろなことを話した。

「あこがれている人を真似しても、その人と同じ人生になることはない。だから、今は沢山真似していいんじゃないかな」って言ってくれたのは唯一覚えている。

今、ムラタさんと同い年になって感じるけどホントその通りでした。今僕は憧れの人とは違う人生を送っている。でも僕と同じ人生を歩んでいる人は見たことない。今、とても良い人生ですよ。(なんか、死ぬ前に書く文章みたいだ。僕死ぬんかな)


また、機会あればアメリカとか一人旅してみたいな。当時は未成年だから、お酒も飲めなかったし。

これはサンフランシスコをサイクリング中のクソださイキり僕。ロン毛もダサいしGジャンもダサい。

次回は、「僕のアメリカ一人旅(シャーマンおばば編)です。乞うご期待!



浅戸梁【MV】アメリカンスピリット

MVです。良かったら見てください。






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