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太湖石に鳥図のカップについて

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1820-50年頃のマイセン製のカップ。

マイセンらしくないゆるっとした絵付けのため、長らく外絵付けの可能性もあると考えていた品です。

結論としては、正真正銘のマイセン製です。

所謂マルコリーニ期とボタン剣時代の間の品です。

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この太湖石に鳥のパターンは、この時期の前後にも見られるパターンです。描かれた線は決して丁寧ではなく、鳥もゆるカワな魅力を醸し出しています。

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マイセンにも好調な時期もあれば不調な時期もあります。こちらは後者の時期の品です。経営は傾き、技術の足りないペインターも多く雇わざるを得ず、薄利多売に傾いた側面があるようです。つまり、コストを抑えて生産効率を上げる必要があり、一つ一つの作品に充てられる時間も労力も少ない環境下で産まれた品々も多いようです。

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そのような背景を認識して、俯瞰的に鑑賞していくことで、より一層深く楽しみながら愛することが出来る一客と思います。

見解をお聞かせ頂いた皆様、諸先輩方に厚く御礼を申し上げます。

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