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アンティークカップについての考察など。

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カップや窯などについての考察をまとめております。
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2021年6月の記事一覧

瀬戸の釉下彩のカップについて

先日多治見の骨董店で、釉下彩(吹き付け)によって菖蒲が描かれた美しいカップを見つけました。 西浦焼風の意匠、白磁は薄造りで非常に上質なもので、竹をモチーフにしたハンドルもバランスよく仕上がっていますが、裏印は見たことのないものでした。 その後に訪れた名古屋の横山美術館で入手した『瀬戸 美濃の美』展の図録に掲載されていた情報によると、どうやら1900年前後頃の瀬戸・加藤勘四郎による品であることがわかりました。 勘四郎は「菱勘」と号し、染付を中心とする磁器を生産しました。染