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ネットの片隅で「幸せ」を叫ぶオトナ:サラリーマンが幸せになる方法 その21

これは、サラリーマンが幸せになるために「ありたい自分( being )を軸に持ち、ありたい自分を良好な状態( well-being )にし続けること」について書かれた note です。

あたなは幸せですか?
違いますか?
どうして、そう思いますか?

先進国で日本だけ

厚生労働省の令和2年版自殺対策白書によれば、10代の自殺者だけが前年に比べ60人も増加し、15歳~39歳までの各年代別の死因1位が自殺だそうです。また世界保健機構(WHO)の資料によれば15歳~34歳での死因1位が自殺なのは先進国で日本だけだそうです。

ユニセフが2020年9月3日に発表したレポートによる、日本の子どもの幸福度の総合順位は38か国中20位ということが話題になりました。なんと「精神的幸福度」に限れば37位、逆に「身体的健康」は1位だそうです。

ユニセフ報告書「レポートカード16」先進国の子どもの幸福度をランキング
日本の子どもに関する結果
https://www.unicef.or.jp/report/20200902.html

身体的な健康では世界1位
精神的な幸福度では世界37位(下位2番目)
死因1位が自殺なのは先進国で日本だけ。

これほど両極端なパラドックスをはらんだ日本。いったい原因は何なのでしょうか?

大人は幸せなのか?

ネットでは若者たちの精神的幸福度が他国に比べ低いということで話題になりましたが、では大人は幸福なのか?先述の自殺対策白書を見てみましょう。

令和2年版自殺対策白書
3 年齢階級別の自殺者数の推移 (※PDF注意)

無題

バブル経済崩壊後に爆増し、その後なだらかに減少しているようです。しかし依然40代~60代と年代別にそれぞれ3,000人を超す自殺者数で、年代が上がり死因順位が1位じゃなくなるのも、単に病因で亡くなる方が自殺者数を超えているだけで、自殺者数はむしろ10代から40~50代になるにつれて増えているような傾向すら読み取れます。

無題2

また国連の持続可能な開発ソリューションネットワーク(SDSN)が報告している「世界幸福度報告書World Happiness Report2020 ※PDFご注意)」では、日本の幸福度ランキングは62位(156か国中)となっています。(年々順位は下がっている)

順位が低い理由としては「他者への寛容さ(Explained by generosity)」が著しく低い、からだそうです。

この結果、納得です。昨今のSNSでの誹謗中傷、〇〇警察と揶揄される監視社会、他者の価値観・生き方に対する不寛容さがこの国に充満していると感じずにはいられません。


ここで興味深い分析をしている以下サイトから引用します。

国の豊かさを示す「レガタム繁栄指数」Legatum prosperity index (中略)で日本は167か国中19位と上位ではありますが、諸外国に比べてもう一つ特筆すべき特徴がこの指数の下位尺度にあります。それはこの繁栄指数を構成する「社会関係資本」social capitalと呼ばれる尺度(家族との関係、社会的ネットワーク、対人的な信頼感、組織への信頼感、社会参加という5要素から算出)が下表にあるように著しく低い(167か国中132位)ことです

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(中略)こうした透明性の高い客観的な国際比較からわかることは、日本が「豊かさのわりに幸福を実感しにくい」状況にあること、またその要因としては他国に比べて圧倒的に低い「寛容さ」generosityと「社会関係資本」social capitalの劣悪さがあげられるということです。

wellbeing において健康とは「身体的、精神的、社会的に良好な状態」を言います。こうした調査でこの3要素のうち身体面は非常に良好、精神的・社会的には著しく悪い、と言うことが分かります。

大人も幸せとは言い難いようです。

幸せとは?

しかし日本って本当にそんなに不幸な国なのでしょうか?

客観的なデータからは明白ですが、私は直感的に違和感を感じています。なぜなら私の身の回りには幸せそうな日本人が沢山いるからです。私自身はごく一般的なサラリーマンです。もちろん回りの方々もそれなりです(すみません!)。

週末に趣味や旅行を楽しむ
友達とお酒を飲む
家族やパートナーと楽しそうに遊ぶ
大人になっても学びを楽しんでいる

SNSやチャット、ご近所の雑談などで聞く皆さんの暮らしぶりからは、不幸な国ニッポンの片鱗をうかがえません。SNSやご近所付合いで去勢をはっている?本当は闇を抱えて生きている?


そんなの多かれ少なかれ誰でもそうですよね?
人生100%全てがウルトラハッピーでしかない人なんていません。
逆に100%不幸のどん底の人もいません。



人生ってのは色々あるんです。
日々の暮らしも色々あります。
でも幸せな瞬間、幸せな要素、他人に感謝し喜ぶときが誰にだって必ずあるはずなんです。

そこ」に目を向けているか
そこ「じゃないところ」に目を向けているか
ただそれだけ。

幸せってそういうこと
なんじゃないでしょうか。


もちろん日本にも極端な事例があるのは分かります。しかしこの note を読めている人はそうではないと思います。

当たり前の価値に気付けば、幸せはそこにある、と感じることが出来るのではないか?私はそう考えています。

日本一自殺者の少ない町

ちゃぶ台を返すようで申し訳ないのですが、実は先述の幸福度ランキング上位にいる北欧諸国は自殺率が高いことでも有名です。世界一幸福なはずのフィンランドは北欧で一番自殺率も高いのです。(とはいえ日本の自殺率の方が高い事には違いありません)

ところで、その自殺大国とも言える日本で最も自殺者が少ない「ある町」が有名になりました。徳島県海部町(現在は海陽町)です。

「生き心地の良い町」の著者 岡檀さんは、その”自殺予防因子”として以下5つを上げています。

1. 緊密過ぎない、ゆるやかな人間関係
2. 多様性を重視する
3. 人の評価は多角的に、長い目で
4. どうせ自分なんて、と考えない
5. 助けを求める、弱音を吐ける

引用「日本で“最も”自殺の少ない町から学ぶ 生き心地の良さとは何か
岡 檀 Mayumi OKA, PhD.
※PDFご注意

これだけで記事何本分もの内容なので詳しくは書きませんが、理想的なコミュニティの在り方、がここにある気がします。

国際調査で指摘された著しくスコアの低い「「他者への寛容さ(Explained by generosity)」社会関係資本(social capital)への解決策が見えてくるように思います。

監視社会とは逆の「ゆるやか」「多様性」「多角的」な社会。
ありのままの誰でも「出来る事がある」と考える信頼。
みんなで解決する「オープンダイアローグ」。

wellbeing のいう「社会的に良好」とはこういうことを言うのだな、と思わされます。決してフォロワーが何万人居るとか、プロフの肩書がいいとか、年収がいくら、等ではないのです。これらは立派なことですが、幸せとの関連性はありません。

wellbeing が未来を救う

「知足者富(足るを知るものは真の富を得る)」と言ったのは老子。
この真の富とは金銀財産のことではなく「足るを知る」というマインドそのものです。

そう、もう既に、あなたは今のありのままで幸せなんです

これが今現在です。
次に未来の話をします。

私が子どもを授かったとき、世界中の子どもたちが愛おしく思えるようになりました。そして心の底から「全ての子どもは幸せにならなければならない」と感じるようになりました。

幸せになって欲しい、ではなく、幸せにならなければならない、です。全員残らずです。

その子どもたちの未来とは私たち大人の姿です。私たちが幸せに満たされた大人になることが、子どもたちに希望を持たせ、子どもたちの未来を創ることだと考えています。

私たち大人が今そこにある幸せに気付くこと。

そしてそれを皆が世界に発信し、子どもたちに「大人って幸せだよ」「大人になるのが楽しみだね」と希望を持たせてあげること。これこそが全ての子ともたちを幸せにする方法だと考えています。

子どもたちが未来に絶望して自ら命を絶つ。
そんな世界を、子どもたちが将来に期待し胸膨らませる世界に変えたい。

だから私は今日もネットの片隅で「幸せ」について叫んでいるのです。

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