書き起こし。
僕の場合リズムや曲を学ぶ際、最初に取り掛かる作業が書き起こしです。
今まで数百曲も書き起こしをして来ましたが、初見の複雑なリズムを耳と頭だけで完コピすることは未だに出来ません。
そしてイダキを学ぶ上でこの作業にかなりの時間をかけています。
書く前と書いた後では曲の聞こえ方が変わります。北東アーネムランドの曲はアンキャッチーで僕ら日本人の耳には耳に残りにくく、初めの頃はすべて同じに聴こえます。
書き起こした後にはその曲の歌詞、リズム、展開が少し予測できる様になり、曲の判別もできる。
お気に入りの音楽アルバムを聴いていると、曲が終わった瞬間に次の曲のイントロが頭の中で先に流れ出すのは誰にでもあることだと思います。
これはそのアルバムを何度も聴いた結果ですが、書く事で曲に対する経験値が飛躍的にアップします。
書く作業には聞こえてくるマウスサウンドや歌詞を個々に拾っていく事が求められる結果、細分化して聞く事になり、それを体験する事でハッキリ頭にも紙の上にも曲の構造やパターンが残ります。
そして一番の恩恵は耳が肥える事です。
聴力が良くなる事はありませんが、人間の耳は経験の蓄積や知る事で、以前にも増して沢山の情報をキャッチできる様になります。
この耳を手に入れる事が書き起こしをする最終の目的であり、ネイティブヨォロンゴの感覚に近づく一つの術だと思っています。
例えば、
今のリズムの組み立てハマってたね。
イントロ合わせ一瞬迷ったね。
その終わり方わざと外した?
みたいに聴く感覚もシェアできる様になり、そのまま自分の演奏に反映されていきます。