見出し画像

COTEN RADIOにハマりまくっている話

昨年の年末からCOTEN RADIOにハマりまくっている。
仕事してるときと家族と過ごしているとき以外はほぼずっと聴いてるといっていいぐらい、自分の可処分時間の9割を超える勢いで番組を聴いている。そしておそらく若干ひかれるぐらいのしつこさで、ことあるごとにいろんな人に勧めています。

もともとCOTEN RADIOを知ったきっかけはSpotifyで聞いていたTakram radioのゲストに株式会社COTENの深井さんが出演されていて、そこから興味を持ちはじめ、年末年始から約1ヶ月かけてこれまでの約3年分ぐらいの放送を全て聞いた。

普段、あまり特定のものにハマりすぎる体質ではない僕が、なぜこんなにもCOTEN RADIOにハマりだしたのか、振り返って言語化してみようと思う。

まず、COTEN RADIOは株式会社COTENという歴史のデータベースを作る事業を手がけている株式会社COTENの深井氏、楊氏のお二人と、パーソナリティを務めるBOOKの樋口氏が手がける歴史キュレーションメディア。国内外の様々な歴史の人物やトピックを取り上げ、現代の視点からの解釈も含めて解説をしてくれる番組だ。

だいたい1本30〜40分、2月13日現在で160本の番組が収録されているので、少なくとも80時間ぐらいを1ヶ月で一気に聴いた結果、僕が感じたの魅力をいくつか挙げてみたい。

偉人の非合理な意思決定が愛おしい

まず大前提として、COTEN RADIOでは「歴史は完全には分からない」というスタンスで番組が制作されている(ように思う)。その不可解さが伝わってくることこそがコテンラジオの魅力を一層増殖させているような気がする。

僕が今まで教わってきた歴史、なかでも"偉人"と呼ばれる歴史上の人物はその人物の成し遂げた功績の偉大さばかりにスポットライトが浴びせられていた。というかそれを覚えて暗記することが歴史の勉強だった。そして、偉人の功績とその功績を成し遂げるために偉人が凡人だった頃に流した汗の量を教わることで、「凡人でも努力をすることで偉人になれる」というサクセスストーリーを暗に伝えられてきたようにも思う。

でも、実は歴史的な偉人にもとてもチャーミングな欠陥があったり、今の自分たちと変わらないぐらいだらしなく、世俗にまみれていたりする。ものすごく強い思いを持って自分の意思で歴史を切り拓いているように見えて実はめちゃめちゃ迷って意思決定しているようにも見えるし、どう考えても非合理な意思決定をして失敗していたり、その結果うだつのあがらない時期を過ごしていたりする。

こういう一見エラーともとれる偉人の行動が、巡りめぐって将来の功績に繋がっていることが、偉人をより身近に感じさせるとともに、定められた目的に向かうことだけが人生ではないことを教えてくれる。

ましてや偉人は自分の意思で偉人になり、成功したという例はあまりなく、彼自身の意思とは違うところで力学が働き、結果的に偉業を成し遂げていったということが分かる。それを歴史上の人物が生きてきた時代背景や当時の社会に通底していた文脈を紐解くことで解説してくれている。COTEN RADIOを聴いていてると、その歴史の奇跡としか言えない運命的な歯車が見えてくる。

そして、この歴史上の環境的な力学を把握することで、初めてその偉人が当時どういう心情だったのか、COTENの二人が解釈をしてくれ、樋口さんのリスナー目線での解説が入ることで、「たしかに当時を生きてた人はそう考えてもおかしくないよな〜」と、少しその偉人に対して共感、時には同情することができる。
歴史上の人物が考えていたことなんて分からないんだけど、そういう歴史の文脈が見えることで、偉人に少し共感できる。

時代ごとの価値観をメタ認知する

ふたつ目は、いろんな時代、いろんな国の歴史の文化的な慣習を知り、比較することで、価値観をメタ認知できること。

これはどういうことかというと、現代の社会に存在しているいろんな価値観(時代ごとの恋愛観や結婚観、家族の役割といった様々な価値観)が、個人の内発的な倫理観から成立しているのではなく、その時代の社会的な要請によって価値観が成立しているということがよく分かる。

これ自体はCOTEN RADIOの出演者の3人が主張しているのだけど、歴史を学んでいくことで価値観というものは絶対的なものではなく、その時代に必要とされた制度や国家体制が根本にあって成立しているもので、相対的なものであるということが納得できる。今ある当たり前がいかに当たり前ではないかを、その時々の社会を知ることによって自分の中でメタ認知するきっかけを掴むことができる。

よく「自分をメタ認知する」ということが言われるけども、「自分の価値観をメタ認知する」機会って意外と掴みづらいところがある。それは今の時代だけを見ていても、今自分が持っている価値観のどこまでが内発的なもので、どこまでが環境に起因してるものなのか分けづらいから。そもそも内発的な価値観というのがあるのかどうかすら分からないけど、多分それは今の時代の価値観だけを見ても掴みづらいような気がする。

今回、COTEN RADIOでいろんな歴史のいろんな社会の成り立ちを連続で聴いたことによって、複数の時代の価値観を相対化できるという得難い機会を得られたように思う。

なんとなく教科書どおり歴史を学んでしまうと、原始から現代に至る長い歴史の中で、人間の価値観というのは真っ当に進化してきているような錯覚に陥ることがある。現代の価値観が良いか悪いかというジャッジは別として、価値観のメタ認知ができることによって、今の社会のしくみや暗黙的に受け入れている慣習を相対的に評価する視点を養うことができるんじゃないかと思う。

これは歴史の事実だけを点で切り取って学んでも得られない視点で、それぞれの時代、それぞれの国が置かれていた歴史的な文脈を学び、それらを比較することによって初めて見えてくるものなのだということが分かった。COTENという会社が歴史のデータベースを作ろうとしているのはこういった価値観がメタ認知できることも人類にとって大きな成果になるんじゃないかと実感を伴って思えたこともここまで強烈にハマった理由な気がする。

歴史の結末は誰もコントロールできないという宿命

最後に、歴史の結末は誰もコントロールできないという、至極当たり前に聞こえてしまうかもしれない事実だ。仏陀も高杉晋作もガンディーも空海も、ひょっとしたら、というかおそらく自分たちの人生が後世でこんなに語られるようになっているなんて思いもしなかったのではないだろうか。COTEN RADIOを聴いてるとそんな風に思ってしまう。

歴史はそもそも物語として存在しているのではなく、歴史的な事象があって、それを未来の視点から再解釈することで物語化されている。そのため、過去の人物の人生を振り返るときに、あたかも一本の映画のようにその人の人物の顛末を見てしまう。でもいくら歴史上の人物に憧れて、その人物の人生のように物語を生きようとしても、誰も思った通りの人生を送れる人は誰ひとりとしていない。

過去に生きた偉人と言われる人物も、将来偉人になろうとしてなったわけではなく、その時代の"今"をひたすら一生懸命生きて命を燃やした結果、未来で再解釈されたのだということが強烈に伝わってくる。人生はいつどんな転換があるか分からないし、様々な運命的とも言える伏線が奇跡的に重なって歴史が大きく動いているということがよく分かる。

他人はもちろん、自分の人生というのもいかにコントロールできないものなのか、よく実感できる。

何かを成し遂げなければ素晴らしい人生ではないということではなく、今ひとりひとりが生きている生き方は誰にも否定し得ないし、未来でどのように再解釈されるか分からない。であれば今この瞬間の自分の人生を自分で肯定してあげることが尊いことなんだな、なんて気持ちになってくる。

なんとなくカチっとまとめてしまったけど、正直ここまででCOTEN RADIOの魅力は5%ぐらいしか伝わっていないと思う。なので機会があったらぜひ聴いてみていただけると嬉しいです。めっちゃ面白いから。そして誰かとCOTEN RADIOについて話したいです笑。

1ヶ月間ハマりすぎて僕はこの前有料サポーターになりました。

有料で入会するとサポーター特典があるんだけど、特典のリターンがあって入会したというよりは、それだけでなくCOTEN RADIOそのものを応援したくなってしまいました。
有料会員の意味って、得られる特典に対して支払っている「費用」としての意味と、サービスや事業を応援するという意味での「投資」としての意味があると思うんだけど、僕が今回支払ったお金はそのどちらの意味合いでもなく、なんか「感謝」みたいな意味合いでお金を払いたくなりました。

しばらくのあいだ、僕の時間がCOTEN RADIOで溶け続けることはまちがいなさそうです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?