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プラモデル製作記 グンゼ・エアフィックス 1/72 ダッソー ミラージュIIIC


はじめに

グンゼ・エアフィックスの「1/72 ダッソー ミラージュIIIC」を作りました。型番は「X-208」です。
以前製作した「ダッソー スーパーミステールB.2」と同じく、イギリスの「エアフィックス」がグンゼ産業と提携していた時代の、古いキットです。

箱のサイズもかなり小ぶりで、日本語のパッケージとなっています。

箱写真

「ミラージュIII」について

フランスのダッソー社によって開発された戦闘機で、上のパッケージイラストにあるように「デルタ翼」と呼ばれる三角形の主翼を持つ飛行機です。
デルタ翼は以降のミラージュシリーズでよく用いられ、特徴の一つとなっています。
ミラージュIIIは、尾翼の無い「無尾翼デルタ翼」と呼ばれる形式であり、この形式は主翼の後退角が大きくなることから特に高速域での飛行に向くとされています。
その代わりに低速域、すなわち離着陸性能に難があることから、現在ではそのまま用いられることはなく、カナード翼と組み合わされて使用されることが多いです。
ミラージュIIIは当時のマッハ2級の戦闘機の中でも完成度が高く、戦闘機型のC型や戦闘攻撃機型のE型をベースとした機体が数多く輸出されました。
また、ミラージュIIIEのレーダーや電子機器を簡素化した「ミラージュ5」も安価な戦闘機として有名であり、現在でも現役で運用されている機体が存在します。
そんな感じで世界的には有名な機体なのですが、アメリカ製の戦闘機がほとんどを占める日本ではあまり馴染みがなく、国内のメーカーでもキット化が少ないことから、いざ1/72スケールで作ろうとすると選択肢の少ない機体です。

キットについて

キットの「ミラージュIIIC」は戦闘機型の量産タイプで、付属デカールは無塗装のシルバーに赤の映える初期のフランス空軍塗装となっています。
デカールは「18 (c/n 18)」となっていて、調べてみると所属は「CEV」すなわちフライトテストセンター所属の機体とのこと。
キット付属の吊るし物はセンターに初期の「Matra R.511」空対空ミサイル、主翼下に「Matra JL-100」増槽一体型ロケットポッドとなっています。
(このあたりの説明が記載されていないので、知らない人にはよくわからないミサイルにしか見えないと思いますが…)

完成写真と改造点

デカールは一種類のみで選択の余地は無し、ただしパイロン・ランチャー含めてどちらも造形に緩さがあったので、「JL-100」は3Dプリンタで新造することにしました。
当初センターパイロンの「Matra R.511」も3Dプリント製のものにしようかと思ったのですが、こちらには同じく3Dプリント製の「Matra R.530」へとミサイルをアップグレードすることに。
そして物足りなさを感じたため、主翼外側に(実物とは形が異なりますが)パイロン・ランチャーを追加し、ハセガワのエアクラフトウエポンから「AIM-9B サイドワインダー」を取り付けることにしました。
それぞれパイロン・ランチャーは「てきとう」なのですが、もししっかりしたものを製作したら頒布に並べたいと思います。

「フランスの戦闘機なのに、ミサイルはフランス製の『R.550 Magic』じゃないの?」と思われるかもしれませんが、実はR.550の開発・配備が始まったのはもう少し後のことで、「ミラージュIIIC」の頃はAIM-9Bを使用していたそうです。
また「Magic 1」はサイドワインダーとは配線に互換性が無く、ごく一部の機体を除き運用は「ミラージュIIIE」になってからとのこと。またランチャー自体も異なるとか。
今回ついでに「Matra R.550」も3Dプリント製のものを用意したのですが、この辺りの事情からサイドワインダーを取り付けました。
まあ、テストセンター所属の機体ならIF設定でも良さそうですけれど。

さて、吊るし物について長くなりましたが、完成写真はこちら。背景はいつもの「紙模型工房」様の「背景支援」よりダウンロードしたものです。

完成写真1

角度的にセンターパイロンが全く見えませんが、外側にサイドワインダーを追加したことでちょっとだけ「重厚感」が増しました。

完成写真2

横からはこのように。
機首横の「Mirage IIIC」ロゴがいいなあと思ったそこの方。「ミステールIVA」のときもご紹介しましたが、ダッソー社の公式ページから高解像度のロゴデータがダウンロードできます。

完成写真3

付属デカールは「最小限」でしたので、エアブレーキのライン等は塗装しています。

機体下面から

普段あまり下からの写真は撮らない(というかあまり見せたくない)のですが、こうでもしないとセンターパイロンのR.530が見えないので。
このキット、実は素組みすると脚格納庫が筒抜けになっていて恥ずかしいことになるので、プラ板でとりあえず塞いでいます。あっさりなので、やはりあまりお見せしたくはないのですが。
ミッション的には対地兵装のJL-100と自衛用のサイドワインダーですので、センターはAS.30などの対地兵装にしたほうが収まりがよかったですね。
(ついでに「AS.30」も3Dプリント製のものを用意していました)

箱と合わせて

今回はあまりキット化されていないミラージュIIIを、吊るし物モリモリで製作しました。
フランス機ということで吊るし物の選択肢も市販のものがあまりないのですが、記事を見てもし作りたくなった方がいましたら頒布中の3Dプリント製の兵装もご覧いただけたら幸いです。

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