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プラモデル製作記 グンゼ・エアフィックス 1/72 ダッソー スーパーミステール B.2

グンゼ・エアフィックスの「1/72 ダッソー スーパーミステールB.2」を作りました。型番は「X-301」だと思います。
いつもの通りにタイトルを付けたら、とても長くなってしまいました。馴染みのない人にはなんのことやらかと思いますので、ちょっとだけ説明します。私もそこまで詳しいわけではないですが…

グンゼ・エアフィックス 1/72 ダッソー スーパーミステール B.2

プラモデルのメーカーを「グンゼ・エアフィックス」としましたが、モノ自体はイギリスの「エアフィックス(Airfix)」というメーカーのものです。箱を見ても分かる通りかなりの古さを感じさせるかと思います。グンゼ産業が提携していた時代の古いキットで、日本語のパッケージ・説明書となっています。説明や塗装指定はあっさりですが、塗料はMr.カラーに準じた指定となっています。

Mr.カラーに準じた塗装指定

今回の飛行機は結構マニアックな機体ですが「ダッソー スーパーミステールB.2」です。「ダッソー(Dassault)」とはフランスの航空機メーカーで、日本ではあまり馴染みがありませんが、「ミラージュ(Mirage)」などのデルタ翼の戦闘機が有名かと思います。先日来日した戦闘機「ラファール(Rafale)」で知った方もいるかもしれません。
当時の記載は「スーパーミステール(Super Mystère)」ですが、フランス語読みで「シュペルミステール」と書かれることも多いです。フランス国産の戦闘機で初めて超音速飛行を達成しており、アメリカでの「F-100 スーパーセイバー」に近い立ち位置、実際、外観もよく似ています。「B.2」型は量産機タイプですが、傑作機ミラージュIIIの登場と前後するタイミングだったため、実機の生産は少数でした。

現在、シュペルミステールの1/72キットを探すと、「アズール(Azul)」と「スペシャルホビー(Special Hobby)」で取り扱いがある(あった?)ようですが、如何せんマイナー機体であるがゆえに、入手が難しいことと、これらのキットは価格が高いことがネックでしょうか。

完成写真はこちら。背景は「紙模型工房」様の「背景支援」よりダウンロードしたものです。

完成写真

成形色はシルバーですが、経年劣化か元々そういう材質なのか脆さが目立ち、細い部品をランナーから注意深く切り離しても折れてしまうことがありました。さすがに主脚がポロっといくのは勘弁してほしかったです。
デカールは古いため、トップコートを吹いてから貼り付けています。それでも胴体横の長いアローは破れかけ、なんとか貼り付けました。

特徴的な赤いアロー

コーションマークは最小限で塗装指定もあっさりしていたので、実機写真を参考にしながら尾翼とドラッグシュート格納部の塗り分けや主翼のラインを引きました。
一応フランスのル・ブルジェの航空博物館で実機を見たことはあるのですが、後期の迷彩塗装でした。当時は時間がなくてあまりじっくりと記録を残していなかったので、機会があればまた見に行きたいですね。
実機は「Cocarde Hall」というフランスのラウンデルを模したエリアにスーパーセイバーとともに展示されています。

エアブレーキの色とか降着装置の収納部分の色とかは想像です。ドーサルスパインは一部がグレーのようで、塗り分けはこんな感じだとは思うのですが。

デカールは4種類付属しており、フランス空軍とイスラエル空軍の、初期の銀色の機体と後期の迷彩の機体を選択可能となっています。

  • フランス空軍 10-RF 無塗装銀色 (第10戦闘航空団 第2飛行隊 EC 2/10)

  • フランス空軍 12-ZQ 迷彩塗装 (第12戦闘航空団 第3飛行隊 EC 3/12)

  • イスラエル空軍 325 無塗装銀色 (第105飛行隊)

  • イスラエル空軍 708 迷彩塗装 (第105飛行隊)

上記カッコ内は私が調べたデータです。このうちの「10-RF」で製作しましたが、尾翼デカールの製造番号(c/n 113)を調べると「EC 3/12」となっていてどうもデータがかみ合わず、「10-RF」はc/n 14で、c/n 113の機体はEC 2/10に所属したことはなさそうです。ちなみに「12-ZQ」は確かにc/n 109で合っていそうです。

キット部品をそのまま使用したのでエアブレーキの開きが中途半端な気がするのですが、実機はもっと開くのではと思います。タービン位置を示す赤ラインのやや後方上面に三角のTACANアンテナがあるそうなので追加しました。

箱と合わせて

実機は主翼下にハードポイントが計6箇所ありますが、キットでは外側の4箇所しかありません。増槽はともかく武装がモールドの貧弱な対地ロケット(SNEBで丸いフェアリング付きのMatra Type 116Mでしょうか)では地味かと思い、この頃の空対空ミサイルを調べたら初期のサイドワインダー(AIM-9B)やシャフリルが搭載できるように改修されたほか、前期の銀色塗装でも初期の指令誘導式の「Nord AA.20」を搭載したことがあるとのことで写真が出てきます。
マイナーなミサイルのキットが入手できるはずもなく、3Dプリンターで作ることにしました。

自作の Nord AA.20

せっかくなのでBOOTHにて頒布しています。もし欲しい方がいましたらこちらからどうぞ。「Nord AA.20」および同形状の「Nord AS.20」として使用可能です。デカールはありませんが…

ということで、外側パイロンにAA.20と自作ランチャーを搭載し、それっぽくしてみました。

Nord AA.20 を搭載

さすがに吊るしものが多いと、重厚感が増しますね。
なかなかご存じの方も少なそうなマイナー機ですが、いかがでしょうか。


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