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プラモデル製作記 レベル 1/72 F-89D(/J) スコーピオン


はじめに

レベルの「1/72 F-89D スコーピオン」を作りました。型番は「4455」です。
箱だけの写真ではわかりにくいですが、実機が大柄なこともあり、かなり大きな箱です。
リサイクルショップを眺めていたら、これまで作ったことのない飛行機を見かけ、手に取ったものです。

箱写真

タイトルを「F-89D(/J)」としましたが、キットの箱絵と商品名から、当初「F-89Dのみ」作れるものだと思い、後期型のJタイプに独力で改造してジニーロケットを搭載しようかと思っていました。
しかし中をよく見ると実はJタイプとのコンバーチブルなキットとなっていて、よくよく見ると箱の横に「Jタイプとして製作した写真」が載っていました。
ちなみにこの事実に気付いたのは、3Dプリンターでジニーロケットを出力した後だったりします。

箱横の説明写真

「F-89 スコーピオン」について

「F-89」ですが、第二次大戦後の亜音速ジェット戦闘機です。
「直線翼」「翼端チップタンク」「機首側面インテーク」といった、同時期の「F-80 (T-33)」等のジェット機とよく似た特徴を持っています。
想定された戦闘は要撃や防空で、冷戦期に核爆弾を搭載して飛来・侵攻する爆撃機の迎撃を目的としていました。
固定武装に機銃は無く、F-89Dでは大型チップタンクに一体となった「マイティ・マウス」ロケット弾およびAIM-4ファルコン空対空ミサイルを、F-89JではAIM-4ファルコン空対空ミサイルおよびAIR-2 ジニー 空対空核ロケットを搭載します。
爆撃機には機銃では太刀打ちできず、初期の空対空ミサイルも性能面・信頼面であてにならず、一撃の破壊力を重視した結果、無誘導の強力なロケットに頼らざるを得なかったわけです。
これらの武装を使用するような状況にならなかったのは、幸いと言えます。

キットについて

今回は「レベル (Revell)」というメーカーのキットですが、結構ややこしい経緯のメーカーです。
元はアメリカのメーカーでしたが、ドイツに作った子会社が独自色を出し始め、後に独立していわゆる「ドイツレベル」となるのですが、アメリカの本体は「モノグラム」というメーカーと合併して「レベル-モノグラム」となります。
「レベル-モノグラム」も「ドイツレベル」もどちらも買収されてまたひとつの「レベル」グループとなるのですが、現在は親会社も倒産、また名前も変わり「カレラ-レベル」となっているようです。
このキットはというと、箱を見るに「レベル-モノグラム」時代のキットのようです。

キットは先に述べたようにロケット弾を主武装とする「F-89D」と、核ロケットを主武装とする「F-89J」とのコンバーチブルキットとなっています。
デカールはDタイプとJタイプとでそれぞれ1種類ずつとなっており、

  • USAF F-89D 75th Fighter-Interceptor Squadron (52-1894)

  • North Dakota ANG F-89J 178th Fighter-Interceptor Squadron (53-2465)

から選択できるようになっています。
箱絵のチェッカーマークとシャークティースのF-89Dもなかなか目立ちそうでよかったのですが、今回はそもそも「AIR-2 ジニー 空対空核ロケット」を3Dプリンターで作るところから入ったため、後者のノースダコタ空軍州兵の機体を選ぶことに。
デカールはぱっと見では大丈夫そうに見えたのですが、いざ貼ろうとすると硬くて劣化が激しく、保護にコートを施しても割れることが製作途中で分かったため、前者を選んでいたらチェッカーマークを貼り付けるあたりで撃沈していた可能性が高そうです。

完成写真と改造点

完成写真はこちら。背景はいつもの「紙模型工房」様の「背景支援」よりダウンロードしたものです。

完成写真1

前回記事にてご紹介した「E-2C ホークアイ」よりもひと回り小さいくらいの規模でしょうか。戦闘機としては大柄と言えます。

キットのパネルラインが繊細で、スミ入れも楽しめるなかなかの良キットかと思います。

完成写真2

なんとか機体全体が写真に収まるように撮れました。
キャノピーは開閉状態を選べましたので、せっかく貼ったコックピット内部のデカールが見えるように開状態にしてみました。
機首周り、デカール貼りに失敗したのが分かりますね。

完成写真3

このキット、説明書におもりの指定は無いのですが、よくよく最後まで見るとこれはトラップになっていて、付属の透明な「つっかえ棒」を最後に尻もち防止に取り付けるようになっています。
このひとつ前のパッケージのものにはしっかりとおもりの指示が載っており、「機首に20g程度」が必要でした。

下から

吊るし物が目立たないので、下から。
「AIM-4D ファルコン」はキットの付属品を、「AIR-2 ジニー」はキット付属でもよかったのですが、せっかくなので製作した3Dプリント品を取り付けています。
「AIR-2 ジニー」の頒布はこちらから。安定翼の開閉状態のバリエーションも作ってみました。

箱と合わせて

赤い塗装が銀翼によく目立ちますね。
ちなみに当機「53-2465」はノースダコタの博物館にて「53-2604」と機番を書き換えられつつも、今も余生を送っているそうです。

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