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プラモデル製作記 ハセガワ 1/72 富士 T-1A/B


はじめに

ハセガワの「1/72 富士 T-1A/B」を作りました。型番は「51802」です。

箱写真

パッケージのデザインが現在の白基調のものに変わる前の、全面に箱絵がデザインされていた頃のもので、「QPシリーズ」として自衛隊機がラインナップされていたと記憶しています。(こちらのT-1は「QP2」です。)
現在は定番品ではありませんが、たまにスペシャルマーキングの限定デカールで再販されることがあります。
現在は後発のプラッツからスペシャルマーキング含む各種T-1が発売されています。

「富士 T-1」について

航空自衛隊の中等練習機で、国産で初めてとなるジェット練習機です。
航空自衛隊では段階に合わせて「初等練習機」「中等練習機」「高等練習機」と課程に応じて分けられており、それぞれ機体を当時は用意していましたが、それまでアメリカから供与されていた練習機を国産のものに替えることになり、開発されたのが本機となります。
開発は富士重工=旧中島飛行機で、戦中の日本初のジェット機「橘花」の開発に携わった方々の夢が詰まった飛行機とも言えるかと思います。
機首のエアインテークや後退翼など、当時の主力戦闘機であるF-86を意識したデザインが特徴的です。
「T-1A」および「T-1B」の違いは搭載するエンジンの違いで、A型は国産エンジンが間に合わずにイギリスの「オーフュース」を搭載したもの、B型は後に国産エンジン「J3」を搭載したもので、前者はパワーが大きい分燃費も悪かったそうです。
現在はブルーインパルスでも有名な「T-4」に練習機の役目を譲り、全機退役済みです。

キットについて

さて、今回のキットはというと、割と古い時代のものを金型修正やデカール替えして再販したもので、「白成型パーツ」と「大判デカール」をそのまま使っても楽しめるようになっています。

デカールは

  • 航空自衛隊 第13飛行教育団 #35-5869 or #05-5811(T-1A)

  • 航空自衛隊 第5術科学校 #25-5852

  • 航空自衛隊 航空実験団 #25-5857

  • 航空自衛隊 第13飛行教育団 #15-5822(T-1A旧塗装)

から選択可能となっており、また好みのシリアルナンバーの機体を再現可能なように、数字単体のデカールが付属しています。
今回は箱絵の「#35-5869」号機としました。最終号機が#870なので、ひとつ手前です。
ちなみに最終号機は実機が埼玉スバル「さきたまガーデン」内の「日本航空館」にて展示されていますので、興味のある方はぜひ一度足を延ばしてみてください。

完成写真と改造点

完成写真はこちら。背景はいつもの「紙模型工房」様の「背景支援」よりダウンロードしたものです。

完成写真1

主翼端のピトー管は付属していませんので、伸ばしランナーで再現しています。
デカールは多少の黄ばみこそあれ、なんとか破れを塗装でタッチアップしつつ使用可能でした。
練習機ならではの派手なカラーリングが目を引きますが、当初の機体は全面銀あるいは白で、空中での衝突事故防止のためこのデザインになった経緯があります。

完成写真2

若干ハセガワのデカールが薄く、重ねて貼った分「下地+黄ばみ」で分かりにくくなってしまいましたが、尾翼の部隊マークは漢字の「十三」をデザインしたもので、現在でも航空自衛隊芦屋基地にて後継となったT-4に受け継がれています。

機首周り1

T-1の増槽はF-86の120gal増槽を流用したもので、キット付属は「三角フィン」の初期のものとなっています。
実際にこの形状の増槽を取り付けて運用していたこともあるので、互換性という意味では間違いではないのですが、後期の機体デザインの頃にはほぼ「縦型フィン付き」増槽での運用が多かったのか、この点は作り終えるまですっかり失念しておりました。
増槽の塗装もインスト通りに先端をオレンジで済ませましたが、「全面シルバー+防眩塗装」だけでよかったかも…
「T-1の兵装」として「有事に各種兵装の運用可」というのはよく聞くのですが、増槽のハードポイントを使うのであれば行動半径も狭くなり本当に最終手段と言えそうで、実際にそのような事態にならずに本当に幸いでした。

機首周り2

機首下のエアブレーキは単なる板パーツでしたので、「穴あけ」改造を施してそれっぽくしてあります。

箱と合わせて

今回は、赤・オレンジ・白の派手なカラーリングの後期塗装のT-1Bを製作しました。
古いキットですが、あまり考えずに素直に組むことのできるキットだと思います。
機会があれば各種スペシャルマーキングにも手を出したいところです。


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