ホテル業界を決算書から読み解いてみた!#20代マーケピザ養成所オンライン
こんにちは、リョウです
今回でnote2回目の投稿となり 、#20代マーケピザ養成所オンライン にて「業界の企業3社のビジネスモデルと業界の課題を決算書で読み解く」という課題にトライしました。
長々となってしまったのですが、何かしら面白い収穫があるのでは?と思うので、是非読んで頂けたら幸いです!
1.業界選定理由
1.成長市場であり、かつ市場環境も変化している
2.独占・寡占状態ではなく、上位数社がシェアを取り合うような競争の激しい市場環境である
3.単純に自分がリゾートホテルなどが好き&興味がある
の2点からホテル業界を選びました!
以下詳しく見ていきます。
2.市場動向
業界規模は約1兆5000億、伸び率は+5.3%となっています。
また
・インバウンド・訪日観光客の増加
・円安による国内旅行の増加
・東京五輪開催
の要因により、追い風の環境です。
3.増加する新規参入
このホテル需要の拡大から、開業ラッシュが相次いでいます。
2018年には『ホテルオークラ』が本館のリニューアルオープン、同年9月には『渋谷ストリームエクセルホテル』の開業
2019年春には銀座に国内初の『MUJI HOTEL』が開業などの出来事がありました。
また、宿泊者の意識変化から民泊やクルーズ船などの新たな宿泊手段なども登場し見られます。
つまり、業界の変化にどのように各社が対応しているのか、今後するのかという所が今後の売上シェアに大きく関わると考えました。
4.業界売上シェアTop3社
各企業の売上高・営業利益・売上を構成するユニットエコノミクスの3点に着眼しました。そして、ホテル業界の売上構成として、もちろん飲食費や関連レジャー施設料金などもあると思いますが、下記のように分解して考えました。
宿泊者数 x 平均販売室料 x 稼働率
次にTop3社をそれぞれ見ていきます
5. 1社目:西武HD
西武HDは、不動産、建設、交通事業などホテル事業以外に多角化経営を行っているので、ホテル・レジャー事業のみをみていきます。
2019年/3期/第1Q
・売上高:527億
・営業利益:37億
・営業利益率:7%
・客室稼働率: 78.8%
・平均販売室料: 15864円
・宿泊者数: 約120万人
内訳
ホテル・レジャー事業の内訳ですが、
・シティの方が、リゾートよりも1部屋当たりの1.4倍収益割合が高い
・邦人客が外国人客がよりも2.4倍多い
状況です。
こうみると、軽井沢などのリゾートホテルよりも都市部で宴会会場などのリシティの方が需要を得やすい。また私が想定していたよりも、訪日外国人客を集客できていないと感じました。
6. 2社目:リゾートトラスト
こちらも同様にメディカルという介護事業を展開しているので、それを省き数値を見ていきます。
2018年3月実績
・売上高:303億
・営業利益:32億
・営業利益率:10.5%
・客室稼働率:63%
・平均販売室料:18000円
・宿泊者数:78万人
ここまで見ていくと、なんとなくホテル業界の数字感が感じ取れると思います。上記2社はどちらかというと富裕層向けのリゾートホテル経営に対して、3社目のアパグループはビジネスホテルがメインの企業です。
7. 3社目:アパグループ
非上場企業であるため詳細な決算ハイライトを得れなかったので、ネットでのリサーチ情報をまとめました!
平成29年度11月連結
・売上高:1161億円 1Q:290億
・営業利益:364億円 1Q:91億
・利益率:31%
・稼働率:100%に近い
・年間宿泊数:約1437万名 1Q:360万名
・平均販売室料 1万円強
8. 読み取れること
売上高をみると、確かにランキング順なのですが、利益率と稼働率に着眼すると、ランキングと真逆の順位ということが読み取れます!
営業利益率別
西武HD:7%
リゾートトラスト:10.5%
アパグループ:31%
稼働率別
西武HD:78.8%
リゾートトラスト:63%
アパグループ:100%
こうみると、アパグループの営業利益率と稼働率の高さに驚きますね。
やはり、郊外のリゾート地よりも、都市部のビジネスホテルの方が、生活の中で利用頻度も高く、売上を立てやすいというのが率直な感想です。
9. 業界課題
・そもそも少子高齢化による人口減少
・また西武HDとリゾートトラストの場合、生活必需品でなく、かつある程度予算のある限られたセグメントである富裕層を如何に集客でき、稼働率を高めるか
・民泊など安価なホテル施設は数多く存在する中で、どう顧客獲得するのか
などなど
という主に「集客」の部分が業界課題だと考えます。
上図は2社目のリゾートトラスト社が掲げるデジタル変革戦略になります。
やはり、時代に合わせて集客をより効率的に行おうとする姿勢が読み取れます。
デジタルマーケティング →興味関心の創出
AI → 価格最適化
IoT → ユーザー体験強化
データ →パーソナライゼーション
RPA → 業務効率化
Fintech → ユーザー体験強化
ポイント → 囲い込み、CRM強化
このように見ると、新テクノロジーを活用が着々と進んでいくのだなと感じます。
特にAIによる稼働率の予測や最適価格の算出という施策は、業界課題を解決する有効な手段だと考えます、
10. もしも、新規参入するなら
新規参入するとしたら、立ち上げるのに莫大な初期費用がかかるホテル運営をするよりも、ホテル業界を支援する側に私なら回ります。
より効率よく、集客をするために、上記のリゾートトラストの「デジタル変革の全体像」から見れるようにデジタル化を進めており、ホテル業界全体がこの流れになると考えます。
社内にリソースやナレッジがない、かつ販促予算がある場合、自ずとデジタル変革を可能にする会社に外注するはずですので、ここに需要があると考えます。
おそらく、すでにホテル業界のデジタル支援市場は、いくつかのプレイヤー・競合が存在すると思いますので、この7分野の領域のの中で自社の強みが生かされ、かつ競合より優位に立てる分野で支援する形で参入します!
11. おわりに
長くなってしまいましたが、以上になります!
決算表、財務ハイライトを比較することで大きな学びがありました。
今後もファイナンスに関して、理解を深めていきたいと思える機会だったので、機会があれば 決算 x マーケティング戦略 のようなnoteを書こうかなと思います!
そして、シバタさんの話題の本、こちら興味がある方は是非読んでみてください。
僕はまだ読んでいないので、今ポチりました!
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