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有限要素法 正規化座標系と面積座標系を初学者学部生がまとめてみた

シミュレーションなど対象を有限個の要素に分解して計算する際に正規化座標系と面積座標系が使用されるそうです(四角形要素では面積座標系は使う必要がない)。この記事ではn角形要素のうち代表して三角形要素で正規化座標系と面積座標系をかる~くまとめます。

注)この記事は学習のアウトプットに加えて、自分と同じような初学者に向けて簡単なイメージを初学者目線で伝えようと書いています。しっかりと理解したい方は専門書などを呼んで補足していただくと良いと思います。また本記事に誤っている内容などがありましたらたらコメントで指摘していただけるとありがたいです。

1.正規化座標系って?

コンピューターの特徴として「正規化された多数の情報を素早く計算できる」そうです。つまり正規化座標系に変換するのは「コンピューターで計算しやすい座標系にするため」なのです。

三角形要素の正規化座標系
三角形要素における正規化座標系は
1.ひとつの頂点は原点にする
2.のこりの2点は横軸と縦軸上にする
3.原点と横軸上の点、縦軸上の点間の距離を1にする

以上の3つを満たすように全体座標系(一般的な座標系)から正規化座標系(コンピューターで計算しやすい座標系)に座標変換します。つまり正規化座標系に三角形要素を座標変換したらイラストのように直角三角形になります。

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2.正規化座標系における問題

ある点が上記の正規化した三角形の内部に点があるときξとηは
・0≦ξ≦1
・0≦η≦1
を満たします。しかしこれは全ての点が三角形の内部にあるときの必要条件ですが十分条件ではありません。つまり上記の条件を満たしていてもその点が三角形の内部にあるとは限らないということ!

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具体例を挙げると下記イラストにおいて、(0.1,0.8)も(0.7,0.4)も両方とも・0≦ξ≦1,0≦η≦1を満たします。しかし(0.1,0.8)は三角形の内部の点ですが(0.7,0.4)は三角形の外部の点です。どうやらこれをコンピューターに判断させようとすると計算時間が長くなってしまうそう!特にシミュレーションなど要素数が多い処理の場合では、要素数の増加に伴い膨大な時間が生じていしまいます。

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こまり
パラメーター(η,ξ)に不等式による変域を与えるだけでは三角形要素の内部の点であると断言できないことが余計な確認(三角形の内部であるかどうか)によるロスタイムを発生させています。

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このような繰り返し処理内でのロスをなくすのが面積座標系なのです!

3.面積座標系って?

面積座標系では下記図のような三角形内部の点P(ξ,η)の座標ξ,ηを面積比で表します。

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この面積座標系で点Pが三角形内部にある時
・0≦S2≦1/2
・0≦S3≦1/2
という条件を満たします。しかもこの条件は下の図のように必要十分条件になっています!

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てことはパラメーターに関する条件さえ与えてしまえば繰り返し処理内で各要素ごとに三角形の内部の点であるかどうかを判断しないで良くなります!これによってシミュレーションなどたくさんの要素を繰り返し処理するようなケースでは計算速度が短くなることが期待できそうです!

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4.さいごに

面積座標系についてとそのメリットについてまとめてみました。対象の物体を三角形などの有限の要素に分解して繰り返し処理をする際は面積座標系を使うと処理が早くなるかもって頭の片隅に置いとけばよさそうですね!

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