買いたい!って素敵

私は、普段ラジオを頻繁に聴いている。

お笑い芸人の深夜ラジオだけでなく、平日のお昼の地方局の番組もよく聴いている。

それは完全に母親の影響で、わが家では幼いころからテレビよりラジオが流れている時間の方が圧倒的に長かった。

だから、最新のニュースや流行りの音楽、その日の天気予報や占いまで、ありとあらゆる情報は目ではなく耳から入ってきた。

23歳になった今でも、移動中や仕事中など、私の日常の様々な場面はラジオと共にある。

そんなラジオを聴いていた時に、ふと感じたこと。

その時私が聴いていたのは、昼間の地方局の番組で、ラジオパーソナリティがほのぼのとしたテーマメールを読んだり、曲を流したり、街に出ているリポーターと中継を繋いで地元のオススメスポットを紹介したり、というもの。

ザ・お昼のラジオ、といった感じである。

その日は、とあるミュージシャンをゲストに招き、ニューアルバムの告知をしていたのだが、それ以外に15分ほどフリートークの時間があった。

そこで、未だに外出が制限されるこのご時世に、お家でどんな事をしていますか?と問われたミュージシャンが、DIYにハマって、小さめのイスや棚など色々なものを木で作っていますと答え、写真をパーソナリティに見せながら話していた。

するとその写真を見た女性のパーソナリティはやや興奮気味にこう言った。

「えー、すごい!買いたいです!!」

何気なく放ったその一言に、私はとても感心した。

もし、皆さんが同様の場面に遭遇したら、どのように言うか考えてみてほしい。

恐らく私だったら「おぉー、本格的ですごいですね!」とか、「うわぁいいなぁ、今度私の分も作って欲しいです!」とか言いそうな気がする。

写真で見せられたDIY作品の雰囲気や使い勝手が、正に私の欲しいものとピッタリです!という状況だとしても、「欲しい」とは言えど「買いたい」という言葉はそうそう出てこない気がするのだ。

「買う」ということは、代金を支払って自分の所有とする、ということ。

人の作品に対して、「お金を払ってでも欲しい」と言うことで、それだけ本気でこの作品を良いと思っています、ということがとても真っ直ぐ伝わる。

言われる側も、「欲しい」という評価を得て悪い気はしないだろうが、中には「こっちが時間と材料費をかけて一生懸命作った物を、ただ欲しいって言われてもねぇ...」と感じる人もいるだろう。

しかし、「買いたい=お金を払ってでも欲しい」とまで言われれば、自分の作品が高く評価されていることをより強く感じられて、素直に喜べるだろう。

自分の想いを完璧に相手に理解させ、尚且つ相手をちゃんと気持ち良くさせる、「買いたい!」はそんな魔法の言葉に聞こえた。

自分の熱量をそのまま相手に伝える事は難しいが、不可能ではないということがよくわかる一幕だった。

これからは、良いと思った作品には積極的に「買いたい」と言うことを心がけようと思う。

もっとも、本当に良いモノを買えるだけのお金は持ち合わせていないのだが。

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