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LE LABO VETIVER46

LE LABO(ルラボ)初期コレクション10種の中でも男性寄りのユニセックスな香り、Vetiver46(ベチバー46)と香りを手掛けた調香師Mark Buxton(マーク・バクストン)について紹介をしたいと思います。

VETIVER 46

Vetiver 46(Mark Buxton)

ベチバー46はカクテルを飲んでいる瞬間を思い出すようなお酒の香りから始まります。爽やかな柑橘とイソイースーパーによる複雑で力強いアクセント、ラブダナムの甘さと、冷んやりしたシダーウッドから感じるウッディとスパイスの辛みが微かに香ります。

次第にお酒の香りは薄れゆき、スモーキーなオリバナムとガイアックウッドが主役となり、甘くウッディ調のラブダナムと上手く調和することで、京都の寺院で焚かれているお香を感じさせる香りへと移ろいます。

金閣寺

香りの変化が落ち着く頃にはお香の香りも静かとなり、甘いバニラの香りと大地を感じるベチバーが現れます。静かに囁くお香とベチバーにより、仏壇のある和室にいるような落ち着きある香りとなります。

ベチバー46はバーでカクテルを嗜む男性を想像させたり、お香を身に纏った知的な男性を思わせるような、とても格好良くミステリアスな香りです。癖が少なく軽やかな香りで、どの季節でも身に纏える1本あると便利な香水なので、機会がありましたらぜひ試してみてください。

続いてベチバー46を手掛けた調香師、
マーク・バクストンの紹介となります。

Mark Baxton

Mark Baxton(マーク・バクストン)
海外インタビュー記事参照。

マークはドイツで育ちます。両親はレストランとバーを経営しており、マークがキッチンでシェフのお手伝いをしていた時に、ハーブやスパイス、ニンニク入りのオリーブオイルなどから香りに興味を持ち始めました。

マークが21歳の時、ドイツのゲーム番組に出演依頼の手紙を出します。ゲームの内容は600種類の香水の中から5本選び、ブラインドテストで当てるという企画でしたが、当時のマークは香水の知識に乏しく失敗という結果で終わります。それから1週間後、たまたまテレビを見ていたH&R社(香料会社)の代表から連絡がありました。嗅覚の才能を見込まれ、マークはH&R社が運営するスクールに通う事となります。この偶然の出来事からマークは調香師を目指すこととなりました。

現在マークは調香師としてのキャリアを25年以上続けており、コムデギャルソン、ヴェルサーチ、ジバンシィなど、一流ブランドの香水を手掛けると共に、2008年に自身のブランドMark Buxtonを立ち上げ運営しています。調香師としての仕事に加えて、アンティークや絵画など芸術も好んでいると書かれていました。彼の作り上げてきた香りの中で最も誇れる香水を聞かれた時に、コムデギャルソンと答えています。

以上、マーク・バクストンの紹介でした。
最後にベチバー46で使われていた香料の解説に移りたいと思います。

香料の解説

シダーウッド
甘さとスパイシーさを併せ持つドライな香り。

イソイースーパー
非常に複雑な合成香料。
ウッディな香りと言われているが、
ムスクのような甘さと温かさも感じる香り。

オリバナム
スモーキーでスパイシーな香り、
人により柑橘類や甘さも感じる。
お香の原料としても知られており、
乳香やフランキンセンスとも呼ばれる。

ラブダナム
スモーキーで甘い樹脂の香り。
カシスのような香りもする。

ガイアックウッド
スモーキーで甘い木の香り。

ベチバー
土や根っこ、地面のようなイメージが思い浮かぶ、土っぽく木質的な香り。


以上で終わりとなります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

参考文献
Fragrantica
海外インタビュー

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