LE LABO 創設者
今回はLE LABOの創設者のお二人についてご紹介していきたいと思います。
Eddie Roschi(エディ・ロスキー)
Fabrice Penot(ファブリース・ぺノー)
エディは大学生の頃、化学に興味があり化学工学を学ぶことに専念します。化学を学びながら将来について考えている時にエンジニア、研究者としてキャリアを追及するより、自分の持っている化学の知識を活かしながら楽しめる仕事をしたいと考えていました。
大学を卒業したある日、偶然にもエディの友人がフィルメニッヒ(香料会社)で働いており、彼らと話してみないかという誘いがあり、彼らと話してみたところ、エディが化学工学を学んでいたバックグラウンドを気に入ることで、フィルメニッヒに誘われます。フィルメニッヒでは研究開発以外の分野で仕事を任され、主に北アフリカと中東市場でのビジネス販売面、会計責任者として仕事をしていました。
エディは1年後、ロレアルグループ(化粧品会社)に転職することとなり、グループ傘下アルマーニビューティーの香水部門に配属されます。そこで後の共同経営者ファブリース・ペノーと出会いました。ファブリースはエディより先にロレアルに入社しており、アルマーニの香水部門で働いていました。2人は数年間一緒に働く中で、大企業によくあるビジネス的側面、つまり会社の売り上げを増やすアイデアなどに対してフラストレーションが溜まり、もっと快適で自由な未来を2人で思い描いてみようと同じ夢を掲げる事になります。それが後のLE LABO設立という未来に繋がります。
以上となります。
以下 Q & A(一部抜粋)
Q記者
LE LABOのフレグランスは全てユニセックスですが、香りによって性別を分ける事に対して、どう考えていますか?
Aエディ
香水は古くからジェンダーレスでした。
デザイナーズブランドが香水開発を始めた時に、
マーケティングの一環として性別を分ける取り組みを始めたのです。それ以降ビジネス的観点から性別を分けるようになりました。ここで重要な事は、ブランドのマーケティングに惑わされず、消費者自身が考えて決断する、それこそが大切なのです。
Q記者
あなたの好きな香りはなんですか?
Aエディ
私自身好きな香り、音楽、映画などはありません。それらを五感で感じた瞬間に、自身の感情と結び付く事を大事にしているのです。なので、月曜日のお気に入りの香水は、火曜日のお気に入りではないのかもしれません。
Q記者
LE LABOのマーケティング戦略について教えてください。
Aエディ
まず、私達は広告を出しません。
私達は当初から香水業界で成功を収めるには、マーケティングではなく、お客様や取引先と良好な関係を築く事が重要だと考えていました。人々には私達が作る香水なども含めて、自然な流れで手に取って好きになって欲しいと願っています。そうする事で、購入した人々がブランドの良さに気付き真のブランドアンバサダーとなるからです。しかし、その関係性を築くには膨大な時間が必要です。
Q記者
新しい香りをデザインする時に、どのような思考プロセスを辿りますか?また、インスピレーションの源はなんでしょうか?
Aファブリース
私達は、様々な「美」からインスピレーションを受けています。それは美しいものを見た時に湧き出る感情という意味です。プロセスはこの感情から始まり、ラボに行き、いくつかの材料を使用する事で、感情を香りという形で再現しようと試みます。しかし、再現する過程で多くて400以上を超える変更があります。いつ魔法が起きるかはわかりません。
Q記者
LE LABOの香水は、タイトルと一致していないように感じます。例えばフルールドランジュはネロリとプチグレンの香りが強く、ガイアック10はウッディよりもムスクのような香りがします。これにはどう言った意図があるのでしょうか?
Aファブリース
たしかにタイトルと香りが一致しておらず、お客様にとってフラストレーションであることは認識しています。しかし、重要な事を忘れていませんか?1番大事な事はタイトルやコンセプトではなく、香水を試した時に感じる自身の感覚や感情なのです。私達は香水にタイトルを付ける時に、作品がどのような情景を示すかという事を考えている訳ではありません。ただシンプルに、配合された香料の中で、最も分量が多い物をタイトルにしているだけです。先ほども言いましたが、タイトルの詩的な表現に惑わされず、香水を試したあなたの感覚や感情こそが最も重要なのです。だからこそ使われている香料をタイトルにしているのです。
Q記者
最後に、作りたいけどまだ作っていない香水はありますか?
Aファブリース
セルジュルタンスのアンブルスュルタンのような香水が作りたいです。この香水は私の人生を変えたと思います。それは私に嗅覚を通して物語を伝え、感情を呼び覚ましてくれる、そんな経験をアンブルスュルタンは与えてくれました。この経験から、自身が香りを試した時に起こる感覚や感情を大切にするようになりました。
参考文献
海外インタビュー
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