【官能小説】虎穴に入らず虎児を得る
笠原陽子は戸惑った。目線が目の前に座る男と手に持った履歴書を何度も往復した。履歴書には二十三歳と記載されている。これが事実なら、この男は自分よりも七歳年下ということになる。しかし目の前に座っている人物が、陽子の目にはどう頑張っても中学生ぐらいの男の子にしか見えなかった。
「あの、大変失礼なのですが、身分証を拝見させていただいてもよろしいですか?」
「あ、はい。どうぞ」
そういって、彼が財布の中から車の免許証を出してきた。陽子はそれを受け取り、履歴書と照らし合わせた。名