家族支援について久しぶりに考えてみた
先日近畿2府4県のPSW合同研修会に参加してきました。
関西の各地で開催されてきていて、今回で参加は何回目かしら?
いつも楽しい仲間との繋がりが広がるので、優先度高く参加しています。
午前中はノートルダム女学院の佐藤純先生の講演がありました。
その中で語られていた家族支援の視点から、自分なりに考えたことなどを言葉にしたいと思います。
フリーランスソーシャルワーカーの可能性についての重要性も語られているように感じて。
一人、激しく同意していたのでした。
誰がクライエントか?
就労支援のことをしている期間が長かったから、余計にかもしれませんが。
本人がどのような人生を歩みたいと思っていて。
そのためにどのような仕事(もしくはそれ以外の選択肢)を選びたいと考えているか
当たり前に最重要だと思っています。
「私たち精神障害者は、精神障害者である前にひとりの人間である」
精神障害者人権宣言にもあるように、一人の人であるのは自明のことで。
対等にその人が大切にしている価値観を言葉にしてもらい、それに向き合っていく作業をするわけです。
もちろん、そんなに上手に言葉を紡ぐことができない場合も多いわけですが。
障害や、時には心の病のしんどさに寄り添い、共に見つける作業をしていきます。
度合いは違えど、どのようなフィールドであれ、個別支援をしているソーシャルワーカーは似たようなことをしているのかなと思っています。
ただし、福祉サービスなどに、自ら繋がっている当事者の人が、自ら主体的に行動して施設に通所したり。
何をしたいという思いを少なからず言葉にしたり。
行動したりしてくれる場合は良いですが、ニーズある方すべてが、そのようにできるわけではないのですね。
往々にして家族の方がその負担を背負って、地域生活を過ごしていることが多いです。
時に、家族が悪者にされる瞬間があったりして
(共依存だとか、放任だとか…)
僕としては、それは課題だと感じています。
家族から、両親や祖父母に限らず、兄弟や子供からの相談を受けることはよくある話で。
一緒に働くスタッフへの助言としても
「本人も困っているけど、お母さんだって困っているわけやから、お母さんに対して何をするかを考えましょう」
みたいなことは言っていましたし、意識もしていたつもりですけど。
でも今回の講演を聞き、いくつか意識できていなかったなと思う点をあらためて感じたのでした。
キーパーソンの話
特に今回の講義の中で聞いて、ハッとしたこととして。
家族の方の言葉で
「なんか頼んでもいないのに、私はキーパーソンにされていたんですよね」
というのがありました。
個と環境の相互作用を調整し、課題を解決したりというのを、普通にしている中で、クライエントを取り囲む「社会資源」の一つとして、まったく無自覚に家族をあてはめて、地域の福祉施設や行政機関と同等の責任というか、役割を暗に求めているところがあったなと思いました。
まあ確かに、重要な存在でもありますし、同居している家族ともなると、非常に重要な役割を担っていただくことになるので、仕方がないのかもしれないですが。
それによってかかる負担や、それこそ24時間、数年、数十年単位で本人と過ごしてきている家族の負担や、それに関する葛藤に対して、心を寄せる姿勢が足りていなかったなと、猛烈に自己反省したのでした。
それに伴って、8年くらい前のケースのことを思い出しました。
もちろん詳細は書きませんけど。
いろいろ巻き起こっていた出来事について。
その本人のことで、きっと苦しい思いをしてきていたお母さんの心の叫びが表れての行動だったのだろうなと、今は思います。
もう少し違った形でサポートする体制を作ったり、工夫したりできたかもしれないなと。
あの時はあの時で、自分のできるせい一杯をしたつもりですし。
結果としていろいろ前進したところもあったと思っています。
でも、自分の未熟さを思い出して気恥ずかしくなりました。
ふと、最近は個別ケースを扱うことがほとんどなかったので、今の働き方を機に、個別ケースに関わる頻度を増やしていきたい、意図的に作っていきたいと感じましたねー。
制度から出たところのソーシャルワーカー
講師の佐藤先生が家族支援をされている中で、援助職側の人間からよく聞く言葉として
「どうやってお金にするんですか」
というのもあるという話でした。
すっかり、ソーシャルワーカーが制度を活用する人になっていたり
制度上の施設の中でしか活動しなくなっている点についての課題意識を持っておられるという話もありました。
ここは僕も激しく共感するところでした。
ソーシャルワーカーだって人間ですし、自分たちの生活もあるので、もちろん給料が支払われる施設等でお仕事する人が多くなるのは致しかたないのかなと思います。
みんながみんな、フリーランスとか起業とか、あらたなチャレンジばかりする必要もないと思いますが。
今自分たちがいる制度だけでは解決できない社会課題はたくさんあって。
そういったものに向き合っていくのもソーシャルワーカーの大切な仕事の一つであるという意識をもって、活動していきたいなと。
制度として確立されつつある、当事者に対するサービスからこ、ぼれ落ちてしまう家族へのまなざしを考え、まだまだチャレンジしていけることは社会に山積みだなと思いました。
今日はこれくらいで、ありがとうございます。
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