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【勉強法】計算力を上げる数学計算テクニック(初級編)


数学の計算速度の重要性

「数学の計算が遅くてテストで解ききれない」「計算間違いをよくしてしまう」と悩んでいる中高生は少なくありません。
計算が遅かったり、計算ミスが多いまま進めてしまうと、テストで良い点数は取れませんし安定した点数も取れません。
四則演算の単純な計算速度の違いで、テストの点数や受験の合否は変わるのです。

中学・高校と進むにつれて数字ではなく文字(xやyなど)で計算をしていく機会が増えますが、数字の四則演算をする機会は何度でもあります
例えば、大問の最初の優しめの問題や、最後に具体的に数値計算をする問題など数字の計算は避けては通れません。
また、数学に限らず理科(高校なら化学)でも具体的に値を用いて計算をすることが多いので、速く正確に解く練習はしておくべきです。

そこで、このコラムでは数値計算を速く解くためのテクニックを紹介します。
といっても、新しい公式を覚える必要はなく、既に学んでいる範囲内で使えるような初級のテクニックを紹介していきます。
(新しく公式を覚えるようなテクニックであれば、中学だと放物線と交わる直線の傾きと切片の値、高校だとヘロンの公式:三角形の面積を求める公式、サラスの公式:四面体の体積を求める公式があります。このあたりのテクニックは、また別の機会に紹介したいと思います。)


計算テクニック(初級編)

分母の有理化

3/√3を計算する際に、分母の有理化を使って(分母と分子に√3をかけて)計算していませんか?

学校では、分母に√3があったら有理化すると習うでしょうが、これでは時間を1,2秒ロスします。速く解くには、分子の3が√3×√3であることに注目すると素早く解けます。

このレベルであれば、数回練習をすれば暗算もできると思います。
下記のように式が多少複雑になっても、分母を有理化するよりは計算が速く楽にできます。こちらも暗算できるよう練習しましょう。

分配法則の利用

69×9をどのように計算しますか?
筆算でもさほど時間はかかりませんが、この計算においては計算が速くて得意な人は筆算は使いません

このように、69が70ー1であることに注目して、分配法則:(a-b)c=ac-bc を使うと計算が楽になります。
途中式は丁寧に書いたので筆算より時間がかかりそうに見えますが、練習すれば暗算できるようになります。

展開の公式の利用①

41×39はどのように計算しますか?
筆算で求めてももちろん構いませんが、計算が得意な人は展開の公式:(a+b)(a-b)=a^2ーb^2 をうまく使って計算をします。これも練習すれば暗算できるようになりますよ。

展開の公式の利用②

31×31ならどうでしょうか?
これも、展開の公式:(a+b)2=a^2+2ab+b^2 を使って計算ができます。

慣れてくると暗算して一瞬で答えが出てくるようになるので、筆算するより明らかに速く解けます。

計算の工夫①

計算の順番を工夫することで速く解ける問題もあります
7×5×8×4×5は、前から順番に計算するのではなく、工夫して解いていきます。ポイントは、4×5×5で100を作ることです。これで一気に計算が楽になります。
数学の計算では4×25で100となったり、8×125で1000となる計算が思いの他でてきます。
計算を工夫できないか、まずは少し見てみると良いと思います。

計算の工夫②

1+2+3+・・・+100の計算はできますか?
順番に足し算していこうとすると、かなり時間がかかりそうですね。

最初と最後の数字から順番に足してみましょう
1+100=101、2+99=101、3+98=101、...、50+51=101。
このように、足して101となるペアが全部で50組できるので、101×50=5050が答えとなります。

高校数学では等差数列の和の公式が使えるので、工夫しなくても解くことはできます。ただ、公式に頼らずに解けることを理解していれば、より速く解くことができるのです。

以上のように、計算問題は筆算で解くのではなく、少し工夫をすることで驚くほど簡単に解けます。
練習を重ねていくことで暗算できるようになり、速く正確に答えを導き出せます。これらの計算テクニックを意識しながら、普段の授業や宿題に取り組みましょう

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