シッターさんに子供を預け、初めて夫と外出するまで
■ フランスのnounou。私もシッターさんにお願いしようと思った。
長女の出産を間近に控え、ベビー用品は大抵揃ってきた頃、
(育児しながら自分の時間も持ちたい…)
と、自分のことをソワソワと考えるようになりました。
産後2、3ヶ月程度で職場復帰する女性が大半のフランスでは、子供の預け先の確保にも熱心。保育所はもちろん、nounou(ヌヌ)と呼ばれるベビーシッターに子供を預ける家庭も多く、フランス人の夫も子供の頃お世話になったそう。
共働きの両親がいない昼間、nounouのマダムが家に来てくれた、と懐かしそうに夫が話していたのを覚えていました。
「シッターさんに育児を手伝ってもらう。」
フランス人の夫には普通にあって、私にはなかった発想。
時々お願いしてみようかと私が言うと、夫は大賛成してくれました。
■ プロフェッショナルな、ベビーシッターという仕事
長女が3ヶ月を過ぎた頃、シッターさんが家にやってくるようになりました。
週に1、2回、3時間程度。授乳を一回お休みするくらい。
ちょっと所用をこなしたり、少し体が動かせるのが本当にありがたい。
3ヶ月くらいの赤ちゃんは、首も座るか座らないか。
寝てる時間もあるし、来てもらってるのに手持ち無沙汰かな…などと思い、
コーヒーとお茶菓子を置いて出かけたりしたのです。しかし・・
少し早く用事を終え、予定より早く家に着いたその日。子供部屋から大きなしゃべり声が。
それは、シッターさんが3ヶ月くらいの長女に、
全力で、抑揚たっぷりに絵本の読み聞かせをしている声でした。
コーヒーとお茶菓子は手付かず。
私が帰ったのに気づき、慌てて、冷めたコーヒーを飲み干していました。
そして、子供の成長に細やかに気付いてくださる。
この月齢にしてはこんなことが出来る、こんな遊びをしたら良いですよ。
親の私たちが気がつかないことが、山ほどありました。
シッターさんに子供をお願いするというのは、親が助かるだけでない。
子供にとっても、育児のプロフェッショナルに沢山遊んでもらえる、
充実した楽しい時間を過ごせるのだと、見方を変えるようになりました。
■ そして、夫と2人でお出かけできた。
シッターさんに頼ることが生活の一部になり始めた頃、久しぶりに夫と二人でディナーを食べに行くことにしました。妊娠中、ずっと我慢していたお寿司。
夜、パパとママが二人揃ってお出かけするという初めてのシチュエーション。
子供は大丈夫だろうかという親の心配をよそに、
すでに、シッターさんには全力で遊んでもらえることに気付いてしまった娘。
親が出かけようとしているのを見ても、泣くことはありませんでした。
むしろ、娘のそっけない姿に動揺と寂しさを隠せない私たち。
「行ってらっしゃーい。ごゆっくりー!!」と、
シッターさんに追い出され送り出されたのでした。。
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