職業の定義について
最近、様々な方にコーチングを行う中で、
自分は「クライアントの方がどの職業で躍動しやすいか」
に対する解像度が高いのではないか、と思うに至りました。
これは、おそらく、自分自身が
・事業会社で多様な職種をマネジメントしてきたこと
(ビジネス職、デザイナー、エンジニアなど)
・同じく、事業会社で事業責任者だったので、多様な機能を持ったメンバーと協同してきたこと
(人事、経営企画、マーケ、広報、法務、CS・・・)
・また、コンサルタントとして、多様な業界の方にアドバイザリーとして関与したこと
(メーカー、化学、商社、小売、通信・SI、ライフサイエンス、・・・)
色々な職種、業界の人を見ることで、
・その職種がどのような機能を果たしているのか
・どのような性格の人が向いている職業なのか
・何をモチベーションとして働いしているのか
に対して、解像度が高くなったのだと思います。
職業機能の定義の価値
コーチングにおいて、職業機能の定義はコーチとしてバリューを出す土台になります。
多くのクライアントの方は、仕事でより大きな存在になるためにコーチングを依頼します。
また、多くの人は、1日8時間、1/3を仕事に費やすので、仕事が充実することで、人生そのものが躍動してきます。
また、仕事の目的はお金を稼ぐことだけでは有りませんが、
仕事で成果を出すことで、得られる対価も大きくなります。
コーチングで、仕事に関してゴール設定をする際は、
職業機能の定義が肝になります。
その人が、社会に対して、どの様な価値を発揮する人なのかを定義できない限り、ゴールの選択肢が無限大に広がってしまい、
ゴール設定が収束しないからです。
また、職業機能の定義に関しては、
・親や上司の期待、意に沿わない人事異動
・お金が稼げるからなどのファイナンス
・単純な憧れ
などによって、こじらせやすい(自己認知が誤りやすい)領域であります。
なので、コーチはクライアントの職業機能に対して、
誤りを見抜き、正しく設定する必要があります。
職業機能の定義の方法
職業機能の定義とは?
職業機能の定義のやり方の前に、
そもそもの職業機能とは何か?です。
コーチングの文脈で言う、
職業機能の定義にはいくつか条件があります。
・本人が止められてでも、やりたいこと
(コーチングの基本は本人の欲求に照準を当てて、人生の満足度とクリエイティビティを最大化する為のものです)
・誰の、何の役に立つのかが明確化されていること
(仕事の定義は、誰かの役に立つ事なので)
・曖昧な定義は避ける(みんなの応援団長とか)
(誰の役に立つのか?、どう役に立つのか?が分かりづらい為)
ポイントとしては、Job Discriptionを作る感覚です。
Job Discriptionといのは、企業が求人を行う際に、どのような人材がほしいかを記載した募集要項です。
例えば、メルカリのProduct Manager職のJob Discriptionは以下の様になっています。
Job Title
HR領域の新規事業における、Product Managerであると定義されています。
業務内容
新規事業立ち上げフェーズにおいて、プロダクトロードマップを作成し、チームとプロジェクトを管理する仕事だと記載されています。
これが、職業機能の詳細になります。
必須条件
また、この必須条件や歓迎条件は、どのような特性の人を求めているか(=活躍できるか)について書かれています。
この様に職種ごとに、活躍しやすいバックグラウンドや性格的特性などもチェックしていきます。
具体的なやり方
コーチング局面での具体的な職業機能の定義のやり方についてです。
※クライアントの状況や対話の流れにより、アプローチは異なりうるのであくまで一例です。
1.人生で躍動していた瞬間を切り取る
まず、最初にクライアントが人生で躍動していた瞬間を対話から探します。
可能な限り、仕事の局面で探します。
クライアントが一定以上、2,3年以上継続していた仕事の場合、必ずどこかに楽しめている局面があるはずです。
2,コアとなる欲求を特定する
特定した、クライアントが躍動していた瞬間からクライアントの欲求を特定する。
クライアントの欲求とは、以下のものを指します。
・クライアントが主体性を発揮している
(誰から言われた訳でも無いのに行動している)
・クライアントがその行動自体を楽しんでいる
(満足感などの感情的な振れ幅を生んでいる)
・その行動の結果自体に、過度に期待していない
(出世する、ボーナスを増やすなどの結果を最大目的とした行動ではない)
この欲求が、どの様な場面で、どの様な行動として現れているか。
そして、その行動が結果として、どの様に職業機能における価値発揮に繋がっているかを確認します。
3,欲求の検証
クライアントの職業機能で発揮する欲求が、人生を通した深いものであることを確認します。
具体的には、クライアントの欲求が仕事以外の局面(学生生活や趣味など)でも発揮されていることを確認します。
(クライアントの欲求は、たいていの場合、形を変えて、仕事以外の局面でも発揮されています)
クライアントの欲求が人生を通して、発揮されている場合は、定義した職業機能が正しいものとして、その延長線上でゴール設定を行います。
一方で、ここまでの流れで、職業機能の定義がうまくできない場合は、
クライアントの職業機能が別にある可能性を探ります。
クライアントの経歴やその仕事を選んだ/辞めた経緯を聞きながら、職業機能の探索を行います。
以上が、コーチングにおいて、仕事の話をする際に初手となる職業機能の定義についてです。
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