現状を壊すモメンタムの作り方
コーチングがクライアントに与える影響の第一義的な価値は、クライアントが自分自身だけでは到達できなかった事を成し遂げられる様になる事である。
ここには、「そもそも、こんな事考えもしなかった」というレベルのゴールを見出すことも含まれる。
そして、これらの事象が起こる際には、必ずクライアントは現状のコンフォートゾーンから外れる思考と行動を行うことになる。
したがって、コーチングにおいて、コーチが行う事は、クライアントの現状のコンフォートゾーンを壊しにかかることである。
これは、自分自身でゴールを設定・推進を行うセルフコーチングにおいても、同様であり、現状のコンフォートゾーンを以下に壊すかが重要になる。
コンフォートゾーン移行が困難な理由
そして、この現状のコンフォートゾーンを壊す難しさは2点ある。
一つは、”現状のコンフォートゾーン”は、本人にとってあまりに当たり前で、自分がそのコンフォートゾーンに浸かり切っている事にすら気づいていない点である。
水の中に居る魚は水の存在自体に気づかない様なものであり、洗脳されている人は自分が洗脳されているとは夢にも思わないのと同じである。
もう一つの難しさは、”現状のコンフォートゾーン”から外れようとした時に、そこに留まる様に強烈な生体的なフィードバックが生じる点である。
この生体的なフィードバックは、感情的なもので、強烈な不安感や嫌悪感を感じて、思考とは反対に、行動を忌諱する方向に誘導される。
コーチによるコンフォートゾーンの移行
この様な難点を突破して、どのようにコンフォートゾーンを移行させていていくかがコーチの腕の見せ所である。
ポイントは、コンフォートゾーンをずらす時に、いきなり本丸(例えば、バリキャリの人における仕事の領域)を攻める必要はない点である。
小さな領域で、コンフォートゾーンをずらすというモメンタムを作り、コンフォートゾーンから出るという思考回路を構築していくことができる。
したがって、コーチはクライアントのコンフォートゾーンの外側にあり、クライアントが認知する現状(クライアントの自我)にクラックを入れられる点をセッション中に常に探すことになる。
セルフコーチングにおけるコンフォートゾーンの移行
セルフコーチングにおいては、現状を壊す為にどのような行為が有効となるのかを理解し、自身の生活の中に取り込んでいく必要がある。
以下は、コンフォートゾーンを移行させる為に有効な行動様式のリストである。
新しい趣味を始める
最も敷居の低く、現状のコンフォートゾーンを揺るがすことができる方法です。
気になっていたけど、ちょっと不安だったり、億劫で始められていない趣味を始めます。
ポイントは、やりたいんだけど、ちょっと怖いというアンビバレントな感情を抱く趣味を対象とすることです。
バイクやスキューバ・ダイビングなど危険を感じるもの、子供の頃に親に止められた趣味、お金が無くて諦めていた趣味など。
コンプレックスを解消する
趣味に近しいものとして、コンプレックスの解消があります。
自分がコンプレックスを感じる対象を解消することで、現状を揺るがせます。
歌・ダンスが苦手なので習ってみる、美容医療に重課金してみる等
目上の人に会いに行く
緊張する様な人に会いに行きます。
緊張するという事自体が、コンフォートゾーンの外にあるということです。
緊張する様な人に自分きっかけで会いに行くことで、リアリティが揺るぎます。
人に何かを教える、尊敬される場に行く
人に何かを教えることで、自己評価が上がります。
自己評価が上がることで、より大きなゴール設定を行う器を育むことができます。
生活リズムを変える
コンフォートゾーンと深く結びついている生活リズムや、仕事のルーティーンを壊しに行く。
朝起きる時間を変える、勤務時間中にがっつり自由時間を作る等
X10 の経験をする
普段支払っている10倍の金額の商品・サービスを体感する。
普段ドトールに行っている場合は、リッツカールトンのラウンジでコーヒーを飲む。
ハイブランドの服を買ってみる、高級な飲食店、ホテルに行ってみる、高級エステを受けてみる等
長距離移動する
アイデアは移動距離に比例する、と言いますが、長距離移動する事で、コンフォートゾーンを移行させます。
行って見たかった海外の国に行ってみるのも良いですし、沖縄に行くだけでもだいぶ変わるのではないでしょうか。
すべてにYesと言う
人から頼まれる事、誘わえる事に全てYesと言います。
普段なら躊躇する様なことにもYesと言うのがポイントです。
強制的に自分の思考回路を超えて判断することで、現状のコンフォートゾーンの外に出ます。
元ネタは映画の「イエスマン」ですが、こちらも面白いので観てみてください。
冴えない中年男性が、友人のアドバイスで人から頼まれた事全てに「Yes」と答える様になると人生が好転しだしたという話です。
日常的に少し変わった行動をする
日常的にいつもの自分と違う少し変わった行動をルーティーン化していくことで、コンフォートゾーンをずらします。
毎朝冷水シャワー浴びる、毎朝イエガー飲む、財布に常に現金100万円入れて持ち歩く等
服装を変える
服装を変える事で、性格自身が変わることは良くあります。
派手な服を着ると派手な性格になるし、スーツを着ているとカチッとした性格になります。
人は他人からどう扱われるかで、自分自身の自我や性格を認知する修正があるので、見た目を変える事で、自分自身の内面に変化をつけていくことができます。
前述の「x10の経験をする」と併せて、ハイブランドの派手な服を買うとかも良いと思います。
頭の中で考えている事を全て言語化する
頭の中で考えている事を全て言語化することで、現状の臨場感を揺らがしていくことができます。
言語化の方法に関しては、紙にひたすら書きなぐるブレインダンプや、コーチやカウンセラーにひたすら思いの丈を聞いてもらう方法があります。
この方法を行うことで、自分では薄々気づいたけど避けていた不都合な事実を直視することになります。
以上、コンフォートゾーンを移行する方法をいくつかご紹介しました。
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