見出し画像

ビジネス・ロジスティクス ビジネの経営課題はロジスティクスで解決できる 〜原因はヒトとモノ。ロジの守備範囲だ〜

はじめに
世紀の今日、地球世界規模では人口が 75億人から急増しており、2050年には100億人を越えると 試算されている。あふれあまる人口と生きるために消費するモノたちの行方が心配だ。

億年の地球誕生から見て火山噴火や彗星の衝突、氷河期以上に地球の地層環境は大きく変化しているそ うである。人類による地球資源の大消費が進み、新しい地球世代とみなせるという。氷河期が終わり1万年 以上続いた完新世(かんしんせい)から、人新世(ひとしんせい)の時代に突入しているそうだ。そのために気 候は変動し、その影響から食料は不足し、自然環境や温暖化現象が人類の生存危惧をもたらすことになるか もしれない。ここ数年でもエネルギーと食料、新たな疫病や地域紛争という人類の存亡危機が世界を覆って いる。

1972年ローマクラブは地球の限りある資源の重要性を提唱するために、宇宙船地球号という概念と共 に経済成長の限界を提言したが、それから半世紀を経て先進国経済では製造業から金融情報サービス産業へ のシフトが主流となり、停滞ではなく新しい成長軌道に乗っているとも見られる。後進国では、膨張する人 口のために依然として工業という地球資源の消費に一層のドライブが掛かっているといえる。地下資源であ る原油は近い将来に完全に枯渇すると予言されてきたが、新たなシェールオイルなどの発掘法が発明されて おり、現在では北米が世界最大の産油国になっている。その後の計測予測でもアジア中東などより、ロシア や南米ベネズエラにはまだまだ無尽蔵ともいえる原油が埋蔵されている目されていて、母なる地球の偉大さ には驚くばかりだ。

毎年世界を襲う異常気象の遠因には、エネルギー消費の抑制が効かない結果の地球温室ガス効果が挙げら れており、産業界では省エネへの関心がと危機感が高まるばかりである。

人類にとっては異常気象による食糧危機がもたらす生存不安や幸福感の喪失など、経済成長と福祉幸福感 には大きな乖離が生じ始めてきている。人災の最たる交通事故や火災死亡者、地域紛争、テロ事件よりも、食 品の過剰摂取による糖尿病や健康被害による死亡者が激増しているからだ。莫大な量の地球資源とエネル ギーを利用してモノを作り出し、消費し、過剰摂取により健康被害が生じながらも余らせて破棄する。化学 汚染物質は自然を痛め、自然回復する力を失っている。地球も社会も企業も大きな課題の壁にぶち当たって いるのが現代だ。この時代を勝ち抜けることができるのだろうか。勝利にはどんな知識と技術が必要なのか。

ロジスティクスは1832年クラウゼビッツの著した戦争論に登場した概念と機能であり、兵站(へいた ん)として戦闘に欠かせない補給機能部隊であった。世界大戦での日本はこれを軽視したために、物資欠乏 のため不足による戦闘続行不能となり、従軍兵士の悲惨さは歴史に汚点を残すことになった。用語としての ロジスティクスが広く世間に周知されたのは、アメリカ介入の湾岸戦争を著した1992年WGパゴニス大 将の『山動く〜湾岸戦争に学ぶ経営戦略』であっただろう。これを契機にビジネス戦略においてのロジスティ クス重視は、エリアマーケティング、ランチェスター、ドミナント、サプライチェーンの経営理論に応用さ れ、企業成功事例にはロジスティクスの役割が数多く登場する。

ロジスティクスの本質は、競争や戦闘における勝利の方程式であり、経営に必須のリソース供給による継 続安定的な運営を目指すものである。人類幸福にとっての地球環境保全とライフラインの確保、企業経営における競争力強化のためのマーケティング手段の構成として、ロジスティクスの全貌を明らかにしたいと願 い、本書をまとめることにした。ロジスティクスの知識と技術が企業経営だけでなく、地域社会や地球環境 にも役立てるよう、幅広い視座を心がけて解説してゆく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?