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さっきょく塾マスター

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記事一覧

自分の作品にとって「場」とは

※この記事はオンラインの「さっきょく塾」のために書かれたものです。

クラウス・ラングの「bright darkness 」が好きでした。丘の上でオルガンを弾くなんて憧れます。

場というのは物理的な意味での話だと思うのですが、あえてずらして答えるとどんな文脈の場所かというのもすごく大きいです。現代音楽のコンサートの中でやるのか、ジャズのライブハウスでやるのかによって受け取られ方が大きく変わってき

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「日本人であることは、作曲家としての自分にとって重要ですか?それは、どのように音楽に影響している/していないと思いますか?」に対する答え

※この記事はオンラインの「さっきょく塾」のために書かれたものです。

自分が日本人であることが音楽家としてどういう意味があるのかという問題は、20代前半の頃にとてもたくさん考えていました。
ジャズ系でもクラシック系でも、結局他の国の人たちの伝統的なもので、それを一生懸命学んで名誉外国人みたいな立場を目指しても不毛なのではないかと思っていました。
かと言って日本の伝統的な音楽を聴いてもちっとも良いと

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自分にとって楽譜とは何か

※この記事はオンラインの「さっきょく塾」のために書かれたものです。

演奏家としての自分にとって楽譜とは「なるべく避けたいもの」です。

ジャズの演奏をする時は出来ればコードやメロディが書かれた楽譜を使わずCDなどから曲を覚えたいと思っています。自由な即興演奏の時も出来れば何も事前に決めずメモも置かずに演奏したいと思っています。コラボレーションの時は事前に時間的な流れを決める時もありますが、もし余

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さっきょく塾の聞いてくださいシリーズの山田亮の課題のページ

※この記事はオンラインの「さっきょく塾」のために書かれたものです。

これです。

「はしること」というタイトル。2011年2月に上演した音楽作品です。
もう8年も昔だなんてびっくりです。

視覚的な要素も強い作品ですが、まずは音だけの作品として聴いていただくと良いかもしれません。ヘッドホンとかイヤホンで聴くと臨場感がありま
す。

以下に説明を書きます。


会場はパイプ椅子を並べるタイプの客

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【3月エッセイ課題】 私にとって「楽器」とは・・・

※この記事はオンラインの「さっきょく塾」のために書かれたものです。

結局3月分も滑り込みになってしまいました。月日が経つのはあっという間です。それにしても、他の人の目に触れる場所で思考を言語化するというのはとても良い経験です。しかもそれぞれにしっかり考えて活動している方々に見てもらうので、どう転んでも(心の中か文章にしてもらえるのかは置いておいて)突っ込みが入ると思うと、結局率直にならざるを得な

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【2月エッセイ課題】 ひとりで作曲しますか?それとも誰かと共同で作りますか?

※この記事はオンラインの「さっきょく塾」のために書かれたものです。

さっきょく塾の2月のエッセイ課題です。

ジャズの世界では、専業の作曲家でなく、プレイヤーが自身のプロジェクトやバンドで自作の曲をやることがとても多いです。
しかしジャズの演奏のために私は自作の曲を書いたことがありません。ジャズの演奏においては、スタンダードナンバーといわれる有名曲を即興的に解釈して自由に演奏することに喜びを感じ

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オペラ!

※この記事はオンラインの「さっきょく塾」のために書かれたものです。

さっきょく塾1月号の課題です。

わたなべさんのノート、とても面白かったです。目で見ても音を聴いても楽しかった。参考動画を全部きちんとチェックしてから文章を書こうと思っていたのですが、なかなか追いつかなかったですね。シュトックハウゼンさんはなんであんなに長いの作れるのか。

参考動画は全体的に要素が多くてカラフルなものが多い印象

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ノイズって美しくない?

※この記事はオンラインの「さっきょく塾」のために書かれたものです。

(12月のさっきょく塾エッセイ課題)

ピアノの鍵盤を普通に弾くとき、実は意外とたくさんのノイズが出ていてそれがピアノらしい音の一部になっているようです。ピアノの弦を指でミュートして演奏すると打楽器に近い印象の音になりますが、これは通常奏法と全く違う音を出しているのではなく、弦の響きを抑える事によってもともとあった打撃音にフォ

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山田亮のキーワード

※この記事はオンラインの「さっきょく塾」のために書かれたものです。

【山田亮のキーワード】
・モノトーン
・ピアノ
・即興演奏

普段はピアニストとして、ジャンルレスな即興演奏、またはジャズの演奏をしています。不定期に音楽作品を制作していたりもします。

・モノトーン
直近の作品では、2018年11月にMIDI音源のバスドラムの音とほんの少しのピアノ演奏を素材とした音楽作品を制作しました。この作

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