見出し画像

St.Louis Cardinals 2019年通信簿

ナショナルズが先発をDSでフル回転起用したためカージナルスがCS勝つの有利ではと思われた中、貧打が炸裂し4連敗を喰らい、全世界が涙したナショナルズの感動の初の世界一を大きくアシストしたセントルイス・カージナルスの通信簿を1カージナルスファンの自分が作りたいと思います。歯磨き粉さんや助手さんの通信簿を参考にしてます。 お二人程のユーモアはありませんが、堅実な野球のカージナルスらしいnote作りを心がけました(多分)。

助手さんのヤンキース通信簿
https://note.mu/bryce34/n/na4c7ffa4dd6e

歯磨き粉さんのナショナルズ通信簿
投手…https://note.mu/hamigakiko/n/nd657ca4de9f1
野手…https://note.mu/hamigakiko/n/ncc60ffa91800

来年、2020年はセントルイス・カージナルスの年だと巷で話題になりきっています。カージナルスの年です。異論は認めません。補強やチームを離れる選手もおりロースターの変化もありますが、2020年もこのメンバーで戦うことになるでしょう。カージナルスファン以外の方々も、カージナルス戦を見る際にこういう選手がいるんだなとミニ選手名鑑的な感じで見ていただけたら幸いです。

評価方法
・S〜E評価。+、-もあり
・稀に↑以外の評価あり
・背番号、選手名(主なポジション)、評価、シーズン成績、論評の順。SP…先発投手 RP…リリーフ C…キャッチャー 1B…ファースト 2B…セカンド 3B…サード SS…ショート LF…レフト CF…センター RF…ライト UT…ユーティリティ
・ポストシーズン成績は一部を除いて中々グロい(特に野手)ので掲載無し。悪しからず
・対象は現在の40人枠の選手+今オフにFA等の5選手++α。2019年の出場が無い、極端に少ない(投…5登板未満、野手…20打席未満)の選手の評価はありません。

1.投手陣


22 Jack Flaherty(SP) 評価:S
33登板 11勝8敗 防御率2.75 196.1イニング 231奪三振 WHIP0.97

24歳にして新たなエースとなった若き先発投手。今年は出力を上げ、平均球速94マイルと去年より球速がUP。全球種速球の軌道から変化出来る投手へ進化。加えてピンチの場面や試合終盤でも90マイル後半を記録するなど成長が見られたシーズンになりました。シーズン頭から好調という訳ではなく、オールスター前の防御率は4.64でしたが、オールスター後は防御率0.91と覚醒。最強投手として君臨し、終わってみれば、チーム内投手タイトルほぼ1位という大健闘。

しかしポストシーズンは1勝2敗防御率4.24と失速。覚醒したピッチングは鳴りを潜めました。来シーズンは新たなエースとしてサイ・ヤング賞獲得、そしてポストシーズンでの好投でワールドチャンピオンへと導いて欲しいです。

43 Dakota Hudson(SP) 評価:S
33登板 16勝7敗 防御率3.35 174.2イニング 136奪三振 WHIP1.41

フラハティ同様今年ローテに定着した25歳の若手投手。Prospect Watchでは制球難のため先発は難しいと評価されており、実際制球難は見られるも先発として活躍し、ナ・リーグトップの16勝を挙げました。新人王投票でも5位。流石に相手の候補が悪すぎましたが十分すぎる成績です。

平均94マイルのシンカーと平均87マイルのスラット型のカッターを軸とした投球で、ゴロ率56,9%、GB/FB4.04(MLB先発1位)とゴロを量産。カージナルスの堅実な内野守備とも合わさり好成績を残しました。

シーズンでは好成績を残したものの、ポストシーズンではフラハティ同様不調。ナショナルズ戦では1アウトしか取れず、7失点(自責4)とWS進出を決定づける内容でした。これが若さか…。トレード等無い限りカージナルスの内野のメンバーは変わらないので、グラウンドボーラーのハドソンの来年の期待を込めてSです。

39 Miles Mikolas(SP) 評価:A
32試合 9勝14敗 防御率4.16 184イニング 144奪三振 WHIP1.22

皆さんお馴染みのマイコラス。去年はMLB復帰1年目で最多勝を獲得しましたが、今年はナ・リーグ最多敗戦タイ。その他の数字も去年と比べて落とす結果となりましたが、相変わらずの制球の良さを武器に1年間ローテをしっかり守ったのは流石です。

ポストシーズンでは上の2人とは逆に3試合1勝1敗防御率1.50の好投。巨人時代にもポストシーズンを経験してるのでそれを活かせる結果と言えるでしょう。ただナショナルズ戦で股間を触るルーティンを行うソトを打ち取った後、自分の股間を触り『応酬』。今年はアクーニャの怠慢、そしてこのマイコラスのやり取りとやらかした方が敗退するという偶然。彼の気の強さが前面に出たと思いましょう…

50 Adam Wainwright(SP) 評価:🐐
31登板 14勝10敗 防御率4.19 171.2イニング 153奪三振 WHIP1.43

神。GOD。🐐。聖人。救世主。Ace of Ace。世界最強投手。サイ・ヤング賞。真の二刀流。シルバースラッガー。生ける伝説。モリーナの生涯の相棒。ピッチングは投手と捕手が一体になって作り上げる作品。(以下略)

というわけで個人的なMVPの38歳のウェインライトです。近年は衰えもあり思うような成績が残せず、終わったと思ったファンもいたと思います。が、その不安を見事に払拭。体力は衰えたものの38歳にしてフォーシーム以外の球種(カーブ、カッター、チェンジアップ、シンカー)の球速が12勝を挙げた2年前から上昇。何だこのオッサン…。キャンプで試したスプリットも今年僅かながら投げました。また登板の無い日でもベンチを盛り上げ、まとめ役としても欠かせない存在でした。

ポストシーズンは3試合2先発で強力打線のブレーブス、ナショナルズ相手に16イニングで防御率1.62の好投で全MLBファンを湧かせました。今オフにFAとなりましたが、球団は再契約に成功。ウェインライトはカージナルス一筋でいて欲しいです。

52 Michael Wacha(SP/RP) 評価:D
29試合 6勝7敗 防御率4.76 126.2イニング 104奪三振 WHIP1.56

15試合登板の去年からの復活を目指しましたが期待された成績を残せず。リリーフも兼ねるなど安定しなかったシーズンで、先発として投げても5、6イニングで終わることが多々ありました。ただ去年から登板数が増え29試合投げたことはプラスなのでD評価です。

今オフにFAとなりましたが、再契約は不明です。FAのバムガーナーやオドリッジを狙うという情報もあるため、ワカとの契約がない可能性も十分あります。

62 Daniel Ponce de Leon(SP/RP) 評価C
13登板 1勝2敗 防御率3.70 48.2イニング 52奪三振 WHIP1.27

去年は7回ノーヒッターを行うデビュー戦を飾り、今年の飛躍が期待されましたが13登板に終わりました。ただマイナーでは先発として投げチームがPCL所属ながらも8勝4敗、防御率2.88を残したこと、メジャーでは先発8試合、リリーフ5試合と何でも屋として器用に色々やってくれたこともあるのでCの評価です。

来年は28歳のシーズンとなるので結果が欲しいシーズンです。課題は今年のマイナーでBB/9、4.59を記録する制球力なのでここを改善すれば、長くメジャーにいると思います。

61 Genesis Cabrera(RP/SP) 評価C+
13試合 0勝2敗 防御率4.87 20.1イニング 19奪三振 WHIP1.67

去年トミー・ファムとのトレードでカージナルスの一員となった左腕。球団プロスペクトランキングでは10位でした。かなりの制球難ですが、100マイルの豪速球と曲がりの大きなスライダーを軸としたピッチング。マイナーではBB/9の改善が見られたものの、メジャーでは自滅することがしばしば。しかし能力の高さを買われポストシーズンのロースター入りし、2試合投げて防御率0.00。ブレーブスとのDS最終戦では点差はあったものの、最終回のマウンドを任され無失点と成長が見られたシーズンでもあります。

現在カージナルスは左腕が不足しているので、彼の覚醒は非常に大きな戦力となります。来年は1年間、制球を改善しそのロマン溢れるピッチングを見せて欲しいです。

18 Carlos Martinez(RP/SP) 評価:A-
48試合 4勝2敗24S 防御率3.17 48.1イニング 53奪三振 WHIP1.18

我らがTSUNAMI。怪我で出遅れリハビリ中に今年先発かリリーフかどちらをするかを問われましたが、チームが求める所ならどこでもと答えヒックスの長期離脱もありリリーフに徹しました。守護神として君臨し荒れ球で圧倒しました。しかしポストシーズンでは4試合中先2試合は爆発。後2試合は好投したものの防御率は14.73。マイナス部分はそれです。

来年の起用法は分かりませんが、ヒックスの復帰がAS付近の予定なのでそこまでは守護神として投げると思います。ただエースとして憧れ、ユニにサインを貰い一緒に写真を撮ってもらった自分としては先発で津波のような荒々しいピッチングを見たいという思いは変わりません。

49 Jordan Hicks(RP) 評価:D-
29試合 2勝2敗14S 防御率3.14 28.2イニング 31奪三振 WHIP 0.94

チャップマンと並ぶ105マイルを記録し、日本でも話題となった投手。今年は守護神として活躍しましたが、6月に肘を痛め戦線離脱。TJ手術を受け、シーズンを終えました。復帰は来年のAS前後の予定と言われています。

去年から成績を改善、新たにスプリットを投げるなど更なる成長が見られましたが、完全復帰はいつになるか分からないので少し厳しめに評価しました。またあの豪速球をメジャーで見られるのを楽しみにしています。

21 Andrew Miller(RP) 評価:A+
73登板 5勝6敗6S28H 防御率4.45 54.2イニング 70奪三振 WHIP1.32

FAで移籍してきた1年目にも関わらず対左やワンポイント、セットアッパーやたまにマルティネスとのダブルクローザーとしてフル回転でチームトップの73登板。34歳とベテランの域に達してるせいか球速が下がり、防御率は4点台と衰えは見えるものの、切れ味抜群の曲がりの大きいスライダーは健在。またポストシーズンでは6試合5イニング投げ防御率0.00、WHIP0.60と『ポストシーズン男』っぷりを見せました。+がついてるのはそのためです。

衰えはあるもののチームにとっては必要不可欠な戦力です。オフシーズンはなるべくゆっくり休んで欲しいと思います。

53 John Gant(RP) 評価:A+
64登板 11勝1敗3S19H 防御率3.66 66イニング 60奪三振 WHIP1.28

先発ポテンシャルもあるガントですが、今シーズンは全てリリーフ登板。平均96マイルのツーシーム、フォーシーム、平均90マイルのカッターと独特な挟み方で落差の大きいバルカンチェンジアップ(↓握り)を武器に勝ちパターンとして1年間投げ抜きました。

リリーフで11勝はカージナルスの終盤の逆転力の強さが表現されてると言ってもいいでしょう。サイショカラウテヤ。ポストシーズンではロースター登録が無く目立つことはありませんでしたが、縁の下の力持ちとしてカージナルスブルペンを支えたのは事実です。

65 Giovanny Gallegos(RP) 評価:S
66登板 3勝2敗19H1S 防御率2.31 74イニング 93奪三振 WHIP0.81

今年はメジャー3年目で初めて60登板以上を果たした28歳のメキシカン。レッズとのメキシコシリーズでも登板し故郷凱旋を果たしました。話は逸れますが来年はカブスとのイギリスシリーズもあるようなので、その内カージナルス日本に来ませんかね…?

フォーシームは平均93.7マイルで平均スピンレートは2421回転と高い数字。スラット型のスライダーも武器の1つです。彼の特徴は制球の良さ。K/9は11.31と奪三振能力の高さを見せましたがBB/9は1.91とこちらもかなり良い数字です。ポストシーズンでも好投し、来年の活躍も期待されます。ブルペンの救世主となったシーズンでした。

60 John Brebbia(RP) 評価:A
66登板 3勝4敗13H 防御率3.59 72.2イニング 87奪三振 WHIP1.18

去年のオフに日米野球にも参加したヒゲの中継ぎ。今年も66登板を果たし成績は良くなかったもののポストシーズンにも投げました。

彼のスタイルはフォーシームとスラット型のスライダーメインのツーピッチ。制球も良いため大荒れはせず奪三振能力も高いですが、近年は勤続疲労により制球、球速にやや落とし気味で成績も去年より落としました。来年は新たな第3球種を投げるのか、ツーピッチを貫いて成績を改善するのか注目です。

30 Tyler Webb(RP) 評価:A
65試合 2勝1敗1S8H 防御率3.76 55イニング 48奪三振 WHIP1.02

去年パドレスからDFAとなったところをカージナルスが獲得。移籍前は良くなかったものの、去年の移籍後は18試合で防御率1.76と好投し、今年は1年間シーズン通して投げ抜きました。平均89マイルのフォーシームに平均70マイル後半のナックルカーブやチェンジアップを投げる緩急を武器としたピッチングでリード時や対左、ワンポイントなど様々な場面で活躍しました。高速化が進むMLBで緩急を武器とするメガネのサウスポーは来年も重宝されると思います。

44 Junior Fernandez(RP) 評価:D+
13登板 0勝1敗 防御率5.40 11.2イニング 16奪三振 WHIP1.29

シーズン終盤にメジャー昇格を果たした22歳のドミニカン。90マイル後半のフォーシームと高速チェンジアップを武器とし、高い奪三振能力が魅力ですがカブレラ同様制球難が課題です。11イニングで10個の四死球を出し、その影響あって防御率も良くないものとなりました。ただ、マイナー、特に3AではチームがPCL所属ながら18試合で防御率1.48とポテンシャルの高さを見せています。登板数が今年は少なかったので来年の期待も込め+をつけました。

56 Ryan Helsley(RP) 評価:A
24登板 2勝0敗1H 防御率2.95 36.2イニング 32奪三振 WHIP1.25

今シーズン初めてメジャーデビューを果たした25歳。ムキムキの下半身が生み出す平均98マイル、スピンレート2502回転のフォーシームと平均89マイルのスラット型のカッターを武器に打者を圧倒。またBB/9は2.95と制球も悪くなく、安定した成績を残しました。ポストシーズンでは5試合5.1イニングで8奪三振、防御率0.00、WHIP0.38とインパクトを残しました。

来年は順調なら開幕ロースター入りすると思います。制圧力の高い投手ですので勝ちパターンを任せても面白いかもしれません。

55 Dominic Leone(RP) 評価:E
40登板 1勝0敗1S 防御率5.53 40.2イニング 46奪三振 WHIP1.50

マリナーズ、ブルージェイズ時代は55登板以上を果たし防御率2点台を記録したリリーフも、カージナルス移籍後は好成績を残せず。主にフォーシームとカッターが武器ですが球威不足。今年はビハインド時を任され防御率は5点台。去年は防御率は4.50だったので悪化しています。ニックネームはDominatorですが、逆に彼やカージナルスがDominatorされてる現状。10月にマイナー契約を行い、アクティブ・ロースター入りはしていません。来年、成績を残せなければDFAの可能性もあると思います。

59 Mike Mayers(RP) 評価:E
16登板 0勝1敗 防御率6.63 19イニング 16奪三振 WHIP1.68

今オフにエンゼルスにクレームされたリリーフ右腕。カージナルス在籍時は思うような成績を残せず、8月にDFA。同月中に3Aメンフィス・レッドバーズとマイナー契約を行い9月にメジャー契約を果たしましたが、10月にウェイバー公示されエンゼルスが獲得しました。投手が弱点ののエンゼルスがなぜメイヤーズを獲得したのか分かりませんが、新天地での活躍を期待しましょう。

29 Alex Reyes(RP/SP) 評価:E
4試合 0勝1敗2H 防御率15.00 3イニング 1奪三振 WHIP2.67

ご存知4年か5年連続球団プロスペクトランキング1位の選手。5登板未満なので+α枠です。

開幕ロースター入ってさぁ、カージナルスのトッププロスペクトの時代だ!と思いきや長年の課題である制球難が炸裂し4月頭で速攻マイナー降格。マイナーでの登板後に不甲斐なさから壁を殴り指を骨折する利き手はやめろブルガリア!っぷりを発揮しIL入り。これにはシルト監督も"That's disappointing"とコメントするも、直後に「人生は成長だろう?フラストレーションを溜めてるのは知ってるし、彼は成功への飢えと自分自身への高い期待がある。」とのこと。流石は名将です。

しかし監督の期待に応えることは出来ず、マイナーでも12登板で防御率6.03と大不振。10月にはマイナー契約を行ったため来年もカージナルス所属です。個人的には球自体はエースフラハティと遜色無いと思いますが、制球難がそれを台無しにしています。来年は監督の期待に応えるシーズンとなることを期待しましょう。

44 Luke Gregerson(RP) 評価-
6試合 0勝0敗 防御率7.94 5.2イニング 2奪三振 WHIP2.72

評価のつけようのない+α枠。5月にはリリースされ、これには穏健派のカージナルスファンのTaiki Katoさん(@TK1222_baseball)も唖然。

マイナーでは結果を残してましたがメジャーでは爆発→怪我のループ。2017年のWBCで熱男ことホークスの松田宣浩を大きなスライダーで空振り三振を取り、アメリカが決勝進出を決めたシーンはまだ記憶に新しいという野球ファンもいると思います。その年はアストロズがWCになった年でもあり、一員であったグレガーソンには大きな期待がかかりました。しかし長年の勤続疲労で大幅劣化。かつてのパフォーマンスから大きくかけ離れた2年でもう記憶が2017年でストップしてます。現在はどことも契約していない状況です。


2.野手陣


4 Yadier Molina(C) 評価:B+
113試合 打率.270 10HR 57打点 6盗塁 OPS.711

球界、そしてカージナルスのレジェンド。打率.270を記録するも歳には勝てず流石に成績が落ちました。盗塁阻止率は27%とキャリアで2番目にワーストと守備面での劣化や怪我もありました。それでもフレーミングの値は依然+、ブロッキングやキャッチング能力も健在でカージナルス投手陣をリードしました。打撃も貧打のカージナルス打線では打ってる方です。

撤回が無ければ、来年はモリーナが引退を表面した年。38歳の来シーズンもレギュラー捕手としてプレーするでしょう。1つの時代が終わる年に、モリーナがワールドチャンピオンの一員となる瞬間を誰もが待ちわびています。

32 Matt Wieters(C) 評価:C+
67試合 打率.214 11HR 27打点 1盗塁 OPS.702

今シーズンのキャンプ中にマイナー契約、その後オープン戦を経てメジャー契約を果たしました。モリーナのバックアップとして球団は獲得し、今シーズンはそれに相応しい働きをしたと思います。酷評されるフレーミングは変わりませんが他のディフェンス面の要素は優れており、投手陣をリードしてきました。打撃は率こそ低いものの1発があり左右両打席で今シーズン168打席で11HRを放ちました。

今オフにFAとなり、カージナルスが契約するかは不明です。後述の若手捕手ナイズナーに経験を多く積ませるのではと思います。モリーナが休養、怪我でいない時、ウィータースの活躍があったからこそカージナルスは勝てました。

7 Andrew Knizner(C) 評価:C
18試合 打率.226 2HR 7打点 2盗塁 OPS.670

モリーナの次の正捕手として期待がかかる24歳。球団プロスペクトランキング3位で今年メジャー初昇格を果たしました。6月2日のカブス戦のメジャー初スタメンでいきなりウェインライトとバッテリーを組むという大抜擢。四球は7つありましたが8回8奪三振被安打2無失点とリードし強力カブス打線を抑え勝利しました。打撃は彼の持ち味であるミート力や出塁力は見せられませんでしたが2HRを放ちました。守備ではマイナーで今年盗塁阻止率45%、メジャーの舞台でも4盗塁中3つ刺しており送球は問題無さそうですがフレーミング値がマイナスなのは気がかりです。

来年は更に多くメジャーでの経験を積むと思います。また同じ捕手で球団プロスペクトランキング6位、19歳のイバン・ヘレーラがAFLで活躍中。熾烈な次期正捕手争いが続きます。

46 Paul Goldschmidt(1B) 評価:A
161試合 打率.260 34HR 97打点 3盗塁 OPS.821

去年オフにトレードで新加入したスター。シーズンが始まる前に5年総額1億3000万ドルの契約延長(球団史上最高)を行い、チームの顔としての活躍が期待されています。

シーズンは不調が長く、途中で打率1割台になることもありました。得意の夏からの復活もあり6試合連続HRを放ちましたが、終わってみればダイヤモンドバックス時代と比べると色々落ちた成績となりました。34HRを放つものの、打率、出塁率、長打率、OPSは規定到達した年の中でワースト。これじゃない…と思ったファンもいると思います。

守備では前評判通りの上手さを発揮し、ゴールドグラブ獲得とまではいきませんでしたが、ファイナリストに選ばれました。来年は打もプラチナシュミットとなることに期待です。

47 Rangel Ravelo 評価:C
29試合 打率.205 2HR 7打点 0盗塁 OPS.666

2010年にホワイトソックスのドラフトで選ばれてから今年までメジャーでの出場が無く、10年間マイナー暮らしだった苦労人。この背景がある以上、流石に低評価はつけられません。

強打がウリで今年は主に代打での出場。7月の昇格からシーズン終了までメジャーの舞台にいました。その打撃を十分に見せることが出来ませんでしたが、マイナーでは着実に成績を上げており来年の活躍が期待されます。

16 Kolten Wong(2B) 評価:S
148試合 打率.285 11HR 59打点 24盗塁 OPS.784

母が中国人のクォーターの選手。ダイナミックかつ堅実な守備がウリで後述のデヨングと共に鉄壁二遊間を作りました。今年の守備指標はUZRが+5.2、DRSが+14とトップクラスの数値を叩きだし見事セカンド部門で初のゴールドグラブ賞を獲得しました。また、打撃でもチームトップの打率、盗塁数を記録し決して守備の人ではないことを証明。飛躍の1年となりました。

カージナルス公式Twitterが、下記のツイートからの一連のツリーで彼の好プレーをまとめているので、興味があれば彼がどのような守備をするのか見てください。
(https://twitter.com/cardinals/status/1119684044361539584?s=21)

13 Matt Carpenter(3B/UT) 評価:E
129試合 打率.226 15HR 46打点 6盗塁 OPS.726

セントルイスの街中では彼のユニを着た人が多く、なにかと人気選手のカーペンター。今年は129試合に出場するも、打率、出塁率、OPSはキャリアワースト。元々打率は特別高くなく、優れた選球眼を持つ選手ですが今年は確実性に大きく欠けるシーズンとなりました。

守備では主にファースト、サードを守り、どちらも無難にこなしました。ユーティリティ性が高くセカンドや外野を守ったこともあるので、来年は打撃はもちろん、守備のオプションを広げて攻撃型ユーティリティとして復活して欲しいです。

12 Paul Dejong(SS) 評価:B+
159試合 打率.233 30HR 78打点 9盗塁 OPS.762

メジャー3年目の26歳で、今年は自身初の30HRを達成。しかし打率は.233、得点圏打率は.193と粗さの残るシーズンとなりました。守備ではDRS+14、UZR+11.4と他のショートと比べると地味ながらもメジャートップクラスの守備力を発揮しました。ゴールドグラブ賞には選ばれませんでしたが、間違いなく選ばれてもおかしくない成績だと思います。

メジャー1年目は25HRを放ちながら打率.285だったので率と長打を兼ね備えることが可能だと思います。来年はもっと打ってMLB最強ショートの座を掴んで欲しいです。

19 Tommy Edman(UT) 評価:S
92試合 打率.304 11HR 36打点 15盗塁 OPS.850

シーズン途中に彗星の如く現れた期待のルーキー。7月に初昇格を果たすとシーズンが終わるまで打ちまくり、規定到達ならずとも好成績を残しました。守備では主にサードの機会が多かったもののセカンドや外野も守りどのポジションでもしっかり守ることができ、高いユーティリティ性を証明しました。

確実性の高さ、パンチ力、足の速さを兼ね備える次の切込隊長候補としてアピールした今シーズン。来年は1番での機会が増えると思いますが、どれだけの成績残せるか期待です。

34 Yairo Munoz(UT) 評価:D+
88試合 打率.267 2HR 13打点 8盗塁 OPS.653

キャッチャー、ファースト以外のポジションが守れるユーティリティプレーヤー。今年はエドマンの台頭もあり、出番が減少。打撃成績も去年と比べると落ちました。ただドミニカ出身ということもあり陽気な選手。ベネズエラ出身のホゼ・マルティネスと仲良く絡み、ベンチを盛り上げるシーンもしばしば見られました。彼が守るポジションで守備力を上げれば、もっと出場機会が増えると思います。24歳なのでこれからということもあり+をつけました。

25 Dexter Fowler(RF/CF) 評価:E
150試合 打率.238 19HR 67打点 8盗塁 OPS.754

カージナルス3年目となる今シーズンでしたが、カージナルス1年目よりも成績を落とす結果に。カーペンター同様、優れた出塁力を持つ選手ですが確実性に欠け打率も.238。ポストシーズンは最終戦を除き1番として出場し33打席打率.060、OPS.251。カージナルスは若手外野手達が成長しており、レギュラーを取ろうとする位置まできています。来年成績を残せなければ、彼らにポジションを奪われる可能性もあります。

23 Marcell Ozuna(LF) 評価:A-
130試合 打率.241 29HR 89打点 12盗塁 OPS.800

カージナルス2年目の今年は怪我の影響もあり出場数が減少。打率も.241と去年の.280から落としました。ただ、28HRは去年と比べ6本増加しその影響あって長打率も上がりました。また12盗塁はキャリアハイ、守備もしっかり守れ決して打撃だけの貢献ではありませんでした。

今オフにFAとなり、カージナルスはQOを提示。彼はカージナルスが自分を必要するならまた契約するかもしれないと言いましたがどうなるかは不明です。29歳の大砲との契約でカージナルスのオフの補強が変わりそうな感じもします。

48 Harrison Bader(CF) 評価:D
128試合 打率.205 12HR 39打点 11盗塁 OPS.680

メジャートップクラスの守備、走塁技術を持つ25歳。去年からの打撃力アップが期待されましたが、むしろダウン。怪我やマイナー降格も経験するなど苦しんだシーズンとなりました。それでも守備は依然としてメジャートップクラス。ゴールドグラブ賞獲得ならずですがファイナリストに選出されました。

守備、走塁のレベルが高いだけに打撃力が劣っているのが惜しい選手です。来年は他の若手外野手と共に熾烈なポジション争いを行うことになると思います。

38 Jose Martinez(RF/LF) 評価C+
128試合 打率.269 10HR 42打点 3盗塁 OPS.751

ホゼマル。今年はゴールドシュミットの加入でファーストとしての出番が無くなり、外野一本。ガチャガチャ動くフォームや体格で勘違いされそうですが、彼はアベレージヒッター。しかし打率は去年は.305ですが今年は.269。他の打撃成績も去年と比べて落としましたが代打での強さや陽気な性格と、上記の数字以上に活躍したと思います。

ポストシーズンでは13打席で打率.538、OPS1.231と貧打に苦しむカージナルス打線の中で1人獅子奮迅の活躍。ポストシーズンに限ればS評価でしょう。来年は更にポジション争いが熾烈になり、代打出場も増えると思いますが代打ホゼマルはかなり頼もしいと思います。

41 Tyler O'Neill(LF) 評価:C
60試合 打率.262 5HR 16打点 1盗塁 OPS.723

期待の若手外野その1。筋肉。父親は『ミスターカナダ』の二つ名を持つカナダの名ボディービルダーのテリー・オニール。息子のタイラーも素晴らしい筋肉を持ちます。

今年は動くフォームからスタントンのようなシンプルなフォームへ。その影響あってか、打率が去年よりもアップ。本塁打数は落ちましたが打撃の改善が見られました。守備もそつなくこなし、マイナー時代に過去に16盗塁を記録するなど筋肉は全てを解決します。

10月にマイナー契約。マイナー成績が落ちてるのが気がかりですがまだ24歳。筋肉強打がもっと見れることを楽しみにしています。

35 Lane Thomas(CF) 評価:B
34試合 打率.316 4HR 12打点 1盗塁 OPS1.093

期待の若手外野手その2。俊足豪打。去年は2A、3Aで27HR、17盗塁を記録し、今年の4月にメジャー昇格。マイナーでは粗さが残る打撃でしたがメジャーでは38打席ながら打率.316を記録。またメジャー初打席本塁打を記録しシーズン通して4本のHRを打ちました。しかし8月28日のブルワーズ戦で死球を喰らい、右手首を骨折し戦線離脱。トーマスのシーズンは終了しました。

若手外野手達の中で次のレギュラーに一番近いのではと思います。スケールの大きい選手なので確実性を上げていけば、間違いなく将来のカージナルスのスター選手になれるでしょう。

66 Randy Arozarena(LF/CF) 評価:B
19試合 打率.300 1HR 2打点 2盗塁 OPS.891

期待の若手外野手その3。新たなキューバンミサイル。シーズン終盤にメジャー昇格を果たした24歳。打席数が20なので評価対象です。9月25日のダイヤモンドバックス戦では攻撃面では4打数2安打1HR1打点1盗塁。1アウト1、3塁で1塁牽制の間にホームを狙いセーフ。守ってはセンターからのレーザービームで補殺を記録しポテンシャルの高さを見せつけました。この活躍あってポストシーズンのロースターにも入りました。ただDS突破後のシャンパンファイトで、興奮しFワードを連発したシルト監督をインスタに投稿、炎上するという一悶着ありました…。

今年のマイナー成績は2A、3A合わせて92試合、打率.344、15HR、53打点、17盗塁、OPS1.003の好成績。走攻守揃った外野手です。またK%も17%と他の若手外野手よりも確実性に優れており、来年の活躍も期待されます。

8(マイナー) Dylan Carlson 評価:次世代のホープ
成績(2A、3A合算) 126試合 打率.292 26HR 68打点 20盗塁 OPS.914

期待の若手外野手その4。カージナルス次世代のホープ。今年はメジャー昇格は無いので+α枠です。21歳の今年は打撃が去年から大幅改善し一気に期待の若手枠に。途中で行われたプロスペクトランキングの更新ではそれまで球団1位だった強打のサード、ノーラン・ゴーマンを押し退け1位に。またMLB全体でも24位、外野手部門で7位になるなど飛躍の1年となりました。ファンの中では来年早くメジャーで見たいという人もいますし、自分も左右両打席からのあの豪快なスイングを見たいです。

オズーナとの契約が出来なければ、カールソンの早期メジャー昇格もあると思います。ただ流石にそれはST次第だと思いますが、彼のポテンシャルならやれるでしょう。カージナルスファンにインパクトを与えたこの若手外野手の来年の活躍から目が離せません。

3.特別枠

8 Mike Shildt(Manager) 評価:S
シーズン成績 91勝71敗

去年のシーズン途中からカージナルス監督としてチームを指揮。経歴は異色で選手としてプレーしたのは大学まで。メジャーやマイナーでのプレーはありません。理由はカーブを打つのに苦しんだため、です。その後アマの指導者として功績を挙げた後、カージナルスのスカウトやマイナーでの監督を経て2017年にはカージナルスのベンチコーチに就任。2018年シーズン途中でそれまで指揮していたマシーニー監督の解任に伴い、監督となりました。そして本日、プロ経験の無い監督として初の最優秀監督賞を受賞!おめでとうございます!

今年のカージナルスは全体で下位レベルの貧打でしたが、それを走塁で補いました。モリーナ、カーペンターといった足が速くない選手にも隙あらば走らせ結果として走塁改革は成功。走塁指標は軒並み上位に。放送局曰く、シルト監督は積極走塁を試みるだけでなくそれを効率的に行いたいとのことでした。走塁指標そのものは上位だったものの、去年盗塁関連はワーストの部類でしたので某福岡の球団の走塁改革よりもしっかり改革したと言えます。バント数も上位とカージナルス伝統の緻密な野球をしっかり引き継ぎました。また投打限らず若手の積極起用も行い、選手達はその起用に応えました。

試合中はクールな監督ですが、重要な役割である選手とのコミュニケーションも怠らず。ベンチコーチ時代から積極的に選手とのコミュニケーションを行ってきました。上記のレイエスへのケアも然り、選手からの信頼も厚く(我々を信じてくれるから思いっきりプレーができる。いい監督だよbyデヨング)、解説者からも「とてもよくやっている」、「彼なしでこのチームは勝てただろうか」と評価されています。また地区優勝後のシャンパンファイトで言った言葉(↓)のように指揮官として盛り上げ上手でもあります。

しかし、ポストシーズンでは不調のTSUNAMIやファウラーの起用法を変えずファンからの批判が…。裏を返せば、選手への信頼が高いのが分かります。ただファウラーに関しては、なぜそんなにファウラーにばかり頼るのかシルトォ!セントルイスのカージナルスファンは怒っていますという批判の勢いでしたが(ファウラーが1番から外れたのは最終戦のみ)。
来年はワールドチャンピオンを目指す年であり、異色の経歴の指揮官の采配にも注目です。


終わりに

以上、38選手+シルト監督の計39名の通信簿でした。間違いなく自分のnoteで1番長いです。ここまで全部読んでくれたかどうかも分かりませんが()

今オフ、チームを離れた選手は5人と少なめ。ここに書かれた選手+補強で来シーズンを戦います。なので、来シーズンを見る際にこのnoteを選手名鑑代わりとして使って頂ければめっちゃ喜びます。

今年分のnoteは以上となります。来年は何を書くのか、そもそも書くのかすら分かりません。この記事に限らず、様々な投稿を読んでくださりありがとうございました。

#野球 #MLB #セントルイスカージナルス #通信簿

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?