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人は自分で生き残らねばならない

先日、寺島実郎「知の再武装」ライブ・ビューイング塾に行ってきました。
寺島実郎さんが講義をする「寺島塾」を映画館などで見ることができるもので、私はTOHOシネマズ日比谷で受講しています。

寺島さんの講義では「金融経済と実態経済の乖離はなぜ起こるのか」といったことを一貫したテーマとしており、それを紐解く経済や政治などの歴史解説、世界的な流れや日本における問題点など、多岐に渡るお話が大変面白い内容となっています。
講義の後半は毎回異なるゲストが来て、寺島さんと対談します。
第7回となる11月は加藤登紀子さんがゲストでした。

加藤登紀子さんは1943年に満州で生まれました。
終戦後、満州にいた日本人は難民となったわけですが、まさに加藤さんも母親・兄弟と4人で難民となりました。
そんな加藤さんが対談で残した言葉が印象に残りました。
「人は自分で生きのこらなければならない」
満州で3人の子どもを抱えたお母様は2歳の加藤さんにも「1人で歩かないと死ぬよ」と教えていたと言います。

私はふと『風邪と共に去りぬ』という映画を思い出しました。
1939年にアメリカで公開されたこの映画は名作と言われ、アカデミー賞を9部門で受賞しました。
私が思い出したのは主人公のスカーレットが南北戦争によって何もかも失って、畑で生の人参をかじりながら「この試練に私は負けません。生き抜いて見せます!」と神に誓うシーンです。
スカーレットはお嬢様育ちですが、意思が強く、賢く、たくましい女性です。
神に誓ったあと、本当に身を粉にして、あらゆる手段を用いて這い上がっていきます。
めそめそと泣く妹や友人を養い、タラという土地を絶対に離さず、自分の生活を確立していくのです。

どちらの話も「先が見えなくなった」状況で、どう生きるかを決めるのは自分だと決意した点で似ています。
「経営者が頭が固いから」
「上司の考え方が変わらないから」
といった理由で、組織やチームの変革を「難しい」と言う声を耳にします。
確かにそれは難しいことです。
しかし、どうするかは自分なのです。
評価や承認を目的とするのをやめ、自分がどうあるのかを目的にすると状況は変わっていくように思います。
今もVUCAと言われ、先が見えない時代です。
先が見えないということは、自分次第で未来を大きく変えることができる機会でもあります。
おまけに「100年時代」ですから未来は長いのです。
機会がありましたら、ぜひ『風邪と共に去りぬ』を見ながら、自分だったらどうするかな...と考えてみてください。

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