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【Part5】フュージョンギターが必ず弾けるようになる 10のステップ【スケール設定とアプローチ】


■はじめに

今回はコード進行へのスケール設定について。
フュージョンらしいスケールやアプローチについて解説していきます。ダイアトニックコードに対応したモードスケール、アヴェイラブルノートスケールで弾いていく事が大前提ですが、浮遊感を出すために敢えて"ハズシ"のスケールを使用する事も。リハーモナイゼーション(リハモ)とスーパーインポーズについては後々の記事で解説します。

■1発モノ

1つのコードがひたすら何小節も続く進行の事を"1発モノ"と呼んだりします。フュージョンでもCissy strut(C7)やLed boots(G7)のようにソロは1発のコードで進行する楽曲がいくつも存在します。

M7

メジャースケールやメジャーペンタでのアプローチが定番ですが、その他にはリディアンやリディアンオーギュメントスケールでのアプローチも。

m7

So WhatやChameleonのようなm7コードが長く続く場合は基本的にドリアンでのアプローチが定番です。その他にはドリアンの代わりにメロディックマイナーを使用する方法も。また、曲調によってはフリジアンスケールでスパニッシュなアプローチも。

7

Cissy strutやLed Bootsのような7コードが長く続く場合はメジャーペンタにブルーノートであるm3を経過音として加えるとブルージーなサウンドに。その他にはミクソリディアンやリディアンb7スケールでのアプローチも。

■セッションでよく演奏される楽曲

進行例① Sunny

Aマイナーペンタ1発で弾き切ることも可能ですが、コード進行を理解して各コードの構成音へのアプローチも出来ると良いでしょう。スケール例は画像の通りです。

進行例② Cantaloupe Island

モーダルなコード進行の楽曲。Fm7はF Dorian、Db7はDb Lydian b7、Dm7はD Dorianの流れがシンプルに合います。Db7の解釈はFマイナーキーのbVIM7の変化和音と考えるのが妥当でしょう。

進行例③ The Chicken

特定のスケール1発で弾き切ることが出来ないので、コード毎にスケールをチェンジ出来るよう練習しましょう。また、この楽曲は各コードのトライトーンが半音ずつ下がっていくような進行になっています。ソロを弾く際のアイデアの一つに。シンプルにアプローチをする際のスケール例は画像の通りです。

■演奏例 The Chicken

演奏中に考えていることやアプローチ例

実際にThe Chickenを弾いてみました。フュージョンらしいアイデアを沢山入れています。演奏中にどのような事を考えているのか、どのようなスケール設定やアプローチ、アイデアを使用しているのかをざっくり解説していきます。機械のバッキングトラック相手なので、アンサンブルと違って展開は自分で作っていく必要があります。

▶︎動画[0:06~0:15]
「ソロに入る前にクールダウンしよう」
テーマ終わりのキメ。ソロに入る前にクールダウンしたいので和音で繋ぐ。13thとm7の音程をぶつけたクラスターボイシングで怪しい雰囲気に。

▶︎動画[0:15~0:30]
「モチーフを意識して組み立てよう」
メジャー、マイナーペンタをミックスさせてブルージーにアプローチ。自然な流れになるようモチーフを大切に。

▶︎動画[0:30~0:43]
「次のコーラスのイメージを考えよう」
装飾音符として少し早い音符も入れつつ、次のコーラスのイメージを作る。1周目なのでキメも合わせる。

▶︎動画[0:43~0:51]
「徐々にアウトも混ぜよう」
ブルージーなアプローチにクロマチックを入れつつ徐々にアウトさせる。Half Whole Diminished(以下HWD)スケールで締めてAセクションからのイメージを作る。

▶︎動画[0:51~1:15]
「緊張と緩和を使い分けよう」
テンションアンドリリースをイメージしてアウトサイド(HWD)、インサイド(ペンタミックス+クロマチック)を行き来する。そんな中でもモチーフは大事!

▶︎動画[1:15~1:19]
「次コーラスでソロを終えよう」
キメは弾かず、6連符で音の跳躍が印象的なフレーズを。ペンタのウルトラC。

▶︎動画[1:19~1:31]
「最後のコーラスなので早いパッセージも」
和音を混ぜたり、早い音符を使って最後のコーラスのイメージを作る。

▶︎動画[1:31~1:37]
「手ぐせも利用して安全にアウト」
トライアドを少し弄って半音アウト。

▶︎動画[1:37~1:44]
「4度進行なのでD HWDとG HWD連結しよう」
HWDをD7-G7で半音で連結。それぞれのアッパーストラクチャートライアドを組み合わせる。

▶︎動画[1:44~]
「長いフレーズもキメへ向かってしっかりと着地しよう」
縦のラインと横のラインを意識した早いフレーズでクライマックスへ。最後なのでキメは合わせる。

■TAB(Gumroad)

The ChickenのTAB譜はGumroadより購入可能となっております。
興味ある方はどうぞ。


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