一橋大マンキューソ事件の教訓から言えること──東大が大澤昇平を厳しく処分しない場合起こりうる事態について

東大がグズグズと大澤昇平氏の処分を行わないため、氏は喜々として差別煽動を繰り返している。中国人差別に飽き足らず、東大情報学環の池亀彩准教授へのバッシングを行ってから、性差別煽動に拍車がかかっている。

いったい東大は、どこまで差別煽動をエスカレートさせておくのだろうか。

東大は緊急に理事会を開いてでも大澤昇平を処分し、氏のいままでの差別煽動効果を否定するべく強い調子の反差別声明を出すべきであろう。

大澤氏を放置することは、非常に危険だというほかない。

そう自信をもって言える。

なぜか。それは私が一橋大学で、すでに3年も同じ経験をしているからだ。

私は一橋大学でジョン・マンキューソ准教授から、研究会を妨害され、彼の英語のクラスで誹謗中傷され、私を攻撃する文脈で「バカチョン」「グーク」「朝鮮人は頭がおかしい」などと公言されるなど、幾多の差別・ハラスメントを、実に3年にわたって受け続けてきた(下記マガジン参照)。一橋大学は信じがたいことに、いまだにマンキューソ准教授を処分しようとしない。

問題はマンキューソ准教授のハラスメントを激化させているのは、ほかならぬ一橋大学だということだ。一橋大学がマンキューソ准教授を全く処分しないことが、差別の激化を招いているのである。具体的に言えば、一橋大学のハラスメント対策委員会がマンキューソを処分しない結果が出て以降、マンキューソ准教授の差別煽動は火が付いたように激化したのである。

ところで明後日(もう明日だが)19日の夕方、沖縄県那覇で下記のイベントを行う。

その準備で多忙であるが、どうしてもこれだけは書いておきたい。大澤氏の新しい差別について、一橋大学の不処分がマンキューソ准教授の差別煽動にスイッチを入れたことについて、である。

女性差別を相次いで煽動しはじめた大澤昇平

大澤昇平氏の差別ツイートを記録もかねて列挙しておきたい。

これは一部である。本当に吐き気がするほど酷い。

完全に女性をモノとしてみている。もちろん異性愛主義を疑わず。

それから女性差別に加え、あるツイートには年齢差別が、他のツイートには中国人差別がみごとに絡み合っている。

また気候変動の危機に立ち向かうため、科学者の警告に耳を傾けろと主張するスウェーデン出身の10代のアクティビストであるグレタ氏を、「頭パッパラパー」と言っている。そんなことが言えるのは単に大澤氏のほうこそ「頭パッパラパー」だからだ、と考えてはなるまい。グレタ氏を「少女」扱いする性差別、年齢差別こそ、彼女の勇気ある、文字通り歴史的といってもよい活動を、「理系男めんどくせぇインスタ映えアジャース」なる動機(つまり大澤氏が思い浮かべる差別的な「少女」の利害関心)に矮小化できるのである。

このように、大澤氏のツイートはそのひとつひとつが、差別というものがいかに人間を歪めてしまうかを、私たちに教えてくれる有用性をもってはいるものの、この記事で分析したいのはそういうことではない。

こんな酷い差別を繰り返す大澤氏を東大がズルズルと野放しにしていると、とんでもないことが起きると警告したいのである。

※(なお、大澤氏の上記の発言には、差別を正当化する論法として、完全に平等な市場での競争を想定したうえで、かつマイノリティというポジションをとることで不当な特権を得ているのだと想定する、新自由主義的な「逆差別」論を採用している。これは重要な論点なので別途取り上げたい。)

本論に入る。

差別煽動のピークから、マンキューソ准教授の差別を激化させた原因が、一橋大学ハラスメント対策委員会の不処分であることがわかった

冒頭で書いたとおり、私が3年も被害にくるしめられている、一橋大学マンキューソ准教授の差別煽動のケースから、必要な教訓を引き出してみたい。

〔追記:以下の記述は以前書いたように、差別を、①差別煽動アクセルと②反差別ブレーキの対抗関係からつかむ、という方法で分析を行っている。興味があるかたはこの記事も読んでいただきたい。図だけ再掲して置く。〕

①差別煽動アクセルと②反差別ブレーキ

じつはマンキューソ准教授の差別・ハラスメントには、大きく3つのピークがあった。そしていずれも、マンキューソ准教授の差別煽動のトリガー(引き金)となる重要な原因が関与していたのである。

第1のピークは、2016年12月14日のARIC研究会襲撃事件だ。

この事件のトリガーとなったのは、トランプ大統領である。ちょうどその前月である2016年11月にトランプ大統領が当選したのだ。

第1のピーク:2016年12月、トランプ当選による差別煽動アクセル

当時就任直後のわずか10日間で800件ほどのヘイトクライムが報告されたと大問題になった。

だがこのトランプ効果は海を渡り東京まで届き、一橋大学のマンキューソ准教授を勢いづかせた(マンキューソ氏がトランプ信者であることは周知の事実)。彼は教室で配布されたチラシにトランプが写っていたので激怒し、ARICの研究会会場に乗り込んで英語で怒鳴り込み、その場にいた学生全員を恐怖で凍り付かせ、私に向かって執拗にパスポート所持を訪ねるなどのレイシャルハラスメントを繰り返したのである。

当時の様子は上の記事を読んでほしい。

ところでマンキューソ准教授は私が修論を提出した直後の2017年2月に、一橋大学ハラスメント対策委員会に訴えたあとは、数か月はおとなしくなっていたのだった。

あとでわかったのだがマンキューソ准教授はさすがに処分に恐怖し、体調不良を理由に2017年4月からの前期(正確には春夏学期)の英語の授業を休んでいたのであった。

つまり処分されるかもしれないということが抑止力になり、彼をおとなしくさせていた。

ところが2017年6月に、ハラスメント対策委員会は結論をくだし、マンキューソ准教授の襲撃行為をハラスメントだと認定しなかったのである。両者の言い分が食い違い物証がないから調査がこれ以上困難、などという言い訳が成り立たないことはすでに過去記事に書いた。それだけでなくハラスメント対策委員会は、わざわざマンキューソ准教授を擁護するために「被申立人が日本社会における国籍やエスニシティをめぐる人権問題に敏感である」とまで明記したのだった。

文章で当時の被害を提出した証人が私の他に6名もいたのに、それらは採用されず、追加のインタビュー調査もされず、不服申し立ては「できない」とだけいわれ、被害者である私たちは、あとは何もなすすべがなかった。

だがこの6月の直後から、マンキューソ准教授の報復が開始されるのである。これが第二のピークである。

第2のピーク:2017年8月~10月ごろ、一橋大学ハラスメント対策委員会のマンキューソ准教授不処分による差別煽動効果

まず、マンキューソ准教授は報復の手始めに2017年8月、なんと一橋大学ハラスメント対策委員会に私が暴力を振るったなどという虚偽に基づく措置の申立を行った。

ちなみに私が暴力を振るったということはありえない。というのは身体的接触さえ一切なかったからだ。

だがこの取るに足らないデマは、ちょうど同じ時期に並行していた一橋大学百田尚樹講演会事件でも、百田尚樹が私を、主催側の学生を暴力的に脅迫したという趣旨のデマを盛んに流布しており、それがネトウヨから一橋現役学生までかなり浸透していた時期に当たっていたため、一橋学内とネットではかなりのダメージを及ぼしたのである。

そして次に10月、こんどは後期(秋学期)がはじまると、元気になったマンキューソ准教授はなんと自分の英語のクラスを使い、学生の前で、私の実名と一橋公認サークルであるARICの名前をあげて、私が暴力を振るったというデマをはじめ誹謗中傷を繰り返したのである。

本当に恐ろしかったのはここからだ。

どうしてこのことがわかったか。

じつはこんなツイートが急に現われたのである。

画像1

※この上の画像の無断引用・転載を一切禁じます。後述の通りこのデマツイートは弁護士に依頼し1年以上かけて訴訟を準備し、多大なコストをかけて、本人を特定・住所・就職先を割り出したうえで、ようやく削除させたものです。

後に分かったのだが、この匿名アカウントは現役の一橋大学経済学部4年生で、なんとマンキューソ准教授の教え子だったのである。この人物はマンキューソ准教授の担当するスペイン・ベルヘ社の企業短期研修にも参加しており、マンキューソとはプライベートでも大の仲良しだったのだ。

教え子を使って、デマをツイッターで流させたのである。

そしてこのデマツイートを、マンキューソ准教授はリツイートし、私が暴力振るったという証拠として利用したのである。

つまり、

①私が暴力振るったというデマを英語クラスで流布
②一橋現役学生が匿名アカウントを使い、ツイッターでそのデマ(フェイクニュース)を拡散
③マンキューソ准教授のアカウントでリツイート
④ネトウヨがそれを利用して私とARICそして一橋大学の留学生などマイノリティを攻撃

という経路で酷いフェイクニュースが大拡散したのだった。

おそろしいのは、英語のクラスと、教え子と、ツイッターが、教員による差別の道具として、マンキューソ准教授の差別被害を訴える学生(私)を追詰めるプロジェクトのなかで、フル活用されていることだ。

そしてそれはもちろん、ハラスメント対策委員会が2017年6月、修論1か月前の学生主体の研究会に、教員が怒鳴り込むという前代未聞のハラスメントさえも、処分しなかったことが、差別煽動のスイッチを入れたからにほかならない。一橋大学のハラスメント対策委員会が処分しないということは、その委員に佐藤宏副学長と沼上幹副学長が入っているということから、一橋大学執行部がマンキューソ准教授を完全に擁護したというサインになったのだ。前述の通りマイノリティに理解があるという不必要な文言さえ公文書に書かれているわけで、マンキューソ准教授が狂喜したのは想像に難くない。

じつはこの第2のピーク時は、個人的にはかなり辛かった。

というのも、私とARICは2017年6月に発生した一橋大学百田尚樹講演会事件の対応に追われていたからだ。周知の通り百田尚樹講演会は私たちが集めた1万人以上の署名もあり中止されたのだが、激怒した百田尚樹がツイッターで、私が暴力的に学生を脅迫したなどという趣旨のデマを流布し、数千ものリツイートを稼ぎ、それによって煽られた差別と脅迫が私に殺到した。同じデマは、ツイッターだけでなく、週刊新潮、デイリー新潮、ケントギルバートとの共著ヘイト本や、VOICEや、はては外国人特派員記者クラブなどで繰り返された(これは私が記憶している限りなので、まだほかにもたくさんあるだろう。ご存じの方はぜひ教えてほしい)。

そしてこれについても一橋大学当局は私への攻撃も、差別煽動にも、何の対処もしてくれなかったのである(というより、6月にマンキューソ准教授の私への差別とARIC攻撃にお墨付きを与え、その時は知らなかったが8月にマンキューソ准教授の申立を受け付けていたわけだった)。

この第2のピークから翌年春ごろまでは、本当に打つ手がなく、非常に困難だったのをよく覚えている。今度改めて書こうと思うが、じつはこの時に、さすがに酷いと思い、知り合いのジャーナリスト、新聞記者、大学教員、弁護士に何人も相談しにいった。

ところがほとんどが助けてくれなかったのである。

とくに新聞記者と弁護士。

新聞記者にお願いしたが誰一人として記事に書いてくれなかったのは、自分にとって大きなショックであった(新聞記事は2年後の2019年8月、国立市長宛ての要請行動まで待たねばならなかった)。

だいたいこんなことを言われた。

酷いですね。

でも差別が起きたのが時間が経っていますね(1年も前)。

それにハラスメント対策委員会の結果が出ちゃってるんでしょう。

これでは書けるかどうかわかりません…。

個人的にかなり反差別運動にコミットしていて、良い記事を書いている、友人だと思っていた人でさえ、この件については書いてくれなかったのである。決定的だったのはハラスメント対策委員会が処分しなかったため、記事が書きにくいということだった(だがそれが正当な理由になるとはいまでも思えないのだが、新聞というものはそういうものらしい)。

弁護士はある意味もっとわかりやすかった。要するに裁判になってからでないと動けないというのだ。(マンキューソ准教授にデマで訴えられたケースで負けたら)また来てください、ねとハッキリ言われ、かえって清々しかった。

以上が第2のピークである。

大学が差別加害者を処分しないことは、第一に加害者の報復を招き、差別煽動の引き金となる。そして第二に、新聞記者やジャーナリストも大学が処分しないことによって、かえって差別問題を報道しなくなるのである。

マンキューソ准教授の差別煽動がそれを証明している。

第3のピーク:2018年6月末~8月、一橋大学ハラスメント対策委員会による決定

第3のピークも一橋大学ハラスメント対策委員会の決定だった。

マンキューソ准教授の虚偽に基づいた訴えの決定が2018年6月15日に下された。さすがに暴行したという氏の虚偽は調査委員も認めなかった(だが不当なことにマンキューソ准教授の暴行されたという証言と、こちらの触ってもいないという証言のあいだを取って、物理的接触があったというウソを認めた)。

当然ハラスメントなどないという判断がくだされた。

にもかかわらず、その後6月28日に、マンキューソ准教授はツイッターで次のような投稿を行った。

翌日からはネットのヘイトスピーチで私の顔写真を晒しているところから取って来た写真を添付して攻撃するようになった。それから怒涛のように私とARICを誹謗するツイートを乱発した。それは1か月以上も続いた。

学生の顔写真をネットから拾って晒すツイートとか、公認サークルを中傷するツイートを投稿しただけで、大学教員は解雇を含めた極めて重い処分が下されて当然であろう。だがこのことを知っていても、一橋大学はなにもしなかったし、いまも何もしない。

さて、上のツイートが百田尚樹やケントギルバートにメンションを送り、私を攻撃するよう煽動していることを確認してほしい。

これは極めて危険である。なぜなら百田尚樹氏はツイッターで当時すでに30万以上のフォロワーを持ち、累計で数百万部を売り上げるベストセラー作家の極右であった。もし彼がマンキューソ准教授の差別を一度でもリツイートしていたら、私に差別や脅迫が殺到していただろう。

幸運なことに、百田尚樹もケントギルバートも、現時点ではマンキューソ准教授の差別煽動に加わってはいない。

その理由はおそらく次のようなものであろう。マンキューソ准教授の知名度が低かったこと、英語での発信なので日本人向けの差別煽動に使うには限界があったことに加え、より根本的にはそもそも百田尚樹もケントギルバートも信念ではなく、ビジネス(金儲け)のために差別をしていることから、マンキューソ准教授に加担するのはメリットよりもリスクの方が高いと判断したためでしかない。

逆に言えば、マンキューソ准教授がもっとうまいやり方で煽動していれば、百田尚樹やケントギルバートはじめいまの極右著名人や政治家の差別煽動に乗っかって、私やARICを攻撃できたのである。いまもその可能性は続いている。

この当時の差別煽動はそれだけではなかった。じつはマンキューソ准教授のツイートが投稿された6月末に、いっせいに彼の教え子がツイッターやフェイスブックの匿名アカウントを使い、マンキューソ准教授を擁護し私が暴行したというデマを流布し始めたのである。しかもマンキューソ准教授の教え子がハラスメント委員会に私が暴力を振るったと証言していたこともこの時判明したのだった。

それらはある日一斉にはじまったので、私はマンキューソ准教授が教え子と綿密に連絡をとって組織的に行った可能性が高いとみている(そうでなければ説明がつかない)。

ツイッターではそのようなマンキューソ准教授の教え子による複数の匿名アカウントのツイートが乱舞し、それをマンキューソ准教授が盛んにリツイートし、ネトウヨがそれを拡散し、それによって私たちに攻撃や差別が殺到した。

またフェイスブックでは、私のフェイスブックページに、全く知らない一橋大学の学生や卒業生と思われる変名を使ったアカウントから、私が暴力を振るったなどのデマやマンキューソ准教授側の見解がいくつも書き込まれはじめた。おそろしいと思ったのはマンキューソ准教授は30年近く日本に在住していて割と英語教員のネットワークがあるらしく、そのフェイスブックの友人も加担したことだ。当時私は英語がいまよりも不得意で、何を書いているかわからなかったものの、長文でマンキューソが良い奴だと盛んに擁護して議論していることはわかった。

私は当時海外出張中だったのだが、せっかくの海外渡航の機会だったのが、このデマ打消しのための対応に追われ、多大な時間と労力を費やすことになった。

そしてこの状況について、新聞記者も、弁護士も、大学教員も、まるであてにならなかったのである。ハラスメント対策委員会に行くことなど、全くの論外であることは言うまでもない。

大澤昇平氏を東大が処分しなければ今後起こる事態について──大学が差別を処分しなければそれじたいが加害者の差別煽動を激化させる

時間がないので以上とする。

だがここまで読んでいただければ、大学が差別教員を処分しないことが、いかに加害者の報復にスイッチを入れることになり、加害者がさらなる差別煽動を行うことを激化させるのかが、よくわかると思う。

大澤昇平氏のツイッターをみていると、時々刻々と、差別の酷さが、その頻度が、どんどんエスカレートしていることがわかる。冒頭に書いた通り、いまや性差別を全開にしはじめた。

それだけではない。大澤氏は自覚的にネットでのフェイクニュースや差別煽動を使った特定個人への誹謗中傷を行う手法や、差別した加害者である自分を「被害者」であるかのように見せかける手法(ウソや誇張や差別を使って自分を正当化する)を、急速に学習しつつあるのだ。

たとえば、このツイートをみただろうか。

間違いや誇張を織り交ぜて、巧みに印象操作を行い、自分が「被害者」になっている。

この録音は既に削除されているのだが、その内容は大したことがない大学側の警告の域を出ない。

だが大澤氏はプライバシー保護のためといいつつ、音声を加工することで、東大側に非常におどろおどろしい印象を与えることに成功していた。

また録音を公開し、それをあたかも内部告発のようにみせかけてツイートするやり方も、自分が「被害者」になるうえで有効性があると認めざるを得ない。

この作戦に引っかかっている大学教員もいる。

そして私が一番憂慮していることは、大澤氏が本格的に差別を組織化しようとすることである。たとえばすでにこのような、差別的な学生が大澤氏を支持し、大澤氏に便乗する形で売名をしようとしている。

私は真剣に危惧する。

マンキューソ准教授の教え子が匿名アカウントをつくり私の誹謗中傷に加担したように、大澤氏の差別を支持する学生が東大のなかに現われて差別煽動に加わらないだろうか?

大澤氏が「敵」認定した教員や学生やコースに対するバッシングをはじめないだろうか?

また東大内にいる極右あるいは保守的な学生が、言論の自由を盾にして、大澤氏を擁護する組織的な活動を開始しないだろうか? そこまでいかなくともまずは議論しましょう、という形で、集会やシンポジウムを学祭で企画し、大澤氏本人やそれに近い極右や差別を繰り返す著名人を呼んだりしないだろうか?

あるいはこの事件を利用して、日本第一党はじめ差別を繰り返して来た極右活動家が東大に乗り込んで情報学環などに街宣をかけたりしないだろうか? そこでの小競り合いでヘイトクライムが起きないだろうか?

AIの研究者でありIT企業の経営者である大澤氏が今後、たとえばAIや簡単なbotを使ったSNSの偽アカウント使うなどして、東大の教員や中国人留学生を差別するために、差別煽動やフェイクニュースを流布させるなどということはありえないのだろうか?

このようなことがリアルな危険としてあるからこそ、大学が差別禁止ルールを徹底し、差別した教員に対しては極めて厳しい処分を行うとともに、学内にも学外にも差別をぜったいに許さないという強いメッセージを出し、じっさいの大澤氏の差別煽動効果に対して積極的に関与してそれを打ち消すだけのポジティブなアクションをとる必要があったのだし、いまもあるのだ。

このような観点から11月22日の緊急提言は書かれている。

以上だ。

まとめると一橋大学マンキューソ准教授の3年にわたる差別煽動事件の経験からいうと、大学が加害者を処分しないことはそれじたいが加害者の報復を招き差別煽動を激化させる。

また新聞記者や弁護士など人権を擁護するはずの人びとさえ傍観する口実を与える。

さらに大学のハラスメント対策委員会や調査委員会じたいが、加害者を擁護し、被害者に2次加害を与える装置になる。時間だけ浪費させ、その間加害者が自信をとりもどし、被害者を憔悴させることになる。

私は幸いまだ生きているものの、このようなことを経験するとかなりの程度その心身を傷つけられ、場合によっては自死に追いやられる危険性さえあることをあえて書いておく(実際に一橋大学ではアウティングによる自死事件が引き起こされたのだ)。

東大がもしもこのまま大澤昇平氏の処分をためらい、氏の差別が持っている社会的な差別煽動効果を打ち消すだけの積極的な反差別アクションを取らない場合、大澤昇平氏の今後の差別煽動はそれだけ激化する危険性があると強く訴えたい。

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