ウルトラマンの文法説明

今回は文法の説明について話そうと思います。

荒っぽく言って、説明は3分以内にしないと生徒は理解できないし、寝だします。

そう、地球上で戦うウルトラマンと一緒で、3分以内に説明を終わらせないと教員マンの負けなのです。

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3分以内に、いかにわかりやすく説明するかが腕の見せ所ですね。

今回は「三単現のS」を例にとって説明します。

なぜ「三単現のS」かというと、「三単現のS」は中学校で習いますが、成績上位の生徒であっても正しく使えない、生徒にとっても、教える教員にとってもハードルの高い文法事項だからです。

そして、これには私が大学生のころ苦い思い出があります。

学習塾で教えていたのですが、私のへたくそな説明で生徒たちが授業に飽きてしまい、「大三元!大三元!役満!イェーィ!」と騒ぎ出し、生徒みんなの頭の上から「?」が出ているのを表情から読み取ることができました。

教えている自分でも「こんな説明ではわかるわけないよな」と思い、騒ぎ出す生徒を叱る気持ちにもなれませんでした。

しかし、まだ続きがあります。授業が終わって敗北感で落ち込んでいる自分のところに、真面目な女の子が質問に来たのです。

「先生、四人称ってあるんですか?」

これを聞いた瞬間に「あ~、ほんとごめんなさい」と心の中で何回も謝っていました。

訳の分からない文法用語を多用して説明した結果です。

授業がうまくいっていないと感じたときに出てくるあの嫌な汗。

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さて本題に入ります。

皆さんなら、どう教えるでしょうか?

「三単現のS」を教えるとき行われている説明に次のようなものがあります。

1.「3人称」「単数」「現在」に分解して、それぞれを説明する。

大学生のときの私です。授業崩壊一直線ですね。

2.「主語が単数で、Iとyou以外の時」

1よりは幾分ましですが、2段階で考えなければいけないところが複雑です。「主語」という専門用語を使っているところも、中学生には混乱を招きます。これでも理解できる子は一部にとどまります。

余談ですが、「主語」という概念は教員であってもほとんどわかっている人はいません。「動作主(agent)」と混同していたり、「は・が」がついて示されるものと思っていたりです。私も大学院に入るまで、よくわかっていませんでした。

専門用語を使わずに、3分以内に説明しましょう。

⑴ I, you, he, she, we, they ,it, Maryに続くbe動詞を生徒と一緒に確認する。(be動詞は中学生でもかなり高い割合で定着する。)

⑵ その横に、動詞playではplayになるかplaysになるか答えだけを板書する。

【板書例】
  ⑴   ⑵
I       am  play
You  are  play
He    is    plays
She   is   plays
We   are       play
They are      play
It       is        plays
Mary is        plays

⑶ 「はい、では問題です。どんな時にplayにsがつくでしょうか?」

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というような感じで進めて、行きます。

「わかった!isの時だ!」という声があがったら、すぐにプリントで問題演習、そのあと口頭で練習です。ここに十分時間を取ります。

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◎ まとめ
1.教員はウルトラマン。3分以上話すと死ぬぞ!
2.説明はクイズ形式で。
3.定着活動に十分な時間を!

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