思い出① 乾杯まで
5つの味覚の中でも「苦味」はそんなにメジャーなものではないのではないでしょうか。
「甘党」「辛党」という言葉はあるけど「苦党」なんて言葉はないし、そもそも辛味は5つの味覚に含まれません。酸味も塩味もうま味も苦味も負けるな頑張れ。
ただ、私は少しだけ苦味が得意なのかもしれません。
苦い飲み物が子どもの頃から大好きでした。
盗み飲み
小学校高学年〜中学生くらいの時、ようやく炭酸が飲めるようになりました。
マクドナルドでいとこのコーラを間違って飲んでしまい、吐き出そうかと思いましたが我慢して飲み込んでみたらいけました。
そこからはもう無敵。苦手を克服した私は炭酸が飲みたくて飲みたくて仕方ない子どもになっていました。
私が目をつけたのがお父さんがよく冷蔵庫に入れていた「NUDA」でした。
ごめんなさいお父さん。きっと盗み飲みしてたの気付いてたよね。自分の中ではバレないようにちょっとずつ飲んだつもりだったけど、ガッツリ減らしてたと思います。
めちゃイケを欠かさず見ていた私は、岡村隆史さんがブレイクダンスしているCMでNUDAの存在を知りました。味は確か写真の通りグレープフルーツ&ホップ。今はもうこの味は売ってないみたいですが、苦さを感じつつも美味い…とか思いながらガブガブ勝手に飲んでいました。
おかしな奴
そんな私も高校生になり、お小遣いを貰って自分で飲みたいものを買って過ごすようになりました。
部活後の500ml缶の趣たるや。「やっぱ缶っしょ」なんて言いながらみんなでワイワイジュースを飲んだのを覚えています。
そんな中、高校の自販機にとある飲み物が入り、にわかに話題を集めることになります。
「クソまずい飲み物がある」「誰があんなの飲むんだ」
と、思いっきりマイナス方向の口コミです。
…それは、僕が当時大ハマりしていた「トニカ」でした。
ピーチのフルーティーさと、トニックウォーターのほどよい苦味。
僕は大好きだったので猛抗議しましたが、見事おかしな奴と認定され、一部からのあだ名が「トニカ」になりました。いじめ?
乾杯まで
そんなこんなで大人になり、普通にビールで乾杯できる年齢を迎えた私は、見事に酒の味に溺れていきます。
甘いお酒、苦いお酒、どれも好きです。
今はもう人の飲み物を勝手に飲むこともありませんし、苦いビールを飲んでもおかしな奴だと言われることもありません。
お酒の席での失敗は数えきれませんが、どれも思い出といえば思い出です。
次に居酒屋で乾杯するときは、いったい「何に乾杯」なんだろう、と考えてしまいます。
「久しぶりの居酒屋/対面に」?
「戻ってきた平穏に」?
シンプルに「いぇ〜〜〜い!!」?
一人で飲んでも楽しさを感じられなかった人間なので、やっぱり飲みながら人と話したいなと思います。
何の後ろめたさもなく、乾杯できる日を待って、
既に満杯の気持ちをキープしておきます。
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