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ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~うずまきナルト物語~/舞台全体の感想

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~うずまきナルト物語~、東京公演初日と大阪公演大千秋楽とあとたくさん観劇してきました!全公演駆け抜けられて本当に良かったです。当方俳優おたくながらナルステ箱推しのおたくなので感想はたくさんあるのですが、まずは舞台全体の感想から!

2.5次元舞台観劇のふるさと、ナルステ

一言でいうなら、感無量でした。まず多数のキャスト変更があり座長も変わっていて、ああこれはもう違う舞台になっちゃうかな……というくらい沈んでたけれど、幕が上がるとやっぱりナルステだったんです。わたしの2.5次元舞台観劇のふるさとよ。客席に入ればFLOWの歴代NARUTOオープニングが流れていて、小学生の時このオープニングに変わって本当にワクワクしたなあって思ったり、スクリーンに映し出されてる「ライブ・スペクタクルNARUTO」のロゴでナルステにきた~って気分になって、たまらなくなる。私が初めて観た2.5次元舞台が2017年のナルステ『暁の調べ』初演で、今作の公演期間が年末年始だったのもあり、実家感ってこういう感じなのかなと思いました。初日はあまりに不安で52巻をお守りとして持参したし、観劇後はあまりに感無量すぎて52巻と写真撮ってしまうという奇行をおかしました^^

楽しさの原点-音楽・演出・舞台セットについて

ナルステと言えば歌でブン殴ってくるみたいな強さの歌とアクション!ナルトの信念、サスケの咆哮、我愛羅の切望と”感情が高まった最上級“として歌があると思いました。オープニングが終わっていきなり歌うのは要するに最初から感情がクライマックスなんだよな。 デーデッデッデッデとくる一音目でバァン!とマント脱いで暁コートになり、良知さんに寄せた歌い方で兄の悲劇を嘆き「あいつらを許さない」とがなるなんて、この世のすべてに対する許さなさが最上級じゃないですかサスケさん。青い光に包まれたナルトが「命より大切な仲間を必ず連れ戻す」と歌う力強さ、なんてまっすぐな信念なんだ……ッッ観てますか岸本先生。
音楽は主にメインの2種類とそれらのアレンジに対して長門とマダラの歌が異色で、彼らの異物感が表れていたと思いました。長門・ペイン・小南は木の葉とは違う環境で育った忍で、マダラは時代と倫理観がまるで違うという事が芝居以外の要素でも表されるみたいなモノづくりが好きです。

そしてたまらないのが絶妙なバランスとタイミングで入ってくるアナログ演出。光る玉がふわふわ浮いてたり、フカサクさんのパペットだったり、小南の紙吹雪の華やかさに、五影会談襲撃のクライマックスなんて超~~~ド派手でスッゲーーーー!!花火出たー!!水影様回ってるー!!メリークリスマス良いお年を明けましておめでとう!!!!!という気分になります。サスケは痛々しいけれど観てるこちらはめちゃくちゃに楽しくて、これは劇場で観て本当に良かったです。

舞台セットは前作を改良した感じでしたが、メインになる下段の広い面が客席にむかって坂になってる事に気づいた時はびっくりしました。全員傾斜がついた地面で殺陣やアクションやってたんだ……!すごい!奥行きが出るのと足元まで客席に見えやすいようにステージに傾斜がついているのはよくあるけど、ナルステの場合そこ以外は水平だから、どこでも変わらず立って踊って動き回れるのは全員プロだなと思います。そして中央の出入口の使い方も巧くて、奥が暗闇だからそこから登場するナルトは闇から出てきたみたいだし、逆にそこに捌けるサスケは闇に帰っていくみたい。同じ物の使い方が対になる二人って本当たまらないですね。岩の汚れや質感を表すペイントが全部黄色と水色で描かれてたのも震えた。観てますか岸本先生。

プロジェクションマッピングも凄くて、客席も4DXみたいに動いたらさらに楽しいだろうなと思いました。センブロ前方列のドセンで観劇した時は、地爆天星の迫力が凄かったです。瓦礫が球体になっていく様を見上げて、地響きまで感じるような臨場感でした。ナルステは役者さんが汗だくになりながら術がドカンドカン飛び出るのに圧倒されますね。本当に目の前で皆が戦ってるー!という2.5次元の楽しさの原点に帰れる。

若者と年長者

若者と年長者の対比がしっかりあったのも舞台ならではの伝え方だなと。五影会談の場面では、下手側に協力・共闘を主張する女性と若者が着席していて、上手側がに自里の強さと体裁の維持を主張する旧態依然な男性の年長者が着席しているという対比にしびれました。会談開始と同時に当然のように身を乗り出した雷影を制すのが我愛羅で(「俺から話す、聞け」と挙げた手も戦闘態勢の手つき)この人たち全く友好的じゃないんだろうなというピリついた空気と、雷影・土影は我愛羅や綱手が影という立場でなければ彼らの話に耳を傾けもしないだろうという無意識的な性悪さ。会談以外にも雷影はナルトの歎願を一方的に威圧して否定する訳だし、現実の年配男性に通ずるものがあって屈してなるものかと思います。不快感や恐怖をありありと伝えられるのも舞台の良さ。

生身の人間が演じる意義

キャラクターの描き方の解釈一致さはたまらなかったです。ナルトとサスケの振付・立ち回りが対になっているのはもちろん、つきまとうナルトをしっし!てやるカカシ先生、ざくっと纏めた感じの香燐のポニーテール、胴上げを呆然と眺めるサイに「あんたも行ってきなさいよ!」みたいな感じで背中を押すサクラなどなど、細部まで抜かりない。ここまで再現しておきながら、単なるダイジェスト版になっていないのが凄い。本人たちのお芝居はもちろん、演出も含めてナルトとサスケが対になる様子が強調されていて、想いの方向性もナルトは希望的でサスケは破滅に向かっていく。こんなに己の正義がぶつかり合って正解が出せない物語を、そもそも喜怒哀楽に収まりきらない様々な感情を持つ生身の人間が演じる事で、物語に説得力が増している。そこに生身の人間が演じる意義を感じました。目の前にいるのはキャラクターなんだけど、キャラクターが人としてそこにいて、彼らは一人ひとり悩みも葛藤もあって苦しんでいる。ナルトという人間が、サスケという人間が、サクラという人間がそこにいる。という感覚に全ての登場人物に対してなります。敵も見方も全員がそれぞれ「自分にはこうすることしかできない」と自分で出した答えのもと突き進むしかない。そして答えの導き出し方もキャラクターのその人らしさがよく出ている。だからナルトが英雄になる場面は本当に華やかで胸がアツくなるし、「追いかけろ 忍び込め」の圧と対比は心臓が押しつぶされそうになる。青い光の中でオレンジのレーザーが差している演出が多々あるのにも、カンパニーの根本的な作品愛を感じる。観てますか岸本先生。ダンゾウ戦こそないけれど、そこに違和感を感じずに引き込まれたのは、憎しみでしか動けないどうしようもないサスケと、そうして世界の脅威となったサスケを全員で始末しなくてはならなくなった構造がストーリーの大元にあったからだと思う。私は2.5次元舞台を原作を忠実に再現しているか、正解か不正解かだけの見方をしたくなくて、合っているか否かにシビアになるよりも根底に作品への愛情があり、それをもとにオリジナルにアレンジされていているならば、作品の世界が広がって良いなと私は思います。作品を忠実に再現しながら、根底に流れる意識を理解して独自の展開にアレンジする。そしてそれが素晴らしいクオリティである。それがナルステで、こんなに良い2.5次元があるかという気持ちです。
千秋楽から数日後、久しぶりにコミックスも読み返して不思議な気分になったのが、漫画のキャラクターが役者を描いたように見えました。NARUTO完結が2014年だから時系列的にありえないんだけど。「流司くんを観ているのかサスケを観ているのかわからなくなる」といった感想はよく見かけたけど、漫画を読んでその逆バージョンが発生した訳です。彼らがどれだけキャラクターそのものとして板の上にいてくれたか、キャラクターを人として演じていくれていたかがわかる。ファンとしてこんなに嬉しいことはないです。
カブトが一瞬登場したけど、次回でまとまるのだろうか……穢土転生で兄弟共闘が観たい。クシナも観たい。わがままも言えば二代目や白も観たいしイタチ兄さん、大蛇丸様、カブト、白のキャストは続投してほしい……ッッ。キャストのスケジュールありきでかなりの急ピッチで制作進められている事と思います。毎回このクオリティで仕上げてくれるカンパニーなので、新作も楽しみにしています。

作品全体の感想はこんなところでしょうか。キャラクター・役者さん毎の感想は、また後日!
→→書きました。