見出し画像

『Lの運動靴』

【Lの運動靴】キム・スム 著  中野宣子 訳
※Instagramに投稿した内容をそのまま投稿しています。

 僕が本書を手に取ったきっかけは、版元のアストラハウスさんとTwitterのメッセージ機能でやり取りをする機会があった際に、直接おすすめして頂いたからです。その日の内に購入して実際に読んでみました。
 アストラハウスさん、本書を薦めて頂き本当にありがとうございます。

 本書は延世大学校の学生、李韓烈(イ・ハンニョル)という実在した人物が遺した運動靴が修繕されるという話を著書のキム・スムさんが聞き、小説にしたものです。
 本書のタイトルにもある" L "の運動靴とは、1987年に当時の警察が放った催涙弾を頭に受けて20歳で夭折したイ・ハンニョルさんが履いていた運動靴のことだったのです。韓国では、李はLeeとローマ字表記されるのが一般的なためです。(僕が好きな俳優、女優に一番多い名前)

 実際に起きた事件をモチーフにしてるだけあって読んでいて胸が痛くなりました。1966年に生まれたイ・ハンニョルさんが現在も生きていたら57歳くらいだと思うと僕の父と歳が近いだけあって居た堪れない気持ちになりました。
 また、彼についてインターネットで検索すると、催涙弾を頭に受けて血を流す彼を、同じ延世大学校の学生が抱える一枚の写真がヒットするんですが、生々しくて心が軋みました。

 それでも、読書の他に美術鑑賞が好きな僕は本書に数多の芸術作品が登場したことに少し心が救われました。

 本書の訳者あとがきに僕が好きなブックカフェ「チェッコリ」さんのことが言及されていて嬉しかったです。

 また、僕が好きでよく聴いている【聴いて、読んで、楽しむ★K-BOOKらじお】というポッドキャスト番組(僕はSpotifyで聴いている)でアストラハウスの和田千春さんのお話も聴けるので、是非一度聴いてみてください♪

※本書で語られる主なアーティストと美術作品は2枚目の写真を是非ご確認ください。

Ryuki

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?