見出し画像

自己啓発の罪を感じた一冊      ブックレビューvol.37 HELP! 「人生をなんとかしたい」あなたのための現実的な提案

おはようございます。
今日は、先日まで読んだ本のレビューです。

(タイトル)HELP!「人生をなんとかしたい」あなたのための現実的な提案
(出版社)河出書房新社
(発売日)2023/4/26

(レビュー)
この本では、他の自己啓発本と比較し、批評を行い、現実的な処方箋を提案しています。
自己啓発本は多く出版されていて、私も読んだことがありますが、多くの場合は次の内容を述べられているものが多いです。

1)情熱をもつ仕事を探す
2)いつもの自分・本当の自分
3)○日で人生が変わる
4)ポジティブ思考

一般的な自己啓発本を読んでいると、"私はなんと無力なことか"と自己嫌悪に落ちてしまい、逆にメンタルがやられるのではないかと思うくらいでした。
自己啓発本だけでなく、自己啓発系インフルエンサーやYoutuber、キャリア系の方たちも同種のことを発言していますが、どこか現実離れしているというのか、理想論を述べているにすぎないなと感じていました。
ある意味、自己啓発の罪だと感じました。

そんななかでこの本に出会い、今までの自己啓発本に対するモヤモヤが払拭されたような気がしました。

(印象に残った点)
1)目の前のことをしっかり取り組めば、自然と情熱に変わる

本文中には次の内容が書かれています。 
 "今の仕事でもやり方を変えたり、しっかり取り組めば、ほとんどのものが単なる興味の対象から情熱の対象に変わっていくということ。
在学中の学生が卒業後の職業選択で悩む理由がない。なぜなら、社会人のなったら目の前にあるものから興味のあるものを選んで、後はそれをしっかり頑張れば良い。そうすれば、それらがいつの間にか興味の対象から情熱の対象に変わっていく。"情熱"とはその程度のもので大騒ぎするほどのものでない。"

 これは、自己啓発以外にも、今さかんになっている"転職"についても一石を投じる考え方だなと思います。
 今の仕事についても、目の前の仕事についても、たとえ向いていない仕事だなと思っても、"しっかり取り組む"・"最後までやりきる"という気持ちを忘れないことの大切さを教えてくれているように思います。
 情熱をもつ仕事なんて、実際に取り組まないとわからないし、何年も取り組んでようやく情熱を持てるようになるのはないかと考えます。
 取り組んでいない段階で"情熱のある仕事を探す"というのはムダであるのはそのとおりだなと感じました。

2)ネガティブ思考に徹しよう
私がこの本をよんで一番印象に残った内容です。
一般的な自己啓発本はとにかく、"ポジティブ思考"を提唱し、半ば強制されている感もあります。
この本では、"ネガティブ思考"は、常に最悪のケースを想定して物事の計画を立てるので行動の障害となる不安がなくなる効果があると書いています。

これは、経済評論家で経営者でもある上念司氏もよく言っています。
最悪の場合を想定しておけば、何かあったときもどっしりと構えることができるので精神安定にもつながるし、リスクマネジメントにつながると考えています。

逆に、"ポジティブ思考"は物事がうまくいくように自分を追い詰めているため、常に神経を張り詰めていると書いています。
ポジティブ思考をこのように分析しているのは面白いなと思いました。

amazonや書店へ行くと、このような従来の自己啓発本に対するアンチテーゼ的な本が徐々に出ているなという印象があります。
みんな、自己啓発疲れ/キャリアアップ/自己投資疲れしているのではないかなと思いました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?