「大丈夫だよ。」と言ってほしい
自信や覚悟が足りないと周囲の人たちが言うことに、子供のころからずっと納得ができなかった。
とはいえ、未熟で無知な子供だったから、自信や覚悟が知らないうちに過剰な責任感に変化し、失敗は許されないと無意識に考えてしまう負のループにとても長い期間はまっていた。
行動しないと結果は何も出ないのに、何もせずに失敗をしないなんてそもそもありえないと、最近気がついた。
何かを決断した自分を無意識に褒めることをしたら、気持ちがとても楽になった。
ずっと、自分が決断したことに対して「大丈夫だよ。」と言ってくれる人がほしかったのかもしれない。自分のことを信じて安心したいから。
結果が出ずにもっと厳しくしたら疲れた
2023年5月からオンラインキャリアスクールでライティングやマーケティング、写真・カメラなどの新しい知識を学習中の33歳(執筆当時)。
最近、動画編集の学習もはじめようとしている。
オンラインキャリアスクールに入会してから気がつけば、半年が経過した。
学ぶことが大好きだから、楽しい日々ばかりと言いたいけれど、辛いときもあるのが現実だ。
つい最近、学習のモチベーションがずっと下がった状態だった。モチベーションが下がった状態が続いたのは、学習の成果を活かす機会でなかなか結果が出なかったから。
適性がないのかもしれないと、成果が出なければ出ないほど、襲ってくる心配。
同時期に入会した人の中には結果が出ている人もいた。
結果を出せている人と無意識に比べてしまい、結果が出せていないから情けないと落ち込んだ。
自分よりも入会時期が後の人たちも、結果を出していることがさらに追い打ちをかけてきた。
もしかしたら自分のことを励ましていれば、多少は違っていたのかもしれない。
それにもかかわらず、反対にもっと自分に厳しくなるのだった。
気がつけば、負のループにはまっていた。
負のループにはまった状態なら、きっぱり辞めてしまえばいいのかもいれない。
ところが、人生を本気で変えたいと思っているから、簡単に学ぶことを辞めることはしたくないのだ。
負のループにはまって疲れ果てたため、少し休憩した。
しばらく原因がわからず、頭の中でずっとモヤモヤしていた。
ずっと自分のことを褒める習慣がなかった
ふと昔のことをなんとなく思い出してみると、昔から学ぶことが大好きではなかった。
小学生のころから高校2年生ぐらいまでは好きではなく、むしろ大嫌いだった。
というか、要領がとても悪かったと思う。
自分に合った勉強方法も高校3年生のときにやっと見つけた。
よく言えば大器晩成タイプだ。
よって今まで頑張って、結果を出しても自分のことを褒めたことがほとんどなかった。素直に喜ぶこともできなかったのだ。
周囲ができているから、できてあたり前だと無意識に思い込んでいたからだ。
周囲は同じようにできないことを不思議そうに見てくることもあった。
勉強がダメなら運動ができたのかというと、そうでもない。
水泳以外の体育の実技が苦手だった。
水泳教室に通っていたから水泳はできてあたり前。
外に出て遊ぶタイプの子供ではなかったから、できなくてあたり前だ。
それにもかかわらず、周囲の多くの人ができていることができないからと、責められることもあった。
勉強も運動もダメ。
何もできない人だと笑われ、悔しい気持ちになる日も子供時代は多かった。
とはいえ、ほかの人に失礼な態度をとるタイプではなかった。
どんな人でもなにかしらの欠点はあると考えていたからだ。
できの悪い子だったから、ほかの人を大切に扱うときと同様に、自分のことを大切に扱うことを考えたこともなかった。
自分は周りの子よりもできの悪い子だからとばかり考えていた。
ずっとその考えが自分のことを苦しめてきた。
多分、自分なんかダメなんだと思い込んでいたから、モチベーションを維持するために褒めることや元気づけることなんて、思いつくことすらなかったのだろう。
決してダメな人間ではないし、完璧な人間がいないこともわかっているのに。
自己肯定感が低かったからか、自分が決めたことでも決断や行動に心配になりがちだった。
もちろん、いい加減な気持ちで物事の判断や行動はしていない。
できの悪い子だと思い込んでいるから、本当に大丈夫なのか心配なのだ。
決断や行動の選択に迷っていると、小学生ぐらいから高校生ぐらいのときに、学校の先生や友人たちは「あなたは自信が足りない。」や「あなたには覚悟がない。」と言ってきたが、ずっと納得できなかった。
社会人になってからも上司や先輩社員が同じように言ってくることもあったため、モヤモヤしたことも多々ある。
行動する時点で自信や覚悟はすでにある
そもそも、自信や覚悟がなければ、何かを行動をしたり、決断したりすることはできない。
自発的に資格試験に挑戦することやオンラインキャリアスクールに入会することもないだろう。
新しいことに挑戦するという判断も、それなりに覚悟がなければ簡単にはできないはず。
ゆえに誰かに自信や覚悟がないと言われても、ずっと腑に落ちなかったし、違和感だらけだった。
だが、自己肯定感が低いからなのか、自信や覚悟が足りないと言われる自分はダメな人間なんだと矛盾した思いを持つようになった。
気がつけば、決意や覚悟に失敗をしてはいけないという意味はないのに、失敗してはいけないなどのネガティブなことを考える負のループにはまっていた。
自信を持つことや決意をすることが、ものすごく責任を伴う怖いものになっていた。
こんなときに「自信がない。」や「覚悟がない。」ではなく、「大丈夫だよ。」って言ってもらえたら、ほっとして、安心できたかもしれない。
もしくはモチベーションをうまく維持する方法を知ることができればよかったのだろう。
ずっと、辛い感情を押し殺して生きていた。
高校生のころ進路を考えはじめる時期になると、「周囲の多くの同級生たちも行くし、いいところに就職するためには行かないとね。」と親や先生に言われ、大学への進学を考えた。
今だから言えることだけど、当初、大学に進学することはあまり乗り気ではなかった。
大学に行けるほど教養のある人でもなかったから、できれば就職したかった。
大人になってからも、ずっと何も取り柄がないと思っていた。
しかし、本当に何も取り柄がなかったのかと改めて考えてみたら、ないわけではない。
大学に入学するために高校卒業後の1年間、浪人生活を送った。
自分で言うのも恥ずかしいが、高校時代よりも頭がよくなり、物覚えもよくなったと思う。特に読解力がとても身についたと思う。
よくよく考えたら浪人してよかったと思っている。
今でも読解力はずっと活かせているりっぱなスキルのひとつだ。
読解力は学習ではもちろん、日常生活でコミュニケーションを行うときなどにも欠かせない。
読解力がついたからなのか、あんなに大嫌いだった勉強が楽しくなり、学ぶことが楽しくなったのだ。
知らないことを知ることが楽しくなった。
だから、オンラインキャリアスクールの学習も継続できている。
一番の理解者は自分自身
周囲に自分のすべてを理解してくれる人は、存在しないと思う。
同様に周囲の人のすべてのことを、理解することはできていない。
お互いを知るためのコミュニケーションは大切で難しいけれど、人がひとりでは生きることは困難だ。
落ち込んでいるときに、とてもいいタイミングでほかの人が励ましてくれることはありがたいことだ。
たしかに、励ましの言葉があったから頑張れた経験もあるとは思う。
とはいえ、いつもいいタイミングで励ましてもらえるとは限らない。
むしろ、ある人の言葉に対して、耳が痛くなることや心が傷つくこともあるだろう。
モチベーションを維持するためには、ほかの人に対して元気づけたり、励ましたりするときのように自分で自分の機嫌をとることが大切だ。
もちろん、自分に厳しくすることも大切だ。
ただ、度がすぎたものは悪影響となることもある。
体によい食べ物も食べすぎることがよくないことと同じように、物事には適切な量がある。
今回、オンラインキャリアスクールでの学習のモチベーションが維持できなくなったのは、自分に厳しくしすぎたことが原因だ。
厳しい目標を達成できても、自分のことを褒めることや認めることをしなかった。
無意識にできてあたり前だと思っていたからだ。
結果が出なくても実力がないからと、責め立てることは無意識にするのに。
自分のことを責めるままではモチベーションは高くならない。
むしろ、下がってしまうと考えたため、ゆっくりリラックスすることを重視した生活に変更し、学習ペースも遅くした。
追い込みすぎてもよい影響はないと感じたためだ。
もし今後、厳しい目標の設定を決断して達成できたら、自分のことをきちんと褒めようと思った。
今、お世話になっているオンラインキャリアスクールはWEBデザイン、ライティング、マーケティングなどのスキル以外も学ぶことができる。
たとえば、自己理解がテーマのセルフコーチングやセルフブランディング、フリーランスや起業などの会社に雇われない働き方などを学べるのだ。
セルフコーチングを学んだからなのか、無意識に自分を励ますようになっていた。
オンラインキャリアスクールに入会するまで、深い部分まで自己理解をしてこなかったため、特にセルフブランディング、キャリアデザインは役に立っている。
なんとなく心配なら自分を励ましてみよう
どうやらここまで述べてきた自分でほかの人を励ましたり、元気づけたりすることは「セルフ・コンパッション(self-compassion)」(以下、セルフ・コンパッションと表記。)のひとつの手法のようだ。
セルフ・コンパッションを知ったきっかけは、先日、偶然インターネット検索をしていたときだ。
セルフ・コンパッションはアメリカにあるテキサス大学のクリスティン・ネフ准教授が提唱したもの。
セルフ・コンパッションに関する書籍も販売されている。
もし、周囲の人たちから自信や覚悟が足りないと言われ、違和感を持っているという人はセルフ・コンパッションを試してみるのもいいかもしれない。
誰かに「大丈夫だよ。」と言ってほしいのに、言われなかったら、自分で自分に言うのもありだ。
何か行動するという覚悟や自信を持った自分を自分で一番励まして、褒めてみよう。
参考資料:
公益社団法人日本心理学会 「セルフ・コンパッションと「あるがまま」 有光 興記(関西学院大学文学部 教授)2019年10月発行
PR TIMES MAGAZINE 「セルフコンパッションとは?自己肯定感を鍛える4つの実践方法を紹介」 2023年10月18日情報更新
Beyond Health(日経BP) 「ビジネスパーソンに効く「セルフ・コンパッション」とは何か?」 高下 義弘(ライター) 2021年3月16日発行