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農業ロボット開発の優先順位の決め方

こんにちは、トクイテンの代表の豊吉(とよし)です。

トクイテンはミニトマトの収穫ロボットを作っているだけでなく、実は今農業ロボットを何種類も同時に作ってるという話をします。

たくさん作ってるのにタイヤだけでもこんな数になります

簡単なものも含めるとこんな感じです

  • ミニトマトの収穫ロボット

  • ミニトマトの葉かきロボット

  • モニタリングロボット(収量予測、病害虫発見)

  • 防除ロボット(害虫の捕獲)

  • 液体噴霧ロボット

今後作りたいとかではなくて今同時に開発をしています。複数のことを同時に進めてしまうのは良くないことも多いのですが、トクイテンなりの理由があってこのような進め方をしています。

同時に何台も組み立てていきます。大変ですが楽しみ。

自分達で使うものだから、本当に必要なものから作っていく

トクイテンのミッションは農業を持続可能なものにしていくことですが、栽培方法だけでなく、農業する人やチームが持続可能であるということも目指しています。

ウイスキーの知多で有名な知多市にあるトクイテンの知多農場

ですのでロボットは人間が楽になることが優先で「売りやすいもの」というよりは「必要なもの」から作っていっています。ここがトクイテンが大事にしているポイントになります。

例えば収穫ロボットの場合は

売りやすいもの → 収穫率100%、来年開発完了
必要なもの → 収穫率10% 来月から稼働

という感じです。収穫ロボットがちょっとでも助けてくれればとりあえず現場の我々は嬉しいのです。

また「嫌さ」も重視します。例えば薬剤の噴霧作業というのがあります。全体の作業時間からすると数%程度の仕事なのです。しかし液体を噴霧器で20リットルぐらい背負って農場全体にまく作業で過酷です。

臭い、暑い、不健康

やるとなるとメガネ、手袋、マスクに長袖長ズボン。そして臭い薬剤は体にかかるし口からも入ってしまいます。

液体噴霧ロボットは時間の節約だけ考えると後回しになるものですが、実際の現場では誰もが嫌がる仕事なので優先順位が上がります。

さらにいうと、まだ詳細は公表できませんがロボットでない機械やソフトウェアのシステムなども開発しています。現場の課題が解決できれば別にロボットである必要はないからです。

1つ1つの完成度を優先するより、このような広く浅くの優先順位で取り組むことで、栽培チームの負荷が素早く下がります。負荷が下がるということは同じチームで長くやっていけるということで、それは持続可能な営農、チームに近づくことになります。

もちろん最後は全部を自動化していきます。しかしそこにどう向かっていくかというのは結構大事です。

こういった進め方を選んでいるのはトクイテンが自社農場をもっており、そこでの農業生産活動を黒字前提で真剣にしてるからこそかもしれません。農業も成功させるし、ロボットも成功させる。簡単なことではありませんが、だからこそ面白いし、一歩一歩前進はしています。

トクイテンではそんな感じで一緒に「何を作るか」というところから考えている人を募集しています。


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