子孫が存在論的恐怖への対処に関わるという話を中国で追試した研究

Qi, J. (2022). The terror management function of descendent continuity: evidence that descendent continuity acts as a distal and proximal defense. Personality and social psychology bulletin, 01461672221081270.

https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/01461672221081270?casa_token=pTCJIVm0q5QAAAAA%3ApCyxdMlOmZBwhN-T5BL3GDrBCKcWi8K738xKgSBP3hau994N128CV3VTfN39F9RR-g0GkWjiCsQeuvE

・死について考えると子どもをもちたいという欲求が強まる(Study 1a, 1b)

・子どものことについて考えた後だと,死について考えた後の防衛反応(逸脱者への否定的評価の強まり)が生じない(Study2)

・子どもを持たないことについて考えると死関連思考の接近可能性が強くなる(Study3)

・反中国エッセイを読んでも子を持ちたいという欲求は強くならない(Study4)→だからdistal defenseだけでなくproximal defenseでもあると言いたいようだが理屈がよくわからない。

・子どもが生まれてくることを考えると死関連思考の接近可能性が低下するという結果は子がいる人でもいない人でも見られる(Study5a, 5b)


【メモ】

本文にも引用されてるWisman & Koole (2005)ではキャリアへの影響による調整効果を検討してるけど,中国だとその辺の意識はどうなんだろう。この記事(https://forbesjapan.com/articles/detail/34973)のような感じだと調整しないのかな。日本でどうなるかちょっと興味ある。

Study4の理屈がどうにもわからない。proximal defenseだと言いたいのであれば,MS操作の後に遅延課題を設けず測定して反応が出るかどうか見れば良いと思うのだけど。

2010年代に入ってから,中国ではTMT研究が割と盛んに行われてる。AASPの大会に行けば面白い話聴けるだろうか。


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