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Starting Out: Grand Archive Vol. 5 - Diana Starter Deckについて

いよいよ執筆時点で(まもなくRe:Collectionセットがでるため今は書かないSilvieを除くと)最後の既存スターターデッキ解説です!
スターターデッキの解説がおわっても、各拡張パックや世界のGA情報発信記事等で続いていくので、ご安心ください!

スターターデッキの中身

画像はおなじみhttps://build-v2.silvie.org という、Grand Archive TCGのデッキ構築サイトからスクリーンショットを撮っております。

Material Deck
Main Deck 1
Main Deck 2

基本色のカードが他に比べてちょっとすくなめ?
かわりに4枚入りのカードがちょっと多めな印象がありますね。
上級色はUMBRA(=影、という意味のラテン語由来かと思います)。
……上級色、ちょっと紫系の色多くない?

Material Deck

Champion

ChampionはDiana。
機敏に動けるハンター、ClassはRangerです。

Diana Lv1。Lineage Releaseなる効果もち。
Diana Lv2。登場時にBulletをMaterializeできる。Bulletは初出のカードタイプ。
Diana Lv3。DistantとかGenerateとか、しらないキーワードオンパレード。

……今までとちょっと……いやだいぶ?
毛色がちがうchampionですね。
しらないキーワードがいくつかでてきました。

Lv1ではLineage Releaseというキーワードが登場しました。
"Lineage Release — Materialize a Gun card from your material deck. (Activate this ability by banishing this card from your champion's inner lineage.)【拙和訳:Lineage Release - Gunカードをmaterial deckからMaterializeする。(この効果は、championのLineage内部からこのカードを除外することで発動する)】"
Inner Lineage(Lineage内部)というのは、重ねているchampionの一番上以外のカードのこと。
Lineageは、Inner Lineageから取り除いても、レベルアップ過程で正しくレベルアップできているなら、後でレベルがつながっていない状態になってもそれ自体は問題ないし、適切にレベルアップしているならどれだけ余計なものがLineageに加わっても問題ない、というルールになっています。
ただし、このカードがchampionとして一番上にある場合には、Lineage Releaseで取り除くことはできません(Inner Lineageではないため)
つまり、Lv1はLv1のままでは何も効果をもっていない、ということですね。

Lv2は、登場時にBulletカードをMaterializeできます。
Lorraineと異なり、コストの指定はありませんが、適切なコストを払う必要がある、と書かれています。
あと、InheritedでRanged 2をもつ、とのことですが、Ranged Xについてはいったんおいておきます。
なお、Lv2になってからは(何かしらの方法でLv1に戻さない限り)いつでもLv1のDianaをLineage Releaseできます。

Lv3になると、Lineage指定以外は全く新しいことがいろいろと書いてあります。
とはいっても、下の効果は、"On ○○"効果なので、発動条件は容易に想像ができます。
"On Champion Hit: Generate a Creeping Torment card and put it on the bottom of the hit champion's lineage. (To generate, add that card from outside of the game.)【拙和訳:championへの攻撃成功時:Creeping Tormentカードを生成し、ダメージを与えたchampionのlineageの一番下に置く。(生成するとは、ゲームの外部からそのカードを追加することである。)】"
……ゲーム外から追加する?

ちなみに、なぜかMain Deckにも同名カードが4枚入ってます。

まず、このゲームではGenerateによってゲーム外から追加されるカードは、サイドボードよりさらに外から追加という扱いになります。
一応サイドボードがあるゲームですが、扱いとしてはトークンっぽい感じになります。
が、このゲームではトークンはカードの扱いではなく、したがってchampionの下に置けないルールっぽいので、実カードを用いるようです。
そして、championは、Lineage全体で1つのObjectとなります。
で、このカードが相手のchampion lineageの一番下に置かれるので、毎ターン2枚目を引く時、Lineageにこのカードを含むchampionは、このカード1枚につき2点ダメージを受けることになります。
……可能な限り毎ターン2枚目を引かせたいですね。
ちなみに、このカードはMain Deckにも4枚入っているので、手札からプレイして場に出た後、On Enterによって相手のchampion lineageに含ませることが可能です。

Lv3がもつもうひとつの効果は、Distantになる、という効果。
DistantとRanged Xは、セットで機能する効果です。
"Ranged X (As long as this unit is distant, its attacks get +X.)【拙和訳:Ranged X: このunitがdistantである限り、これの攻撃時パワー+Xの修正を得る。】"
Rangedになっているからといって、ただちにパワー上昇となるわけではありません。
Rangedによってパワーを上げるためには、そのunitをdistant状態にしてから攻撃宣言を行う必要があります
Distantはunitの状態を表しますが、distantになったからといってdistantでないunitが反撃できない等の追加ルールはなく、純粋にdistantという状態なだけです。
また、一度distantになると、なったターン中はずっとdistantですが、ターン終了時にdistantではなくなります
Lv2がもつInherited Effectとあわせて攻撃時にパワー2点上昇を得ますが、champion単体ではLv3になったターンしかdistantになれないので、Lv3になるタイミングをちゃんと調整することが必要そうです。

Champion以外のカード

すでに2500文字超えてるんですよね。
とはいえ、Material Deckの中身もDianaスターターは結構独特で、申し訳ないですが引き続き紙面を使います。

まずは、Lv1のLineage ReleaseでMaterializeできるBulletカードから説明します。

Bulletカードは、パワーもちのitemカード。

Regalia Itemというカードタイプはもう馴染みがありますが、それ以外は新しいことだらけです。

"Renewable (If this card would be banished from the field or an intent, put it into its owner's material deck instead.)【拙和訳:このカードが場や解決領域から除外される時、代わりにこれを所有者のMaterial Deckにいれる。】"
これまで登場していたRegaliaカードは、破壊される、weaponの耐久力がなくなった等で場を離れると、ゲームから除外されていました。
このカードは、そういった場合に、ゲームから除外ではなく、Material Deckに帰ります
つまり、Materializeすれば、もう1回場に出せます。

また、これは銃の弾なので、使うためにはどうやら銃に装填する必要がありそうです。
その装填が2行目の効果です。
このカードを横に倒しながら、装填したい武器を指定すればOKです。
ちなみに、装填されたカードは場ではなくLoaded cardsという領域に移っているため、この状態ではRenewableによってはMaterial Deckに戻れません(そのような場合はゲームから除外なり墓地に送らされるなりされます)
また、1回装填したらGunの中に入ったままになるようです。

ここまではBulletのカードの共通事項のようですが、3行目はカードごとに固有の効果になっています。
このカードは、このカードを装填した銃で攻撃した場合、その攻撃で与えるダメージすべてが軽減不可能になる、という効果をもちます。
Class bonusかつLv2以上という制約はあるものの、結構強めの効果ですね。

Gunの一例。なんと2体攻撃。

ここまでGun(銃、としてここまで書いてました)の紹介をしていませんでした。
Gunというカードタイプがあるわけではなく、weaponの中に、Gunというキーワードをもつカードがあるという構造になっています。
"(Gun — Must be loaded to use for an attack and can't be used with an attack card.)【拙和訳:(Gun - 攻撃使用に際しloadedの状態でなければならず、attackカードと併用できない。)】"
Loadedの状態は、Bulletカードがレストされ、特定のGunに装填されていることを指します。
ちなみに、現状ではGunをもつweaponはMaterial Deckに入るカード(=Regalia)にしかありませんが、BulletカードはMaterialに入るものと、Mainに入るものの両方があるようです。
装填されているので、当然攻撃時には全て一緒に解決領域に入ります。
で、攻撃の終了時に、使用したBulletは(Material Deckに入っているものは、Renewableによって)Material Deckに戻るか、(Main Deckに入っているものは)墓地に置かれます。
フレーバー感がよくでている仕組みですね。

このカードは、Class Bonusで"If combat damage would be dealt to a unit by an attack using Blastshot Pump, that damage is dealt to that unit and an additional unit you don't control instead.【拙和訳:Blastshot Pumpを使用して行われた攻撃でunitにコンバットダメージが与えられる際、そのダメージは、そのunitと追加のunit 1体に与えられる。)】"という効果をもちます。
細かいのですが、追加のunitに与えるダメージもコンバットダメージ(=On Hit系がそっちも誘発する)かつ、このカードでのダメージを解決する状態になってからは、追加のダメージは軽減ができないルールになっています(ダメージを与える処理の一環として誘発する効果のため)。
また、ダメージを与えるunitはこのweaponのコントローラーが決定し、weaponのDulabilityカウンターは1回の攻撃で1つだけ取り除かれます。
……パワーは低めだけど、強い。

Main Deck

ようやくMain Deckです。
今のところLorraineのようにchampionでアタックしていく感じのデッキに思えますが、championのcurse関連のカードと、Allyやそれらに関係するカードはdistant & ranged関連が数多く採用されています。

なんでClericなんだろう……新弾でUmbraなCleric champion出るのかな……。

先に紹介したCreeping Tormentは、毎ターン2枚目のdrawを実行すると不可避の2点ダメージが誘発しました。
このdrawですが、draw into memoryでも誘発するようです(drawについて定義している、Comprehensive Rule 2.9.4と2.9.5を確認済)。
そのため、相手が2枚目のドローを行わないでターンを終わろうとする時に、Fastスピードのこのカードを用いてcurseのダメージを誘発させることができます。
Memoryが6枚以上のプレイヤーは追加で4点のダメージ(これは軽減可能です)を受けるので、Dianaと対面するプレイヤーにとっては、毎ターンのRecollectionフェイズまでにうかつに4コスト以上使えないという心理的プレッシャーが発生します。

これでようやくcurseの使い道がわかってきました。
Curseを与えて相手の行動を縛りながら、ダメージソースにも変換していくという戦い方の原動力になるので、できるだけLv3のchampionでの攻撃を行って、curseを相手のchampion lineageにどんどん追加したいところです。
ということで、毎ターンのMaterializeはできるだけchampionのレベルだけを優先して上げたいですね。
しかし、そうするとどうしてもGunとBulletが足りなくなりそうです。
特に、Bulletは1回攻撃すると場を離れます。
どう考えても足りません。
そこで、

実質2コストで追加MaterializeのActionカード。
場にいるだけで毎ターン追加Materialize。
かなり面白い動きができる1枚。

これらのカードでBulletを毎ターンのMaterializeに加えて実行します。
特に、Force Loadは面白い1枚です。
通常、1つのGunには1つのBulletしかloadできません。
ですが、このカードを使用する前にGunにBulletをloadしてからForce Loadをプレイすると、すでにBulletがloadされているGunに追加のBulletをloadし、1回の攻撃で2発一気に撃つことができます
ちなみに、当該Gunを使う前に2回以上Force Loadをプレイしても、全部の弾を1つのGunに押し込んで全部同時に射出が可能です。
※何発弾をいれていても、当該Gunを使うとloadされた全ての弾が強制的に同時に射出され、射出される弾を選ぶということはできません

Gun関連だけでかなりの紙面を使いました。
Gun関連以外のMain Deckについてもすこし見ていきます。

自分でdistant & Rangedをまかなうえらいやつ。

このデッキに入っているAllyは基本的にRangedをもっていますが、このカードは自力でdistantになれます。
普通はどうやってdistantになるか考えなきゃいけないのに、えらい1枚です。
Championを含めたこれ以外のカードがdistantを得るには、複数の潤沢な選択肢が入っていますが、

ダメージ軽減つきのdistant付与。

が一番便利だと思います。
Unit(Allyではなく)を1体選んでdistantを付与して、2点のダメージを軽減します。
攻撃時に使用すれば、championがコンバットで反撃されるダメージも2点軽減です。
ちなみに、スターターデッキとしては1枚だけですが、全体にdistantを付与するカードもあります

全体にdistantを付与する代わりにchampionのライフが-2点。
でもこれ使ってそのまま走りきるなら関係ないよね。

まとめ

固有のフィニッシャーはあんまり見当たらないものの、distant + Rangedで序盤からプレッシャーをかけつつ、中終盤はchampionのアタックから相手にどんどん制約を課していけます。
自分にも制約がかかりがちなので試合中に考えることがめちゃくちゃ多くありますが、これまで紹介してきたどのデッキよりもユニークな動きができる面白いデッキです。
また、このゲームの細かいルールまで熟知したいなら、このデッキを最初のスターターとして選択すると嫌でも勝手に詳しくなると思います。
実際、解説記事を書くにあたって、(他の4デッキを書いた知識の上でさらに)一番多くComprehensive Ruleを読む必要がありました。

さて、これでSilvie以外の全スターターデッキ解説が終了です。
SilvieについてはRe:Collectionセットが出てからそっちの内容で解説の予定なので、これでいったんスターターデッキ解説からは離れます。
とはいえ、今後もStarting Out: Grand Archive TCGの記事は続きます
次回は、まだRe:Collectionと新弾Mercurial Heartの発売前どころかWorlds 2024(世界大会2024)開催前更新予定なので、紹介した5個のスターターを拡張する目線で、現行最新弾のAlchemical Revolutionから何枚かをピックアップして紹介する記事にするつもりです。
私自身もまだまだこのゲームをはじめたばかりですが、日本のプレイヤーが増え、もっともっと日本で楽しめるようになるとうれしいですね!
この記事がその一助になってくれたら、もっとうれしいです!!

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