𝕊𝕋𝔸ℝ𝕋 𝔹𝕐 𝕄𝔼(服の話)連載2

2023年2月18日 03:56

前回の話しがどんなだったか、忘れるくらい期間が空いてしまった。
そもそも今回の話を書く為にめちゃくちゃ画像を検索しまくったけど、古い情報過ぎてほぼ何も収穫はなし。

中学生に上がった𝔹𝔼𝔸𝕊𝕋少年の、青春の話です。

雑誌の広告のスカジャンは自分が明確に欲しくなった最初のお洒落な服

アメカジというものを学ぶ前に、時代の流れ、芸能人の着用のせい。キムタクや草彅剛が好きで着てるという理由で。雑誌の通信販売コーナーはほぼほぼスカジャンを見ない時は無い時代の到来。

もっと言えばテレビのドラマ、CM、ちょいちょい見かけては居たのだが、一体あの服は何て名前の何なんだ？謎だったのだ。答え辿り着くまでの期間は小学校高学年くらいから中学2年生まで。たまたま買った雑誌、中学校の先輩が着てたり。やっと、やっと辿り着く。

スカジャンと言うのか

感慨深さと言うものを知った。
先輩が着てた(※)のはシンプルな龍の青いスカジャン。
欲しい。欲しいけど、中学生にはあまりにも高いし、そもそもどこで買える？わからない。
友達に聞いても詳しく知ってるやつが居ない。

もう1人のカッコいい先輩(※この先輩達は学校に着て登校してました)が着てる別珍の鷹のスカジャン。
カッコいいなぁ。欲しい。
そして運命の出会いは訪れる。
友達から回って来た週間少年ジャンプの通信販売コーナーに。先輩のと同じ別珍のスカジャンがあった。「先輩のと同じやつだ…」初めて芽生えた自我と言っても良い。明確な、どうしても欲しい、高い物。当時それでもそのスカジャンは10000円ピッタリとかだったはず。今考えると、どう考えても安い。
ビシッと背中に銀色の鷹が入っていてリバーシブルでサテン地に虎。こんなシンプルでカッコいいスカジャンが10000円なら今なら迷わず買うけど。
当時は何せ14歳、中学2年生。当時貰ってた小遣いは3000円。毎日の友達との付き合いで駄菓子屋や
ジュース、酒、タバコに費やすとどうしても苦しい金額だ。酒とタバコに関しては、まあ、そう言う時代としか言えません、すみません、はい。

頭を抱え、必死に考えても金は湧いて来ない。
悪さはしたくない。家に売れる物などほぼ無い。
どうしたもんか。この時俺は何としても手に入れたかったが。最終的に諦めた。
と言うより。この後もっと欲しくなるスカジャン達と出会うのだ。

夏休みに入り友達のしんのすけ、古谷、比毛ちゃん、吉川、仲良い奴らでしんのすけの家に泊まった、稲中卓球部やエロ本、エロ漫画、AVを鑑賞し、タバコを吸い、酒を飲む会である。
夜な夜なコンビニへ出かけ、エロ本と酒とタバコを買い、その時俺はファッション雑誌を買った。
そもそもメンズ向けのファッション誌の先駆けが出始めた時代。ファッション情報誌ストリートファイターMA-1今考えると冗談みたいなタイトルの雑誌だな。とにかくカッコよくて、エロ本より夢中になって見ていた。

やられた。やられていた。居てもたっても居られず。
横浜へと繰り出す夏休み後半。
横浜市本牧にあるマイカル本牧へ繰り出す。
自宅から結構な距離だけども、どうしても見たいお店があったのだ。

マイカル本牧。当時この近辺にあるショッピングコンプレックス(当時、ショッピングモールという概念は恐らく無い)の中でも群を抜いて巨大な施設で専門店が並び、小学生→中学生の時の自分にとって特別なものであった。過去に行った時、確実にスカジャンを見ていた記憶があり、探しに、もとい買う気で行く事に。必殺、"定期預金を崩し欲しいのもを得る"
我が人生初の発動である。
当時持って行った資金は3万円。
何となくだが、ファッション雑誌で得た知識から2万円くらいで買えなくもなかったが不安すぎて3万円財布に突っ込んでった。根岸線の駅に降りてバスに乗り込む。段々と街が異国めいて行く、本牧のアメリカ人居住区が近くてダイナーやハンバーガーショップ、BARやダンスホールなどが立ち並ぶ街並み。

MOONEYESカフェに憧れを馳せた思い出の街。
マイカル本牧の中もどこか異国情緒漂う感じがして胸が高鳴る。前に来た時より、より洗練され
ソリッドな専門店達が軒を連ねるマイカル本牧、その中にひときわ俺を誘い込むヴィンテージセレクトショップを見つけた。ここになら、ある。壁際に並ぶハンガーに其れ等はあった。煌びやかなサテン地に刺繍が施されたまさにsouvenir jacketという感じがするスカジャン達。残念ながら青や緑といった鮮やかな色合いのものは少なく、グレーや黒、エンジ色のものばかりだが、俺の血は沸き肉は躍る。値段は全部15000円くらいだった。スカル柄のグレーのやつか
、背に竜の顔があるエンジのやつか、悩み抜いた末にやはりドラゴンが欲しいとなりエンジの方に決めた。我が人生においてのファーストスカジャンを入荷して、他にもguns&rosesのステッカーやコカコーラのキーホルダーなどを買い、ダイナーでチーズバーガーを食って帰りすぐさましんのすけの家に着て見せに行った。

そこから約半年、今度は家の手伝いや、簡易的なアルバイト(夏休み限定のやつ)をして稼いだお金で
セカンドスカジャンを買いに行く。

東洋のラインナップを雑誌で、テレビで追いかけてたら、黒夢の清春が着ていたグリーンのスカジャンがcool過ぎて欲しくなったのだ。