【詩】2024.2.16 春雷。

 外ではビカビカと雷が轟き

 シャァシャァ雨が乱れ狂って

 今生まれようと踏ん張っている

 新しい命たちを

 容赦なく荒らしていく

 「あ、春がきたね」

 その様子を窓越しに眺めて

 君はムニッと桜餅を頬張る

 春色に満ちた口を抑えて

 幸せそうに笑う君と

 荒れ狂う硝子越しの暗闇

 あの暴力に耐えきった

 強い強い命たちが

 今隣にある笑顔のように

 華々しく咲き誇るのだろう

 春雷。

 それはとても素敵で、恐ろしいもの

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